猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

説経「をぐり」

2021年11月08日 21時12分47秒 | 公演記録
村上公演は、今回で10回目。昨年はできませんでしたが、今年は満席200名の村上市教育情報センターホールに、入場制限をかけて、150名満員御礼状態で、公演させていただきました。多くのご声援をいただき感謝に堪えません。
さて、昨年から取り組んでいる「をぐり」の全段通し狂言という途方も無い試みが、また一歩進みました。それというのも、鬼鹿毛から毒酒を語る三段目に続く四段目は、小栗亡き後の照手姫の顛末を語る段なのですが、それを思い切ってカットして、五段目の冥途・墓割れに繋げたというわけです。こうしますと、照手が万屋で水仕をしているという話が抜けてしまうので、そこは解説で補いますが、小栗が毒殺されて、閻魔大王の前に出るという場面に直接繋がるので、流れは良くなるわけです。時間的にコンパクトに仕上げるのにはいい構成です。
照手の姫の所へ、押し入り婿をした小栗判官を、父の横山は、人食い鬼鹿毛で殺そうとしますが、見事に乗りこなしてしまいます。その上、太夫にまで襲いかかろうとしています。びっくり!

鬼鹿毛で殺せなかったので、今度は鬼鹿毛を乗りこなした慰労の酒宴を口実に、毒酒を盛ります。
以上が、三段目
ここから五段目

閻魔大王の前で。本当は家来10人が娑婆帰りだったのが、遺体が火葬されたため帰られず、土葬にされた小栗が娑婆に戻される。

ところが、娑婆に戻った小栗は、元の小栗ではなかった。それを「餓鬼阿弥」と呼んだ。発見者は、藤沢山遊行寺の上人。
此の後は、ご存じの車引きの段です。

まだ、予定ではなく、想定の段階ですが、来年22年5月の連休あたりで、「をぐり」全段通しを公開したいと考えています。


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