2012年5月2日(水)
今日は、ウィステたちの社交ダンスサークルが利用している会場の
予約日。ウィステは初めての予約係りで9時に行った。
10人くらいの行列で、ほっとした。だって、今日、3サークル分の予約だから・・。
列に並んで、手続きをしたら、最後尾に戻って並んで、手続きをして、
もう一度、最後尾に戻ったときには、列は2人になっていました。
はい、無事に3サークル分、予約できました。(^^)
夜、NHKで、トキの話題をやっていた。子トキの出生届けを出すとか、
両親の職業は、「特別天然記念物」とか・・・。(^^)
でも、トキの学術名、「ニッポニア・ニッポン」って、綺麗な名前だなあ・・。
さて、明日、ゆ~ちゃんが来る。
そこで、ゆ~ちゃんが生まれたばかりの頃のエッセイを・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「膝寂し」
娘が長女ゆ~(仮名)を出産した。三十過ぎての初産に心配したけれど、無事の
安産にほっとした。六日後には退院の運びとなり、ゆ~を抱いて娘は里帰り中の
我が家に戻ることとなった。新しい命を迎えいれる晴れがましさ、あと一ヶ月の
産後の世話こそが大事との気負いとともに私が玄関の鍵を開けると、早速、
留守番をさせていたポメラニアンのポチが、「ワンワン!」と、新参者に手荒い
歓迎の声を上げた。
仕事の立て込んでいる婿さんが慌しく埼玉へ帰ると、娘とゆ~とポチと私の生活が
始まった。もちろんその中心には、「うえ~ん、うえ~ん」と顔を赤らめて泣き声を
あげるゆ~がいる。その声もまだまだ猫の子のようだ。私が、
――うちの子たちも、こんなふうに泣いたっけねえ。
と、のんびりした反応をしている間にも、娘はベビーラックからゆ~を抱き上げ、
「ゆ~ちゃん、お腹が空いたの~?」
ゆ~ちゃん、ほらほらおっぱいよ~」
と、穏やかな声で話しかける。その心地よい響きに、
――この声が、ゆ~ちゃんの心の底に沁みていくんでしょうね。
と、私までもどこか懐かしい気持ちにさせられた。
ポチは、ゆ~の泣き声につられて、「ウォ~」と声を上げかけたが、私に、
「メッ」と止められると、今度は娘の座ったソファーに近づき、お乳を飲んでいる
ゆ~のちいさくて柔らかい足の匂いをふんふんと嗅いでみたり、その足が動くと、
びくっと後ずさりしたりしていた。
私も娘とゆ~を覗き込む。ゆ~は、短い両腕を上げて万歳のような格好をしながら
娘の乳首に吸い付いている。娘は盛り上がった乳房をゆ~に与えながら、抱え込んだ
自分の初子の様子をじっと見つめている。
――お母さんと赤ちゃんの二人だけの世界よねえ……。
娘が母になったと感じ、私の預かっていた命の松明を娘にしっかり手渡したような
安堵感が湧いた。だがその時、私は膝の辺りが、すうすうするのに気づいた。
――なんなんだろう?
ああ、これが、膝寂しいってことなんだ。
娘が幼稚園に通っていた頃、幼稚園の門の前で子供たちを待ちながらお母さんたちと
おしゃべりをしたものだった。下の子を抱いているお母さんもいて、ある日、
その赤ちゃんに笑いかけたお仲間が、
「赤ちゃん、いいな~。ああ、もうこんな赤ちゃんの匂い、家に無くなっちゃったね~。
ほやほやっとした子をじわ~んとただ抱っこしてる頃は、過ぎちゃったんだね~、
なんか膝が寂しいわ~。赤ちゃん、欲しいなあ~。ねえ?」
と、話しかけてきたことがあった。私のほうは、末の子がようやく幼稚園にあがり、
やっと一人の時間が出来た、「ムスメちゃんのママ」ではない時間が出来たと
解放感を感じていたところだった。それとともに、また仕事を始めて社会と直接繋がり
たいけれど、でも、どんな仕事を、どうやって?と、むしろ子育て後の先へ先へと
目が向いていた。だから、「ねえ?」と尋ねられてどう答えたろうか。
色白でふっくらとした彼女の笑顔は浮かぶけれど……。それでも、「膝寂しい」
という言葉は、少しの違和感とともに私の記憶の底に凝っていたのだ。
今、分かる。「私の分の」子育てはとっくに終わり、子育ての体力、気力なども
記憶の彼方に飛び去っているのに、目の前の初々しい赤子の温もりにすーっと身体と
心が惹かれる。
膝が寂しくなった。
――駄目、駄目、今は……。
私は足元にいるポチをひょいと抱き上げ、娘の横に座り、娘に身体を寄せて今度は
ポチと一緒にゆ~を覗き込んだ。
「ポチ兄ちゃん、ゆ~ちゃんがおっぱい、おいしいって~。ポチ兄ちゃんはもう
ずっと前にポチママのおっぱい、卒業したのよね。偉いね~」
妹が生まれ兄となった幼子をあやすようにポチに話しかけると、娘がちょっと
振り返って、くすりと笑った。私の膝に収まったポチは安心したのか大人しくなり、
ゆ~の様子をじーっと窺がっている。私はポチの身体の温かさと重さをいとおしみ
ながら、ぐいぐいと音をたてて母乳を飲むゆ~を見守った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うふふ、明日、ゆ~ちゃんが来るのが楽しみだわ。
明日の天気予報は雨。曇り女のゆ~ちゃんのパワーやいかに・・?(^^)
今日は、ウィステたちの社交ダンスサークルが利用している会場の
予約日。ウィステは初めての予約係りで9時に行った。
10人くらいの行列で、ほっとした。だって、今日、3サークル分の予約だから・・。
列に並んで、手続きをしたら、最後尾に戻って並んで、手続きをして、
もう一度、最後尾に戻ったときには、列は2人になっていました。
はい、無事に3サークル分、予約できました。(^^)
夜、NHKで、トキの話題をやっていた。子トキの出生届けを出すとか、
両親の職業は、「特別天然記念物」とか・・・。(^^)
でも、トキの学術名、「ニッポニア・ニッポン」って、綺麗な名前だなあ・・。
さて、明日、ゆ~ちゃんが来る。
そこで、ゆ~ちゃんが生まれたばかりの頃のエッセイを・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「膝寂し」
娘が長女ゆ~(仮名)を出産した。三十過ぎての初産に心配したけれど、無事の
安産にほっとした。六日後には退院の運びとなり、ゆ~を抱いて娘は里帰り中の
我が家に戻ることとなった。新しい命を迎えいれる晴れがましさ、あと一ヶ月の
産後の世話こそが大事との気負いとともに私が玄関の鍵を開けると、早速、
留守番をさせていたポメラニアンのポチが、「ワンワン!」と、新参者に手荒い
歓迎の声を上げた。
仕事の立て込んでいる婿さんが慌しく埼玉へ帰ると、娘とゆ~とポチと私の生活が
始まった。もちろんその中心には、「うえ~ん、うえ~ん」と顔を赤らめて泣き声を
あげるゆ~がいる。その声もまだまだ猫の子のようだ。私が、
――うちの子たちも、こんなふうに泣いたっけねえ。
と、のんびりした反応をしている間にも、娘はベビーラックからゆ~を抱き上げ、
「ゆ~ちゃん、お腹が空いたの~?」
ゆ~ちゃん、ほらほらおっぱいよ~」
と、穏やかな声で話しかける。その心地よい響きに、
――この声が、ゆ~ちゃんの心の底に沁みていくんでしょうね。
と、私までもどこか懐かしい気持ちにさせられた。
ポチは、ゆ~の泣き声につられて、「ウォ~」と声を上げかけたが、私に、
「メッ」と止められると、今度は娘の座ったソファーに近づき、お乳を飲んでいる
ゆ~のちいさくて柔らかい足の匂いをふんふんと嗅いでみたり、その足が動くと、
びくっと後ずさりしたりしていた。
私も娘とゆ~を覗き込む。ゆ~は、短い両腕を上げて万歳のような格好をしながら
娘の乳首に吸い付いている。娘は盛り上がった乳房をゆ~に与えながら、抱え込んだ
自分の初子の様子をじっと見つめている。
――お母さんと赤ちゃんの二人だけの世界よねえ……。
娘が母になったと感じ、私の預かっていた命の松明を娘にしっかり手渡したような
安堵感が湧いた。だがその時、私は膝の辺りが、すうすうするのに気づいた。
――なんなんだろう?
ああ、これが、膝寂しいってことなんだ。
娘が幼稚園に通っていた頃、幼稚園の門の前で子供たちを待ちながらお母さんたちと
おしゃべりをしたものだった。下の子を抱いているお母さんもいて、ある日、
その赤ちゃんに笑いかけたお仲間が、
「赤ちゃん、いいな~。ああ、もうこんな赤ちゃんの匂い、家に無くなっちゃったね~。
ほやほやっとした子をじわ~んとただ抱っこしてる頃は、過ぎちゃったんだね~、
なんか膝が寂しいわ~。赤ちゃん、欲しいなあ~。ねえ?」
と、話しかけてきたことがあった。私のほうは、末の子がようやく幼稚園にあがり、
やっと一人の時間が出来た、「ムスメちゃんのママ」ではない時間が出来たと
解放感を感じていたところだった。それとともに、また仕事を始めて社会と直接繋がり
たいけれど、でも、どんな仕事を、どうやって?と、むしろ子育て後の先へ先へと
目が向いていた。だから、「ねえ?」と尋ねられてどう答えたろうか。
色白でふっくらとした彼女の笑顔は浮かぶけれど……。それでも、「膝寂しい」
という言葉は、少しの違和感とともに私の記憶の底に凝っていたのだ。
今、分かる。「私の分の」子育てはとっくに終わり、子育ての体力、気力なども
記憶の彼方に飛び去っているのに、目の前の初々しい赤子の温もりにすーっと身体と
心が惹かれる。
膝が寂しくなった。
――駄目、駄目、今は……。
私は足元にいるポチをひょいと抱き上げ、娘の横に座り、娘に身体を寄せて今度は
ポチと一緒にゆ~を覗き込んだ。
「ポチ兄ちゃん、ゆ~ちゃんがおっぱい、おいしいって~。ポチ兄ちゃんはもう
ずっと前にポチママのおっぱい、卒業したのよね。偉いね~」
妹が生まれ兄となった幼子をあやすようにポチに話しかけると、娘がちょっと
振り返って、くすりと笑った。私の膝に収まったポチは安心したのか大人しくなり、
ゆ~の様子をじーっと窺がっている。私はポチの身体の温かさと重さをいとおしみ
ながら、ぐいぐいと音をたてて母乳を飲むゆ~を見守った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うふふ、明日、ゆ~ちゃんが来るのが楽しみだわ。
明日の天気予報は雨。曇り女のゆ~ちゃんのパワーやいかに・・?(^^)