生きているシリーズ「生きている武庫川」「生きている猪名川」で兵庫県の木クスノキを紹介した
今回は、より詳しく紹介する。
兵庫の木 クスノキ
クスノキの葉や枝のにおは「樟脳(しょうのう)」の匂いといっても、若い人はわからなくなってしまいました。ナフタレン(ナフタリン)として防虫剤や防腐剤として使っていましたといってもやっぱりわからないでしょう。
観察会では実際に葉をもんでもらって嗅いでもらいます。スーってする清涼感のある香りがしますよといって嗅いでもらうとわかってもらえます。
名前の由来は、葉をちぎると樟脳のにおいから「臭し(くすし)木」とか「薬(くすり)の木」からきています。耐水性にも優れているため、古代から船材としても利用され、遺跡から丸木舟が出土しています。(船にはクスノキのほかにカヤ、クリ、ホオノキ、スギなどがつかわれいたようです。一番古い丸太舟は7500年前のムクノキでつくられたものがみつかっています。)
奈良時代に作られた法隆寺の仏像がクスノキで作られています。
分布は、日本、中国の揚子江より南(しかし、東南アジアにはない)、台湾および韓国の済州島にあります。 日本では、関東より西の太平洋側で、和歌山、高知、福岡、佐賀、宮崎、鹿児島などで見られます。
明治以降 クスノキは樟脳を取ることが目的で、里山に盛んに植えられましたが、戦後は成長の早いスギやヒノキに変わってしましました。里山ばかりではなく文部省といっしょになって学校の周りにも植えたと記録に残っています。
樟脳は何に使ったのかというと、カンフル剤という言葉を聞いたことがあるでしょう。このカンフルは樟脳のことで血行促進作用、消炎作用があり、盛んに日本で作られていました。防虫剤だけなく薬として利用されていたのです。1930年代、日本は世界の生産量の40%を生産していたそうです。現在ではカンフルは化学合成でつくられるので、クスノキから作るっているのは福岡県や宮崎県だけになりました。(販売のページがあるのでさがしてみてください)
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