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野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

トンボのヤゴの見分け方

2018-08-21 | フィールドガイド-昆虫編--

トンボ目の幼虫は「ヤゴ」と呼ばれ、水中に生息しています。河川に主に生息しているのはカワトンボ科とサナエトンボ科のなかまです。シオカラトンボやアカトンボ(アカネ類)、ギンヤンマなどは主に水田やため池などに生息しています。しかし、流れが緩やかな河川下流部では、本来止水域に生息するトンボも見ることがあります。

カワトンボ科(トンボ目)
 細長い体をしており、イトトンボとよく似ていますが、触角のようすで見分けることができます。川岸の植物がよく茂っているところや落ち葉がたまった場所などに生息しています。中流部で最もよく観察されるのはハグロトンボです。カワトンボ科、イトトンボ科、モノサシトンボ科などの幼虫の尾は平坦で幅広く、鰓(えら)の役割を果たしており、 尾鰓(びさい)と呼ばれています。

アサヒナカワトンボ
上中流部の落ち葉がたまった場所や川岸の植物の根際などに生息しています。

ハグロトンボ
アサヒナカワトンボよりもさらに細長く、中下流部川岸の植物の根際などに生息しています。

見た目はよく似ているのですが触覚でみわけます

 


クビキリギス

2018-08-17 | フィールドガイド-昆虫編--

クビキリギス
キリギリスのなかま。
「ギス」はキリギリスの異名なので,「クビキリギス」は「首切りキリギリス」の意で、かみつく力が強く、洋服などにくいつくと、自分の首がとれても放さないということからつけられました。

頭からはねの先までの長さは、約60㎜。緑色のタイプと茶色のタイプがあり、どちらもおなじクビキリギス。
クビキリギスの成虫は羽の間に産卵管が隠れています。
春から初夏にかけて、夜に「ジーン」という大きな声で鳴きます。

ほとんどのキリギリスのなかまは、卵で冬を越します。しかし、クビキリギス成虫のまま冬をすごします。
というのも、
クビキリギスの成虫は初夏に、イネ科植物の茎に卵を産みます。
7月中旬から下旬にかけ孵化し、幼虫は9月下旬から10月頃に成虫となりるので、成虫で冬を迎えることになるのです。

また、クビキリギスのメスは、オスと交尾しなくても産卵する、単為生殖の能力があります。


ケラ

2018-08-10 | フィールドガイド-昆虫編--

畑を耕しているときにであった昆虫ケラ

「手のひらを太陽に」やなせたかし作詞・いずみたく作曲
「ミミズだって オケラだって アメンボだって みんな みんな生きているんだ 友だちなんだ」
そのなかにでてくるのが オケラ(ケラ)。


コオロギのなかま
体の表面には細かい毛がはえていて土がつかないようになっている。
後翅は腹端を越えるほど長く、飛ぶこともできる。
前脚はモグラのように地面を掘り進めるようになっており、畑・草原の地中にすむ。
ミミズや植物の根などを食べる。
江戸時代にはケラをかってカエルなどのえさにしたとか。

その後、離してやるとあわててもぐったいった。


マルハナバチのなかま(ミツバチ科)--セミナーの資料から

2018-08-10 | フィールドガイド-昆虫編--

ハチは怖いものではない

この話からはじまる昆虫の講義、まず小学校国語の説明文『「サクラソウとトラマルハナバチ」 鷲谷 いづみ』の紹介

サクラソウとトラマルハナバチの話は、生き物相互の共生関係や環境保全についてのべたもの、

講座は、マルハナバチのなかま(ミツバチ科)全般の生態について話はすすむ

資料は、そのほかのハチについて展開するがそれについては次回


アオモンイトトンボの交尾

2018-07-23 | フィールドガイド-昆虫編--

トンボの交尾は他の昆虫とちがって、とてもかわった方法で交尾をします。

この写真はアオモンイトトンボというイトトンボが交尾している写真です。前にいるのがオス(♂)で後ろにいるのがメス(♀)です。

オスはメスを見つけるとメスの背中を足でつかみます。そしておなかをまげて、メスの首を把握器(はあくき)で、はさんで連結(れんけつ)します。このままの状態のトンボをよくみかけます。

交尾は連結したじょうたいで、後ろのメスがおなかを曲げてオスのおなかの交接器というところに、メスの産卵管(さんらんかん)をくっつけます。その結果オスの精子がメスに送り込まれて交尾ができます。

この方法は、ほかのトンボでも同じです。


アブラゼミ

2018-07-21 | フィールドガイド-昆虫編--

アブラゼミは北海道から九州まで広く分布し、平地~低山地で普通に見られます。
7~10月に発生する大型のセミです。‘油ものを揚げている音’ににているからアブラゼミの名がつきました。
現在では地方では広く見られる一方で、都市では条件によって生息に偏りが出ています。
都市部では午前中よくなくクマゼミ、午後から鳴き声がはじまります。
サクラやケヤキの木の樹液をすっているのをよく見かけます。
褐色で不透明な翅と、腹部の白い粉が特徴です。
メスは死ぬ前に樹の枝などに卵を産み付け、卵は翌年の春~初夏に孵化します。


クマゼミが鳴きだした

2018-07-18 | フィールドガイド-昆虫編--

クマゼミが鳴きだした

7月、夏休みがはじまるころ、昔はセミの声といえばジージーというアブラゼミがメインでした。しかし、最近は早朝からお昼にかけて、大きな声でシャンシャンシャンと鳴くクマゼミが多くなりました。
クマゼミは、黒っぽい体に透明の羽を持つ日本最大のセミ。翅端まで6cm以上もあります。阪神間の公園や街路樹では、この種類が一番普通に見られます。朝早くからシャンシャンシャンと大きな声で鳴くのは目覚し(めざまし)いらずです。

 クマゼミは元来南の方のセミで近畿地方では少数派でした。環境庁(国の役所、今は環境省)の「身近な生きもの調査」(1995年)で太平洋側では神奈川県、日本海側では福井県までの範囲にすんでいることがわかりました。
 2010年度「全国セミ調査」と全国のウェザーリポーターから寄せられた4,705件のリポート情報によると、クマゼミの生息域の北限が、昨年と同様に福島県福島市であることがわかりました。
 阪神間の公園や街路樹では、この種類が一番普通に見られます。朝早くからシャンシャンシャンと大きな声で鳴くのは目覚し(めざまし)いらずです。


夏のトンボ 「ショウジョウトンボとシオカラトンボ」

2018-07-15 | フィールドガイド-昆虫編--

夏のトンボで2題
トンボは雄と雌とでちがいます。夏によくみられるトンボを紹介します

ショウジョウトンボ(学名、 Crocothemis servilia)

全身が真っ赤なトンボ。「赤とんぼだ。」と夏にいうのはほとんどがこれ。しかし、
ショウジョウトンボ属で、アカネ属に属していないのでアカトンボと区別する。
アキアカネなどの普通のアカトンボよりもひとまわり大きい。
春から秋にかけてみられる。池の水生植物のあるところでよく見られる。
猩々(しょうじょう)とは、能の演目『猩猩』で演者が架空のいきものである猩々になってまっかな装束で飾り、酒に浮かれながら舞い謡うのがある。
その赤いところから名前がつきました。

シオカラトンボ(学名 Orthetrum albistylum speciosum)
日本ではもっともようみられるトンボ。にたような種類はオオシオカラトンボ、シオヤトンボなど。シオカラトンボ属は日本に9種います。
メスはムギワラトンボともよばれ、黄色のトンボです。
名前の由来はオスが、成熟すると胸部から腹部にかけて青白い粉を吹くのを、塩漬けのようにたとえたことから塩辛トンボと呼ばれるようになりました。
オオシオカラトンボの違いは、①羽根の先、付け根が黒味かかる(又は濃い褐色)②羽根の先の縁紋が黒(又は濃い褐色)③オスの腹部の先(尻尾の先)の黒紋は小さい
④メスは腹部の先(尻尾の先)の黒紋が大きい ところでみわけます。


セセリチョウの仲間

2018-07-12 | フィールドガイド-昆虫編--

セセリチョウのなかま
セセリは蝶、蛾どっち
 英語でもガはmothで、チョウはbutterflyと区別しています(セセリチョウはskipperと呼び方がちがいます)が、区別しない言語も多くあります。例えば、ロシア語ではバーボチカ、スペイン語ではマリポーサということばがチョウを表し、日本のガにあたる昆虫には「夜の」という形容詞をつけて呼んでいます。分類学上から区別すると、チョウとガを全てひっくるめた鱗翅目の中で、チョウは、アゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、シャクガ
モドキ上科に含まれる種に相当し、
それら以外の種が、ガなのです。
 セセリチョウは大きくひっくるめるとチョウなのですがセセリチョウは、チョウと比べてみると、違いが分かります。
(1)セセリチョウの触角は、根本で大きく離れている。チョウでは、離れていない。
(2)セセリチョウでは、すべての翅脈が中室から出ており、分岐していない。チョウでは分岐する。
(3)セセリチョウは、早朝や黄昏時によく飛ぶ。チョウは、昼間よく飛ぶ。そのため、チョウの複眼の構造は像を結ぶようにできている。一方、夜飛ぶ蛾では、像がはっきりするよりも、光をより多く集めるようになっている。セセリチョウでは、適当に像も結ぶし、適当に光も集めるような、チョウとガの中間の複眼の構造になっている。 それで、セセリチョウの目は特徴的な目をしているのですね。

 


ヒメギスとツマグロバッタ

2018-07-08 | フィールドガイド-昆虫編--

夏の川原のギリギリス

今上流の武庫川ではバッタが飛び回っている。その2種類を紹介する。
いずれも近づくとすぐに草のなかや草の影に隠れる。ヒメギスなど一株のススキのなかに
20匹以上集まっているなど雨上がりで、久しぶりの天気を楽しんでいるのだろうか。

ヒメギス (バッタ目 キリギリス科)

発見すると同時にすぐに隠れてしまう。鳴き声が夏草の中で「シリリリ・・・」とないています。
全身が黒褐色で、背中は緑色または褐色のキリギリスです。
胸部の後方は、白線でふちどられている。
翅は通常は短いが、長いもの(長翅型)もいる。
植物の葉やほかの昆虫などを食べる。

ツマグロバッ(バッタ目 バッタ科)
後脛節と翅の先端の黒色が目立つ、やや大きめのバッタ。メスではあまり目立たないことも多い。
オスは明るい黄褐色で、メスは枯草色。
丈の高い草が茂る、湿った草原で見られる。
後脛節端を前翅にぶつけて蹴るようにして、「チャッ!チャッ!」と音を出す。
図鑑によって,ツマグロイナゴモドキ,ツマグロイナゴ,ツマグロバッタといろいろな和名が付いている。