ありんこさんへ(つづき)
「彼」が中1のときに書いた本から、彼の言葉を紹介しますね。
「僕は、勉強がしたかったのです。
でも、このままの僕では、お母さんと一緒でないとみんなの中ではやっていけないことを、僕自身が一番分かっています。
僕の障害がどういうものなのか、僕はよく理解していません。
自分が障害児だと認めたくなくて、今まで逃げていたのです。
本当に良くなりたいのなら、自分の力で障害と向き合わなければなりません。
僕は、自分を良く知るために、養護学校への転校を決めました。」
◆
そうして、彼は6年生のときに養護学校へ転校します。
私はやはり、彼のことをどうこういうつもりはないのです。
ただ、ただ、彼がそう感じ、そう思うようになった「現実のこの社会」に、どうしようもなく違和感を感じます。
ありんこさん、本当にありがとうございます。こういうきっかけがなければ、このことについては考えないようにしていたと思います。あとで「レインマン」のことも改めて書きますが、私たちは「自閉症」の人を、「コミュニケーション」の障害があるとみなすことで、私たち自身の社会(コミュニオン)について、考えることが足りな過ぎます。
コミュニケーションの前に、コミュニオンがあります。
コミュニケーションが「切れて」いるとしたら、それはその「社会」(コミュニオン)が、その人たちをあらかじめ含みこんでいない、からなのですよね。
だから、彼は、「自分をよく知るために、養護学校へ」行くしかないと、結論するしかなかったのですよね。それは、この社会での、彼の真実であったのだと、素直に思います。
だから、私は自分が悲しくなるのだと思います。
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