先日もらったhiroさんのメールにうれしい言葉がありました。
ある日、保育園の対応の悪さを思い出して荒れているhiroさんの隣にそっと立った次女さんが言った言葉。
「yoさんに相談してみたら?」
「yoさんって?」
「ワニなつの人。力になってくれるかもしれないよ」
ヒロさんちのかわいい次女さん(小3)の言葉を繰り返し思い出すうち、ふと「子ども」が好きな理由が分かりました。私が好きだったのは、子どもが本来、手をかり、知恵をかりる生き物そのものだったからでした。
私は小さいころから、そういう「子ども」でいられる子が、うらやましく、あこがれつづけていたような気がします。
「力になってくれるかもしれないよ」
私にはそういう「大人」がいませんでした。だからウルトラマンになりかったのかもしれません。それに、親にそんなふうに話せる関係でもありませんでした。
子どもに共通する特徴は、依存することです。だからこそ、手をかりること、知恵をかりることが、自然で、当たり前で、ふつうなのでした。そのうえで、みんなが一人ひとり違う「わたし」になっていくのです。
考えてみれば、子どもが最初に覚える言葉はどれも、「手をかりること」「知恵をかりること」そのものです。
手をかりること。
「だっこー」「とってー」「やってー」「…ちょうだい」
知恵をかりること。
「なあにー?」「どうしてー?」「なんでー?」
そして、「ありがと」と笑うのです。
「手をかしてくれてありがとう」「知恵をかしてくれてありがとう」。
言葉にするときもあれば、言葉など比べようもない笑顔や表情で表わしてくれることもあります。どんなに疲れているときでも、死にそうに悩んでいるときでも、その笑顔に救われることがあります。
「手をかした」こと以上のお返しを、私たちはいつも子どもからもらっているのに、それを自覚することが苦手です。そうして、「自分のことは自分でやりなさい」「一人でできるでしょ」と口にするうちに、大事なことを忘れていきます。
子どもは、大人に「一人でしなさい」と言われたから、一人で何かができるようになるのではありません。生まれた時から、「手をかり」「知恵をかり」、あいされて、そうして、自分で自分に手をかし、知恵をかし、自分を好きになり、自分で自分を助ける生き方を身につけていくのです。
無条件に「手をかりること」を経験した子どもほど、手をかすことがあたりまえになります。
無条件に「知恵をかりること」を経験した子どもほど、知恵をかすことがあたりまえになります。
無条件にあいされ、うけとめられた子どもは、無条件に自分を好きになることができます。
どんな自分も、自分でうけとめられるようになります。
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