断章、特に経済的なテーマ

暇つぶしに、徒然思うこと。
あと、書き癖をつけようということで。
とりあえず、日銀で公表されている資料を題材に。

貨幣と銀行 - 9 銀行規制

2016-12-11 18:00:41 | MMT & SFC
https://drive.google.com/file/d/0Bz2V1zKzg0azajRMNVp2WnRFUjQ/view

簡単に粗訳を作った。。。。

ここではティモワーニュは
ポンツイ金融プロセス自体のことを
何かすごく悪いことであるかのような書き方してるんだけれど、

それはあくまでも銀行ビジネスの場合であって、
The Rise and Fall of Money Manager Capitalism
Tymoigne & Wray 2014 あたりでは
ちゃんと一部の産業(設備建設業が
強調されているけれど、建設業や造船業などだって
同じ)の資金計画が
ポンツイ金融にならざるを得ないことも
強調している。

そもそも
ヘッジ金融/投機的金融/ポンツイ金融
の三区分を示した
H. ミンスキー自身、
「ポンツイ金融」という言葉については
「私一流のジョークで、大衆扇動的な意図はない。
代替的な用語については
P. デヴィットソン参照」みたいなことを
書いているんで。。。
とはいっても、
ミンスキー自身が最後までこの言葉を使い続けたのだから
「大衆扇動的」とまでは言わなくても
やっぱりこうした金融方式を
好ましいと思っていたわけではないことは
確かじゃないか、と思う。まあ、
金融業界限定、という話になるのかもしれないけど。。。。

ってか、「ヘッジ金融」「当期的金融」「ポンツイ金融」の
区分について言うと

ヘッジ金融、というのは
金を借りたらその資金を使うビジネスから得られる
経常キャッシュフローで利払と元本償還とが
まかなえるケース。
一般に製造業の設備投資なんかは
これに分類される(常に、ということではなくて
「正常な」事業の状態においては、そういう形で
計画が立案されている)。

投機的金融、というのは
借りた金で投資をするとして、
その投資物件からは借りた金の利払いはまかなえるが
元本の返済まではまかなえないケース。
例えば、不動産投資なんかで
家賃収入によって金利やメンテナンス費用などは
まかなえるが、元本の支払いのためには
この不動産を売却することが必要で、
で、購入してから売却するまでの間に
資産価格が上昇すれば、
それだけキャピタルゲインが得られる、という話に
なるわけだが。。。。。

ただこれ、ミンスキーなんかでどう扱われていたか
イマイチ記憶がないんだけれど、
通常の製造業や小売業なんかの運転資金なんかも
形式的にはそれに近いことになっちゃう気がするんだよな。。。
例えば、1000万円を1年契約で借りて
それを労賃として支払い続ける。
で、利益の中から金利を支払うとして、
翌年も1000万円の元本はロールオーバーすることになる。。。
で、従業員の数も変わらず
給料も変わらず、延々と事業が続き、
そして経営者が引退するときに、
従業員を解雇して、そして最後に回収した売り上げの中から
元本も返済する。
まあ、実はこれが「運転資金」供給の
イメージであって、
この場合、運転資金というのは
金融業者との間で
ロールオーバーすることが(口約束レベルでは)前提となっている。
勿論、投機的金融とは違って
投資物件の価格上昇が目論まれているわけではないんだけれど、
しかし、最後の売上から借入金元本は返済され、
事業の継続中は金利しか支払わないわけだから
三種類の資金調達方法の中では
ここに分類されることにならざるを得ないのじゃないかなあ、、、
という気がする。

※ちょっと企業財務とかをよく知らない人のために
簡単に説明しておくと、

0年目 1000万円借り入れ
1年目
労務者に1000万円支払い

売上は2000万円

売上代金から300万円仕入代金支払い

300万円諸経費支払

100万円金利支払

200万円当期利益


だとすると、1年目の終わりには
手元には当期利益を別として1000万円の
現金(貨幣性資産)が残る。
だから、1年目が終わった時に、
金利と同時に、元本の1000万円も返済すれば事足りるわけ。
けど、そうしたら、2年目に従業員を雇って
事業を継続するには、改めて
1000万円借りなおさなくっちゃいけないことになる。だから
めんどくさいので、返済しないで「ロールオーバー」つまり
借り換えをして、つまり
そのまま返済せずに借り続け、
2年目の賃金給与支払いに充てる。
2年目も同様に労務者には1000万円、
売上として2000万円入金あり、
材料費300万円、諸経費300万円、利払い100万円
当期利益200万円、、、、
という状態が続く。で、2年目の終わりにも
利益は別として1000万円のキャッシュが残ることになる。
これを返済に充ててもいいし、3年目の賃金給与支払いに
あてることもできる。

勿論、当期利益の中から借入金を返済していってもいいんだけれど
(家計の場合にはそうするべきであろう)、
企業の経営がこのようにして安定している場合には
通常、金融機関は元本返済を求めないし、
企業の側も、返済しようとはしないことが少なくない。
というのは、残りの200万円(プラス減価償却費)からは
法人税を支払ったり、
更新投資や新規投資の資金をためなければ
ならないので。
銀行の側も、むしろ(貸借対照表の内容にも
よるが)確実に利益を上げられているのなら
むしろ借入を増やして事業規模を大きくすることを
事業主に進める。金貸しとしては
事業が不安な客より安定している客への貸出を
増やしたい、というのは当然なので。
事業拡大の話はともかくとして、
この場合、ずっと同じ事業が続いて、
事業主が引退するときに同時に廃業すると決めたら
最後の年の売上2000万円から仕入代金300万円、
諸経費300万円、金利100万円、利益200万円のほか、
1000万円が残るのでこれで返済を
することになる。見て分かる通りで、
事業を清算するときだけでなく
事業規模を縮小し、労務者数を減らすときにも
同様にして、資金が浮くので、その資金で
減った労賃分の借入金を償還することになる。
つまり、借入金の償還は
あまり経営が思わしくなく
事業規模を縮小していることを示唆する場合もあるわけで
「借入金を減らしている、ということは
この会社は資金的に余裕がある、ということなので
経営がうまくいっているのだろう」とばかりは
言えないのですねえ。。まあ、それはそれとして。。。


閑話休題。

と、いうわけで、
ミンスキーの分類でも、短期運転資金融資のケースなどを
含めて考えると、ちょっと
「金利は経常収入の中から、
元本は資産売却のキャッシュフローの中から」という分類についても
やや注釈が必要になるのかなあ、という気もしないではない。。
(ただもうちょっと前に読んだもんで、
内容をよく覚えていない部分もあるんで、
もしかしたら、ちゃんとミンスキー自身の説明が
あるかもしれない。。。。)

で、最後のポンツイ金融だが、
これは、資金を借りたはいいが、
元本償還ばかりでなく利払も、将来の資産価格上昇がない限り
その資産の経常収入からでは
まかなえないケース(あるいは
後日になってキャッシュフローが増え、それにより
資本化された現在の金利も十分償還できるケース)である。
現在支払われない金利は資本化(元本組み入れ)され、
将来のキャッシュフローからまかなわれることになる。
典型的には、今回のティモワーニュのブログにもある通りで
サブ・プライム・ローン融資などでみられたケース(もっとも
この場合は、当てが外れて資産価格上昇が
起こらなかったわけだが)であり、
それが「ミンスキーテーゼ」として知られているものなのでは
あるのだけれど
だけれど、これだけの定義から言えば
生産建造建設期間が1年以上にわたるあらゆる
生産建造建設造船等々のビジネスは
(外部から資金調達する限り)
定義上、ポンツイ金融に該当することにならざるを得ないわけであり、
そして、あらゆるポンツイ金融がそうである通り、
これらもすくなくとも金融面でみる限り、
金融不安定性に貢献する――相対的に総需要を
安定させ、その結果として金融面の不安定性の増加を
カバーできるかどうかは別として。
(まあ、こういうのは「数式モデル」で
検討すればいいのだろうけれど。)

まあそんなわけで、
ブログの訳の続きは、年内にあと一回ぐらいできればいいんだけれど、
勤め先もいよいよ今のままでは継続不可能な水域に入り、
今は金貸しの間で、この会社、
債権放棄してまで
存続させた方がいいのかどうか、検討中というところに
達してしまい、
年越し交渉ということになり、
ちょっと忙しくなるかもしれない。。。。
ってか、会社が倒産すれば
次の職探ししなければならないし
続いたら続いたで、
新しい社長が来たら、
今みたいないい加減な仕事を続けるわけにはいかないだろうから、
まあ、どうなるのかなあ。。。。
ってか、それ以前に資産デューデリとかになったら
いろいろ変なのがボロボロ出てきて、
責任取らされることになるんだろうなあ。。。。
税理士のせいにばっかりもできないしなあ。。。。
やれやれ、先行き暗いわ。。。。


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