【い】《いないところに いるを つくる》
ゆうべは一晩中、このことばが夢にでてきた。
まだ、「解説文」はない。
「いないところ」は、何十何百もの場面のこと。
ひとつには、わたしのなかにいる、いまはこの世には「いない」子どものことをおもう。
たっくんのことをおもう。
けいちゃんのことをおもう。
りゅうちゃんのことをおもう。
わたしとおなじように、いやわたしよりずっと鮮やかにそばに「いる」同級生たちが、この世にはたくさんいるだろう。
もっと身近でいえば、一時的に「いない」こともある。
入院だったり、不登校だったり。
短いときもあれば、長いときもある。
でも、「いる」はなくならない。
はじめからいなければ、「いる」もない。
記憶も現実も差別さえない。
でも、たとえ不登校を長くしていても、
そこが「わたしのクラス」であり、「わたしの(ほんらいなら)いてもいい場所」であることは、なくならない。
わたしのなかで、なくならない、だけじゃなく、籍としても制度としても、同級生のこころのなかにも、「いる」ことがあるかもしれない。
それがひとりふたりだとしても。
ゼロとは、はるかな距離がある。
いないところにいるをつくる。
卒業してからでも、大人になってからでも、
年をとってガンにかかっても、
自分のこころ、自分の人生には、
いま目の前にはいない、
いま一緒にはいない、
けれど、たしかに、ここに、いる、
が、いっぱいつまってる。
いないところにいるをつくる。
赤ちゃんが、母親から離れることのできる一歩目は、
別の場所にいて姿が見えなくても、
母親はちゃんと「いる」を、こころにつくれるからだという。
いないところにいるをつくる。
そんなことを考えている。
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