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DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その11「スマートなイメージ」

2010年11月21日 11時00分34秒 | 建築
 あかりコンペで御一緒した浅野さんから、プレゼン後のお茶会にて教えて頂いた建築である。設計者の古谷誠章さんは今回のコンペで審査委員長をしてくださった方である。大変お世話になりました。浅野さんのi-phoneでマップを開いてもらい、位置を確認し向かった。本当に便利な世の中だ。(自分はその便利さについていけてない気がするが…。)

 「イル カセット」を見た印象はスマートで格好良いというものだった。テナントの入っていない竣工時の写真はもっと格好良いのだが、テナント有ってのビルなので無茶は言えない。外部には見えてこないが、基準階のフロアーが全て逆梁になっているそうである。吹き抜け部分は増床にも対応出来る。しかしこの軽やかさスマートさは吹き抜け有ってのものだと思うので、たとえ諸条件が変わっても増床しないでほしいなと思う。

「イル カセット」
設計者:古谷誠章+八木佐千子/NASCA 竣工:2002年
福岡市中央区大名1-2-5

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その10「入れません・・・」

2010年11月19日 14時40分30秒 | 建築
 3年前福岡に来た際、頑張って吉村建築の「河庄」でお寿司を食べた。今回は急遽福岡に行くことになった為、潤沢な旅費が有るわけでもなく、この磯崎建築のお寿司屋さん「やま中」での食事は断念した。勿論入ってみたかったのだが…。ファサードはRC打放しとガラスである。ガラスの枠が障子の組子にも見える。ガラス内部に貼られているものが、和紙のようなのだが確認出来なかった。入りたかった…。

「やま中」
設計者:磯崎新 竣工:1997年 福岡市中央区渡辺通2-8-8

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その9「使わなかったけれど」

2010年11月16日 16時34分32秒 | 建築
 今年の2月に上京した際、代官山で葉祥栄氏の「We+F vision/CARATO71」を見た。71枚のガラスで造られた建築だった。福岡市内にも葉氏の建築が在る。「福岡市営地下鉄七隈線天神南駅」である。実はこの地下鉄は利用していない。地上部分の入り口の写真をUPする。

 御覧の通り、ガラスで構成された入口である。天井を白く塗られた丸鋼管が支えているのだが、その組み方が面白い。設計者はさぞ楽しんで設計したのではないだろうか。

「福岡市営地下鉄七隈線天神南駅」
設計者:葉祥栄 竣工:2005年 福岡市中央区渡辺通5

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その8「この建築の庭に」

2010年11月14日 12時16分29秒 | 建築
 何だか忙しくなってしまい、また5日も空けてしまった。頑張って書かなければ!
 さて「福岡銀行本店」である。堅いイメージの四角い巨大な建築の中に、巨大な吹き抜け空間が存在する。日曜日であったから例によって「内部には入れないなあ…。」などと思いつつ、その吹き抜け空間へ歩を進めたところ、何と彫刻の宝庫がそこに在った。自分が大好きな彫刻家の作品が計9体も在る。「これは大変良い場所に来た!」と喜んだ次第である。せっかくなので全部載せる。

高校の大先輩でもある佐藤忠良氏の「ボタン」である。様々な場所で見てきたが、何度見ても良い。

同じく佐藤忠良氏の「うずくまる裸婦」。

この方も高校の大先輩で、田上義也氏、上遠野徹氏とも縁の深い本郷新氏の「想」

佐藤忠良氏、本郷新氏と共に釧路の幣舞橋の四季の像を創った柳原義達氏の作品は、これも有名な「道標・鳩」である。

「エーゲ海に捧ぐ」という作品が南は九州、北は北海道まで収蔵されている木内克氏の「裸婦」という作品である。木内氏の“ひねり”の小作品を買ってしまおうか…と随分悩んだことがあった。でも先に佐藤忠良作品か本郷新作品だろう!と思って止めた。

同じく木内克氏のやはり「裸婦」である。躍動感が凄い。

これも木内作品の「犬」

桑原巨守氏の「野の花」も素晴らしい作品だ。当たり前だけど。

最後も桑原巨守氏の「ファーコート」である。これで全部だが、建築の紹介ではなく彫刻の紹介となってしまった。しかし至福のひと時を過ごすことが出来た。
 実はこの建築の地下にはコンサートホールも有って、大変文化に貢献した建築である。

「福岡銀行本店」
設計者:黒川紀章 竣工:1975年 福岡市中央区天神2-13-1

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その7「福岡の辰野式」

2010年11月07日 18時47分19秒 | 建築
 この建築を撮影したのは、残念なことに丁度隣接するビルの日陰となる時間帯であった。外観は昨年盛岡で見た「旧盛岡銀行」によく似ている。福岡の辰野建築は3年前に「西日本工業倶楽部/旧松本邸」を見たが、赤煉瓦と白い花崗岩による“辰野式”ではなかった。この「福岡市赤煉瓦文化館/旧日本生命福岡支店」は典型的な“辰野式”である。大きさもちょっと小さく、可愛い感じだ。訪ねた時間が早かった為、開館していなかった。よって内部写真は無い。

「福岡市赤煉瓦文化館/旧日本生命福岡支店」
設計者:辰野金吾 竣工:1909年 福岡市中央区1-15-30

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その6「無理やり多仲」

2010年10月30日 15時02分32秒 | 建築
 これは“探訪した”とは言えないだろう…。しかし内藤タワー6兄弟コンプリートまであと二つと迫っている。無理を承知で掲載する!
 青木茂氏の「福岡市農業協同組合本店ビル」から直ぐ傍の地点で撮影した。時間が無くてこれ以上近くに行けなかった。内藤タワーの中では最も後に作られたものだ。残るは同じ九州に在る別府タワーだけである。え?博多ポートタワーは探訪した内に入らない?

「博多ポートタワー」
設計者:内藤多仲 竣工:1964年 福岡市博多区築港本町2番地

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その5「初リファイン」

2010年10月27日 19時20分31秒 | 建築
 札幌では昨日初雪が降り、今朝は積っていた。昨日中にスタッドレスタイヤに替えていたのだが、この二日間はとても大変だった。ああ、やはりここは北海道。本州以南とは違うのだと思い知る。

 さて、そんな北海道では見ることが出来ない建築をUPする。青木茂氏の“リファイン”建築の初UPである。昨今の不況や環境問題などもあって、ずっと気になってはいたのだが北海道在住なので見る機会に恵まれないでいた。今回青木氏の御膝下九州で「福岡市農業協同組合本店ビル」を見たのだが、とても綺麗な建築であった。単なる耐震改修工事や補修工事などとは別のレベルである。2005年の第19回福岡市都市景観賞も受賞している。青木氏のホームページでリファイン前の外観を見たのだが、まるで別物であった。二酸化炭素排出量は同規模新築工事の6分の1だそうである。九州だけではなく、全国、北海道でもリファイン建築が増えるのではないだろうか。

「福岡市農業協同組合本店ビル」
設計者:青木茂 竣工:2005年 福岡市中央区天神4-9-1
第19回福岡市都市景観賞

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その4「式年遷宮」

2010年10月22日 10時49分48秒 | 建築
 トップの写真は塀と門であるから、本殿自体ではない。以下の写真に屋根部分が少し写っている。こちらが博多の「住吉神社本殿」である。

 1623年に再建されたものであるが、大阪の住吉神社より古いそうだ。本年、平成22年の10月16日には、25年に一度の「式年遷宮 御神幸」が執り行われた。その準備も有ったのだろうか、訪れた日も建築業者さんが工事を行っていた。お祭りの期間は9月25日から11月17日の間で様々なイベントが有るようだ。詳しく調べていないのだが、本殿を見る事が出来れば良いなと思う。

「住吉神社」
設計者:? 建立:1623年再建 福岡市博多区住吉3-1-51

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その3「インド砂岩」

2010年10月17日 12時21分30秒 | 建築
 外装材にインド砂岩が用いられているという。“インド砂岩”には苦い思い出が有って、嘗てゼネコンの現場監督だったとき、インド砂岩を海外から取り寄せて外装材に使った現場の担当となったことがある。その際、汚れがしみ込んだ製品が多く含まれていて、再度取り寄せるのに随分時間がかかり、往生した。この建築ではそのようなことはなかったのだろうか。インド砂岩と聞く度に、ついそんな疑問が湧くのである。
 現在でも十分に格好良いデザインで、全面改修中の博多駅前に在って色褪せることの無い建築だ。

「西日本シティ銀行本店」
設計者:磯崎新 竣工:1971年 福岡市博多区博多駅前3-1-1

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その2「水道管ゲーム」

2010年10月15日 18時58分03秒 | 建築
 今回の福岡建築探訪では、磯崎建築を最も多く見た。「北九州市立中央図書館」の特徴は何と言っても円形屋根とその平面形だと思うが、地上からだと分からない。是非書籍や他のサイトで見てもらいたい。まるで水道管ゲームのようでとても面白い。
 空から眺めることは出来ないが、地上からでも特徴的部分を見ることは可能だ。アプローチを進んでいくと、長いスロープを見ることが出来る。屋根の緑も印象的であった。

「北九州市立中央図書館」
設計者:磯崎新 竣工:1974年 北九州市小倉北区城内4-1

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その1「でかい!」

2010年10月13日 17時11分21秒 | 建築
 太宰府天満宮から歩を進め、長いエスカレーターや動く歩道を使ってエントランスに辿り着いたそこに…。巨大なガラスの壁がそびえ立っていた。いやはやでかい!でかいのだけれど御覧のように、ガラスに映った山の稜線や雲が、建築物の奥、遠くの稜線や雲とあたかも繋がっているように見える。よって、何か透明感みたいなものを感じる。
 内部も当然ながら広い。企画展、常設展を見終わるまでに軽く2時間かかってしまった。予定滞在時間を遥かにオーバーして焦ることとなった。
 内部空間には仕上材として大量の木材が用いられている。まるでこの巨大な屋根を丸太で組んだように見える。勿論違うのだが。これら大量の丸太や、その他の仕上げ用の木材などのおかげで、和を感じる内部となっている。
 
 3年前、時間が足りず涙を呑んで通り過ぎた建築を、ようやく見ることが出来て満足であった。

「九州国立博物館」
設計者:菊竹清訓 竣工:2003年 太宰府市石坂4-7-2

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その8「新しいのも見たよ」

2010年10月04日 16時28分17秒 | 建築
 新しいと言っても5年前に竣工した建築である。日経アーキテクチュアでは施工中の写真も掲載されていた。外壁として2重の鋼板を溶接し、コンクリートを充填して構造体としている。この多くの不揃いな穴あきファサードは、そのようにして作られた。伊東氏の建築は構造に特徴が有るものが多く、とても興味を引かれる。その内部空間も面白い形態のものばかりである。だがこの「MIKIMOTO Ginza2」に入ったかどうかは聞かないでほしい。答えは明白だ。

「MIKIMOTO Ginza2」
設計者:伊東豊雄 竣工:2005年 東京都中央区銀座2-4-12

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その7「そっちじゃなくて」

2010年10月03日 17時35分16秒 | 建築
 大きく“PIAS”と光った看板と、独特なファサード。この記事は2008年に竣工した久米設計の「PIAS GINZA」の紹介記事かと思いきや、さにあらず。今回紹介するのはこっちである。

 DOCOMOMO JAPANに自邸が選定されている土浦亀城氏設計の「三原橋センタービル」である。初めてpenkou師匠とお会いして、銀座を歩いた5年前に「これは見ておいた方が良いよ。」と教えて頂いたにも関わらず、誰の設計か覚えていなかった。それで今回5年ぶりに再度教えて頂いた。道路を挟んで同じ形状の建築が2軒建ち、地下街(通路?)で繋がっている。しかしながら片方の道路側からのファサードは大きく変わってしまった。

 上の写真は5年前に撮った写真で、同じ飲食店がそのまま営業されていた。道路と反対側の外壁曲面はまるでコルビュジエの「ラ・ロッシュ邸」のようだ。あるいは前川國男のデビュー作「木村産業会館」の1階奥の部分か。いずれにしてもモダニズム建築の雰囲気満天である。

「三原橋センタービル」
設計者:土浦亀城 竣工:1952年 東京都中央区銀座4丁目8

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その6「大きな忠太」

2010年10月02日 18時03分33秒 | 建築
 正面からの写真はよくUPされているので(本記事もそうなのだが)、一番の特徴であるチャイティア窟をモチーフとしたアーチの屋根を早く見たかった。実際に見てみると正面よりも奥行きの印象が強く、見ることが出来て良かったと思う。この寺院は日本でも中国でもなく、インドのイメージだ。夜間はチャイティ窟屋根がライトアップされとても綺麗だ。
 京都で修復中の本願寺伝道院や、塀越しに見た祇園閣と比べても、とにかく大きい。参拝時間を過ぎていた為、内部には入れなかったが、外観とは打って変って和風の意匠だそうな。

「本願寺築地別院」
設計者:伊東忠太 竣工:1934年 東京都中央区築地三丁目15番1号

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その1「120周年」

2010年09月27日 17時35分01秒 | 建築
 東京の旅行代理店では驚くほど安い北海道ツアーのパックが発売されたりする。逆に北海道のような地方では“帝国ホテル2泊ツアー”などが企画されていて、多分かなり格安で宿泊出来ると思う。(penkou師匠に「そんなに安くないのでは?」と指摘されてしまったのだが。)さてしかし、本人は“多分格安!”と思い、申し込んだ。今年は開業120周年ということで様々な企画も有るようで、ロビー横のスペースではパネル展を開催中だ。1967年~1968年に解体されてしまったフランク・ロイド・ライト設計の「ライト館」の模型も展示してある。

 思えばこのライト館設計時に押しかけ弟子となったのが、田上義也氏であるから、現在田上建築を追いかけて見ている自分にとっては感慨深いものが有る。更にロビーの中央には犬山市の明治村から移築されたライト館の柱が1本運ばれてきて展示されていた。

 この他、ライトのエッセンスを感じる為には1泊40万円を上回る“フランク・ロイド・ライト・スイート”に泊る手も有るが、自分には到底無理なので大胆にも「見せて!」と頼んでみた。すると「生憎、本日はお泊りのお客様がありまして、事前にご確認いただきたいのですが。」とのことだった。すると!宿泊者がない場合、見学させてもらえるということだろうか?
 スイートでの宿泊など夢のまた夢だが“オールドインペリアルバー”なら何とかなりそうだと思い突撃した。“建築大好きオーラ”を発していたのだろうか、一番奥のライト館で使われていた大谷石の前に席を作っていただいた。それはそれは美味しいお酒となった。

「帝国ホテル」
設計者:高橋貞太郎(新本館)・山下設計(インペリアルタワー)
竣工:1970年(新本館)・1983年(インペリアルタワー)
東京都千代田区内幸町1-1-1