2016年12月21日(水)
12月の読書会は、林真理子さんの「ビューティーキャンプ」。
ところが、Aさんが、今日は、「無私の日本人」かと思ってと、一枚の絵葉書を
持ってきてくださいました。ご主人と米沢の旅館に泊まった時、
床の間に、富岡鉄斎の掛け軸がかかっていたそうです。
あの、「無私の日本人」の大田垣蓮月の侍童として育てられた文人で、
有名な画家、儒学者になった方です。
偽物も多いけれど、何か感じるから本物かもと、ご主人に写真を撮ってもらい、
それを絵葉書にしたのだそうです。遠くに山や庵を望む山水画を思わせる
日本の風景です。
本を読んで、それで終わりではなく、そこから世界が広がって、いろいろな
物に出会える感覚は、本が私たちにもたらしてくれる幸せの一つと、思いました。
さて、今日の、「ビューティーキャンプ」。
これは、ミス・ユニバース日本事務局に勤める由希が、ニューヨーク本部から派遣された
美の伝道師エルザとともに、美女12名の中からミスユニバース日本代表を選ぶための
2週間に渡る合宿を行う話です。
林真理子さん、題材の取りあげ方が上手いですよね。
美という女性の関心事に、興味が惹かれ、一気に読んでしまいました。
ウィステは、子供のころから、自分から遠い存在である、美少女に憧れがありました。
美少女になると、今の平凡な生活から抜け出せて、夢のような生活になるという、
まさに、夢、妄想。
身近には、ザ美少女って、そんなにいなかったけれど、漫画や小説では、必ず出てきました。
美少女で性格が悪い子は、お金持ちで、悪役系。こちらは、自分が美人と知っている。
美少女で性格の良い子は、貧乏からスタートしても、幸せが待っている。
こちらは、心が綺麗だから、自分が美人と知っていない・・・と。
こういう少女漫画・小説の世界にも、はっきりと、日本人の暗黙のルールが描かれ、
育成されていくんですね。
つまり、美人が、「自分は美人」と言うと、他の女性から嫌われる。
美人が、「自分は美人」と認めないと、周りの評価を上げる。
だから、美人は、謙遜して生きていくのが安全・・・。
でも、謙遜していては、ミスユニバースには、なれない。
だから、エルザは、有望株のカレン(←美人だからイヤな目にあってきた)に、
「あなたが、日本代表になりなさい。そして、世界一になったら、あなたが、美しく生まれた
意味が、きっと分かるわ。だから、全力を尽くしなさい」と、アドバイスする。
この合宿は、ミスユニバースの選考基準にあった女性に鍛え上げる修行の場ですものね。
そして、その選考基準とは、外見の美しさに加え、知性、感性、人間性、誠実さ、自信など
内面も重視。
さらに、社会に積極的に貢献する社会性を兼ね備える、グローバルな女性像が求められるんです。
だから、最近の日本代表から感じる違和感、それは、大和撫子では、世界で戦えないので、
そういう日本人好みの美人ではなく、グローバルでゴージャスな、いわば、アメリカンな
女性が選ばれているからですねえ・・・。
では、美をパワーに変えた彼女たちは、ミスユニバースになると、何をするのかというと、
ニューヨーク(←なんと、トランプタワーですよ・・・)を拠点に、1年間、世界を回って、
開発途上国などで、チャリティー活動、主に、HIV撲滅のチャリティーを行うそうです。
美のパワーを、個人的に良縁を掴まえるためにだけ使うのではなく、大衆に訴えかける
力に使って行くんですね。
その後は、きっと、美のパワーを持って、それぞれの人生を作りに行くんでしょう。
ところが、小説のラスト、ミスユニバース日本代表には、番狂わせで、若い桃花が選ばれる!
ユーモアに富んだトークという中味の魅力と、未完成なほうを好む日本人審査員の傾向があった
けれど、選ばれたとたん、その場で、もっとも美しい女になったという描写に、
栄冠を背負う重みを感じました。
美人という遥か彼方の女性たちの話なのだけれど、Bさんの、
「林真理子さんは、それぞれの女性の中に、私たちのいろいろな面を映し出し、
頷かせるという力量を持っている」
という言葉に納得でした。
ところで、今日は、冬至。
夜、柚子湯に入って、美人度アップ(←当社比・・・)です・・。(^^)
12月の読書会は、林真理子さんの「ビューティーキャンプ」。
ところが、Aさんが、今日は、「無私の日本人」かと思ってと、一枚の絵葉書を
持ってきてくださいました。ご主人と米沢の旅館に泊まった時、
床の間に、富岡鉄斎の掛け軸がかかっていたそうです。
あの、「無私の日本人」の大田垣蓮月の侍童として育てられた文人で、
有名な画家、儒学者になった方です。
偽物も多いけれど、何か感じるから本物かもと、ご主人に写真を撮ってもらい、
それを絵葉書にしたのだそうです。遠くに山や庵を望む山水画を思わせる
日本の風景です。
本を読んで、それで終わりではなく、そこから世界が広がって、いろいろな
物に出会える感覚は、本が私たちにもたらしてくれる幸せの一つと、思いました。
さて、今日の、「ビューティーキャンプ」。
これは、ミス・ユニバース日本事務局に勤める由希が、ニューヨーク本部から派遣された
美の伝道師エルザとともに、美女12名の中からミスユニバース日本代表を選ぶための
2週間に渡る合宿を行う話です。
林真理子さん、題材の取りあげ方が上手いですよね。
美という女性の関心事に、興味が惹かれ、一気に読んでしまいました。
ウィステは、子供のころから、自分から遠い存在である、美少女に憧れがありました。
美少女になると、今の平凡な生活から抜け出せて、夢のような生活になるという、
まさに、夢、妄想。
身近には、ザ美少女って、そんなにいなかったけれど、漫画や小説では、必ず出てきました。
美少女で性格が悪い子は、お金持ちで、悪役系。こちらは、自分が美人と知っている。
美少女で性格の良い子は、貧乏からスタートしても、幸せが待っている。
こちらは、心が綺麗だから、自分が美人と知っていない・・・と。
こういう少女漫画・小説の世界にも、はっきりと、日本人の暗黙のルールが描かれ、
育成されていくんですね。
つまり、美人が、「自分は美人」と言うと、他の女性から嫌われる。
美人が、「自分は美人」と認めないと、周りの評価を上げる。
だから、美人は、謙遜して生きていくのが安全・・・。
でも、謙遜していては、ミスユニバースには、なれない。
だから、エルザは、有望株のカレン(←美人だからイヤな目にあってきた)に、
「あなたが、日本代表になりなさい。そして、世界一になったら、あなたが、美しく生まれた
意味が、きっと分かるわ。だから、全力を尽くしなさい」と、アドバイスする。
この合宿は、ミスユニバースの選考基準にあった女性に鍛え上げる修行の場ですものね。
そして、その選考基準とは、外見の美しさに加え、知性、感性、人間性、誠実さ、自信など
内面も重視。
さらに、社会に積極的に貢献する社会性を兼ね備える、グローバルな女性像が求められるんです。
だから、最近の日本代表から感じる違和感、それは、大和撫子では、世界で戦えないので、
そういう日本人好みの美人ではなく、グローバルでゴージャスな、いわば、アメリカンな
女性が選ばれているからですねえ・・・。
では、美をパワーに変えた彼女たちは、ミスユニバースになると、何をするのかというと、
ニューヨーク(←なんと、トランプタワーですよ・・・)を拠点に、1年間、世界を回って、
開発途上国などで、チャリティー活動、主に、HIV撲滅のチャリティーを行うそうです。
美のパワーを、個人的に良縁を掴まえるためにだけ使うのではなく、大衆に訴えかける
力に使って行くんですね。
その後は、きっと、美のパワーを持って、それぞれの人生を作りに行くんでしょう。
ところが、小説のラスト、ミスユニバース日本代表には、番狂わせで、若い桃花が選ばれる!
ユーモアに富んだトークという中味の魅力と、未完成なほうを好む日本人審査員の傾向があった
けれど、選ばれたとたん、その場で、もっとも美しい女になったという描写に、
栄冠を背負う重みを感じました。
美人という遥か彼方の女性たちの話なのだけれど、Bさんの、
「林真理子さんは、それぞれの女性の中に、私たちのいろいろな面を映し出し、
頷かせるという力量を持っている」
という言葉に納得でした。
ところで、今日は、冬至。
夜、柚子湯に入って、美人度アップ(←当社比・・・)です・・。(^^)