猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

忘れ去られた物語シリーズ 8~15 について

2012年12月27日 11時41分12秒 | 忘れ去られた物語シリーズ

 平成24年壬辰もあとわずかとなりました。説経師の1年としては、これまででも、

最も充実した1年間であったことを、皆様方に感謝申し上げます。

さて、ここで、「説経正本集第二」の内、五説経として名高い、「苅萱」「小栗判官」

「愛護若」を除いた、他の古説経達を読み終えることができたので、まとめをする

ことにいたします。

横山重編角川書店「説経正本集第二」の内容は以下の通り、※印のついたものを

本ブログで、翻訳し紹介しました。但し、シリーズ9の「山椒太夫」と、シリーズ13

の「弘知法印御伝記」は、「説経正本集第二」の内容ではありません。

 「山椒太夫」は、国文学研究資料館にある複写本の山本角太夫正本を読みました。http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120224

この原本は、舞鶴西図書館蔵とあります。また、「弘知法印御伝記」は、来年

取りかかる「説経正本集第三の43」に収録されているので、先読みになりました。http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120714

いずれも、作曲の必要性があっての取り組みでした。山本角太夫の「山椒太夫」

は、今年、「鳴子曳き」の部分を公演しましたが、来年の秋には、人買いの場面の

「直井の浦」、安寿受難の場である「姉弟山別れ」を加えて、三段組みの浄瑠

璃として復活する予定ですので、ご期待下さい。

「説経正本集第二」目次

十七 せっきょうかるかや(寛永八年しょうるりや喜衛門板)

十八 かるかや道心(寛文初年江戸板木屋彦右衛門板)

十九 おぐり判官(延宝三年正本屋五兵衛板)

二十 をくりの判官(佐渡七太夫豊孝正本)

二十一 あいご若(万治四年山本久兵衛板)

二十二 あいこのわか(天満八太夫正本)

※二十三 目連記(万治頃八文字屋板)

シリーズ8http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120131

二十四 目連記(天満八太夫正本)

※二十五 ほう蔵びく(天満八太夫正本)

シリーズ10http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120229

二十六 ほうぞうびく(佐渡七太夫豊孝正本)

※二十七 ゆりわか大じん(日暮小太夫正本)

シリーズ11http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120325

※二十八 わうしょうぐん(日暮小太夫正本)

シリーズ12http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120503

※二十九 ひょうごのつき嶋(石見掾正本)

シリーズ14http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20121123

三十 兵庫の築嶋(寛永六年江戸井筒屋板)

※三十一 石山記(天下一石見掾藤原重信正本)

シリーズ15http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20121213

今年は、なにより、六十年に一度の「壬辰」の年に「阿弥陀胸割」を復活することができて

よかったです。今後とも猿八座へのご支援、ご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。

皆様が良いお年をお迎えできることをお祈り申し上げます。


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