もうひとつの結婚式 【Boom!／マイアヒラサワ】
先日の当ブログで、紹介した三澤さんが、ついに公開！
その中で私は、
三澤氏が新しい結婚式の写真を模索され、
その成果は、来る次代の婚礼写真の基準になるだろうと述べたように、
BOOM!の曲に乗せて、実に魅力的なシーンが流れる。
以前より、動画へのアプローチを視野に入れて、
様々な習作を発表されていたけれども、
今回のこの映像は、
いきなりドッカーンと切り札を出したような完成作！
ワインを呑んで、
日本酒を呑んで、
facebookを見てビックリ仰天！
あまりの素晴らしさに酔いも覚めました！
ビックリしました。
私はこの世界に入る前は、
実は動画の方が好きだった。
私が１０代、２０代の頃、
動画は8ミリしかなかったけれども、
自分で撮影した映像を編集するという作業は
とても楽しかった。
フイルムを切っては貼って、
ひとつの作品にする。
時には多重露光にもチャレンジした。
画面を四分割して
それぞれ違う映像が独立して動くという感じ。
どういうメソードが忘れた。
たぶん、何回も戻して撮影していたと思う。
そういうことも
現像が上がるまでは成功したかどうかわからない。
成功すれば達成感があるけれども、
失敗した時の悔しさといったらなかった。
しかし、今はPCで簡単にできる。
確かな記憶はないが、
３分足らずの８ミリフィルム、
価格は安くても８００円くらいで、現像が５００円くらい。
たった３分180秒の映像に１３００円は費やしていた。
当時の値段です。
横道に逸れたけれども、
三澤さんは今回の作品で、
隠し味のように動画を挟んでいる。
もちろん、動画専門スタッフの撮りだと思うけれども、
これで、
写真という枠を越えて
ひとつの新しい作品となった。
言葉にすればただそれだけでも、
この映像には、
どう説明していいのかわからないけれど、
婚礼写真の原点へと回帰させる不思議なパワーがあるのだ。
婚礼写真の世界では、
たくさん感動の記録を残すスナップの世界と
昔からあるオーソドックスな
一枚の写真で勝負する
決め撮り写真のふたつの世界がある。
今、この二つの流れは
統合されて、淘汰されようとしている。
スタジオで撮る写真の世界は
ドレスであれ、打掛けであれ、
新郎新婦を
日本共通のポーズ（型）に当てはめる。
それは通過儀礼のようでもある。
そこには、
新郎新婦の個性よりも、
ひとつの様式をくぐることが優先されるようでもある。
時に口の悪いカメラマン（特にコマーシャル）からは、
決まったライティング、
同じポーズの写真を
年がら年中、金太郎飴のように撮って楽しいかい？
とか言われるけれど、
決め撮り（型物）の写真も、
同じように見えて
実はひとつひとつは違う写真なのだ。
ライティングひとつでも
背丈や体型、お二人のお顔のバランス、
そして白無垢なら地模様をどう出すか？
などいろんなハードルがある。
ポーズにしても
着物デザイナーなら、どう見（魅）せたいだろうか？まで考える。
着付けにしても、
掛下のちょっとした着崩れで、打掛けに影響する。
そういったことを踏まえて、
どう撮るかということになるのだが、
決め撮りの写真は、
新郎新婦の新しい家庭への扉、
またお二人の眩しい未来を象徴すべき指標的写真となるべきである。
諸天も寿ぐと言えば大げさかも知れないが、
私たちは輝かしい写真を残すという使命を担っているわけであるから、
当事者が、格調高く、上品で、それでいておしゃれであるべきなのは当然だと思う。
だからこそ、
婚礼のフォトグラファーだけではないけれども、
撮影に携わるものは、すべてのフィールドに貪欲であり、敏感であり、
真摯な態度と努力を怠ってはいけないと思う。
昨日、三澤さんがアップされたYOUTUBEの作品を観て、そんなことを考えました。
補足
さっそくTwitter仲間から感動して泣きましたとの感想が来ました！確かに感動します！
