今韓国の政治が大揺れしています。昨年秋「経済大統領」として圧倒的な得票率で当選した李明博氏が今や支持率20%前後に落ち込んでいるという。大統領府の秘書官が全員辞めたとか閣僚全員が辞表を提出したとか、わが国に引きなおしてもこれは最早大変な政変ともいえます。直接の引き金はアメリカからのBSE(いわゆる狂牛病)にからんだ牛肉の輸入問題でアメリカとの交渉がうまくなかったことが国民の怒りを買ったといわれています。たしかに牛肉の安全性問題で日本でも全く同じ大議論がありましたが、だからといってゼネスト近くまで発展するほどではなかった。韓国では多分それ以外の要素、経済不調、社会格差、社会不安などが一気に噴出したものであって、併せて大衆動員などでインターネットが果たす役割が非常に大きかったともいわれます。政治と国民の関係はこのように実に微妙で繊細で、一瞬のうちにその支持や支援が変わってしまうというのが現代の大衆政治の特徴的なところです。支持率が高いと思っていても一瞬に暴落する。逆に悪いと思っても黙々と努力していればいつか支持も上がってくることになるのでしょうか。
韓国政治の浮き沈みはまさに多くのことを教えてくれます。李大統領の健闘を祈ります。
韓国政治の浮き沈みはまさに多くのことを教えてくれます。李大統領の健闘を祈ります。