猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

猿八座公開稽古 山椒太夫 鳴子曳き段

2012年05月21日 09時47分24秒 | 公演記録

4月19日(土)午後二時から、新発田東光寺内心萃房で行われた「山椒太夫」は、山本角太夫の奥書がある浄瑠璃台本を使用していますが、今回、鳥越文庫である資料を見つけました。佐渡出身の渡部氏が残した「山椒太夫考」という小冊子によると、佐渡に安寿が来るというストリーのこの浄瑠璃は、正しくは、「山本河内掾」の作で、「伊藤出羽掾」の正本として出版されたものであると書かれています。この正本は元禄十五年のものです。山本角太夫奥書の本は、この本とは別物らしいですが、渡部氏によるとこの二つの正本は、ほぼ同文であり、おそらく後から「山本角太夫」の名にすり替えているのではないかと推測されています。また、山本角太夫の山椒太夫も不完全な形で残っていますが、この浄瑠璃では、安寿は由良で責め殺されていますので、やはり、このストリーを創作したのは、「山本河内掾」とした方が良いようです。

さて、その山椒太夫は、佐渡文弥人形で演じられてきた浄瑠璃ですが、今回、猿八節として、初公開をさせていただきました。今回は11人に皆さんに来ていただきました。毎回小学生の女の子達が来てくれるので、うれしいですね。ありがとうございました。

残念ながら6月は、日程の調整ができず、開催は見送りとなりました。次回は7月の予定です。日時内容が決まりましたらお知らせいたします。

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