ミイデラゴミムシとケラ
梅雨の合間に里地の畑でジャガイモ掘り。
掘り取った地面にはいまわっているのがゴミ虫。へっぴりむしだ。
正式にはミイデラゴミムシといい、田んぼや畑などでよく見られる甲虫だ。
別名「ヘッピリムシ(放屁虫)」とか「ヘコキムシ」ともいわれる。
ヘコキムシの名の通り、刺激を受けると大きな音とともに、臭いガスを発射する。
ヘコキムシのガスはオナラのように肛門からでるのと違って、腹にある専用の穴からでる。
というのも、ガスの素は、ヒドロキシンと過酸化水素。別々の貯蔵袋にためており、刺激を受けると反応室におくられ、刺激臭のあるベンゾキノンができる。 爆発音とともに100℃もの高温で発射されるしくになっている。
ベンゾキノンは工業的には皮膚炎や眼の障害の原因になることがあるので,取り扱いには注意が必要な物質になっているのであるが、昆虫が自分の体の中で作り出すのは驚きだ。
「ミイデラ」の和名「三井寺」、大津にあるお寺の字があてられているが、名前の由来はよくわからないと「生きている武庫川」には説明していた。
語源が書いてあるホームページがあった。
公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会のホームページJATAFF(Japan Association for Techno-innovation in Agriculture, Forestry and Fisheries)によると
滋賀県立琵琶湖博物館の八尋克郎氏が三井寺にあった『放屁合戦』という絵巻物を紹介している。
「放屁の模様を合戦風に巧みに見立てた、 軽妙・洒脱・風流な絵なり。とくに古来より悪魔退散魔除けとして知られる」
そして、「八尋氏との話で、「ミイデラ」の名前の由来はおそらくこの絵巻だろう」と述べている。
(参考文献:八尋克郎(2004)ミイデラゴミムシの語源、地表性甲虫談話会会報、第1号)
三井寺で行われた放屁合戦のはなしからヘコキムシの名前がミイデラゴミムシになったという次第。
一番納得できる話かもしれません。
ミイデラゴミムシの幼虫はケラの卵塊を食べて成長する。ケラがいるところにはミイデラゴミムシがいることになる。
このジャガイモ畑は土を掘り起こすとケラをみつけることができるのはそのせいだったのだ。
ケラは「♪ぼくらはみんな 生きている」(手のひらを太陽に)の歌にでてくる昆虫だ。
ケラは雑食性で、地面にもぐるのが得意で、ミミズや小昆虫、雑草の根などを食べている。
「手のひらを太陽に」に出てくるので、名前は有名は昆虫だが、多くの人が見たことが少ないので、昆虫館などで飼育して展示されている。