「酸性」「アルカリ性」の実験で使ったリトマス試験紙。
「リトマス試験紙に「リトマスゴケ」という、苔の一種から取り出した特殊な成分染み込ませてつくってあります。」
と学校で習ったとおもいます。
リトマスゴケと聞いて、どんな苔かと調べた子どもは、たぶんいないと思います。緑色の道やカベ
に生えているやつかなと想像できればまだ優れた方でしょう。
街なかの地衣類ハンドブック(大村嘉人著:文一総合出版;2016年)を見ると、リトマスゴケは日本にはありませんと書いてありました。そして、いま使っているものは化学的に合成してつくられているとか。そして、何よりも大事なのは苔ではなくて地衣類であることです。(小学生はコケとつけば苔とおもうのはあたりまえですよね。)
地衣類については中学で学びます。
地衣類は道路脇の塀や街路樹の幹など街中でも普通に見ることができます。
コケと違うのは菌類と藻類が互いに作用して、バランスを保つことで生命を維持している共生生物ということです。(もっとむつかしい言い方で相利共生、片利共生、寄生という言葉を習ったと思いますが・・・)
藻類とは、酸素を発生させる光合成を行う生物のうち、コケ植物、シダ植物、種子植物を除いた生物のことを指します。
日本だけで約1,800種というからかなり多様です。
どんなマイナー環境にいる生物なのに実験室で育てることがむつかしいといいます。
菌類と藻類が共生するときの光、温度、湿度などの環境因子が複雑に関係するので、実験室では野外で見られるような共生している状態にして培養することが大変むつかしいそうです。
「正確に同定するためには呈色反応で調べる必要がある」など地衣類を調べるのには、素人にはむつかしい。だから、教科書には地衣類の代表はウメノキゴケが、掲載されている。
ところが、近くの公園へ「街なかの地衣類ハンドブック」をもって地衣類を探してみた。
ウメノキゴケだけじゃく、1本の木にも地衣類が数種類あることがわかったが、
60種類/1800種類では同定するのはむつかしい。
『街なかの地衣類ハンドブック』
出版社 : 文一総合出版 (2020/6/10)
発売日 : 2020/6/10
ISBN-10 : 4829981555
ISBN-13 : 978-4829981559
身近な「地衣類」約60種がわかるフィールド図鑑
『里山の地衣類ハンドブック』が、里山(海岸~低山地の市街地を除く)で見られる地衣類(菌類と藻類の共生体)156種なので、あわせるとわかりやすいかも。
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