モウセンゴケ
モウセンゴケは湿原を代表する植物のひとつ。虫を捕らえて、消化し、虫に含まれていた窒素やリン酸などの栄養を吸収する食虫植物である。
里山では、湧水のあるため池の斜面にはえる。
ササやススキを取り除いたあと、斜面に日光があたりはじめ、ため池と接する栄養のない土壌で3株ほどが生えているのを見つけたのは20年前。
年ごとに、数株ずつふえ、ことしは50株以上が確認できた。
このため池は、基盤が酸性岩で、酸性岩の上に0~3cmほどの土壌がたい積する。その薄い土壌の上にモウセンゴケがはえる。土壌がほとんどないので、ほかの植物も定着しにくい。
ササなどが生える前には、ミカヅキグサなどの湿地の植物があったのかもしれないが、今はモウセンゴケのみである。
この場所は谷筋にせきとめて、ため池作られた場所。
もともとは大小合わせて6枚あったが、現在、ため池の状態で残っているのは4枚。農業用水としては利用されていない。モウセンゴケのある場所は、その中間の池となる。
里山でのこのような湿地が面積が大きくなって、湿原となる。湿原として保護されている場所が兵庫県には数か所ある。兵庫県の湿原は「湧水湿地」と分類されたり、「鉱質土壌湿原(泥炭地をもたない湿原)」と分類されたりする。
湿原と名がついているため、兵庫県の湿原の場合、有名な高層湿原である尾瀬ヶ原のようなイメージを持つ方もあり、県内のある湿原を見に行ったが見つからず、遭難したというニュースが今年あった。
尾瀬ケ原のつもりだったのが、知らぬ間に通り過ぎ、いつまでたっても見つからないので道にまよってしまったという話で、笑えない話となってしまった。
兵庫県の湿原は「湧水湿地」と定義されるように湧水から緩やかな谷筋に湿地ができた湿原。尾瀬ヶ原のように泥炭地が形成された上にできた湿原と少し性質が違う。
モウセンゴケ
葉は地面から放射状に伸び、長い毛が生えています。毛の先にはねばついた液をだす。
葉に小型の虫がとまると、この毛がからめとり、そのまま消化するが、どのようにして虫とそれ以外と区別すのかはよくわかっていない。
名は、ひな人形の飾りつけをする赤い敷物を「緋毛氈(ひもうせん)」といいますが、毛が密についた毛氈(もうせん)状の葉の様子と、コケのような小さな植物という特徴からつきました。
6月から7月にかけて細い茎の先に十数個の白色の花がつく。花は午前中に開き、午後には閉じる。
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