ワニなつノート

「彼」の中学卒業まで (その3)

「彼」の中学卒業まで (その3)


昨日、紹介した「彼」のことは、
『死刑でいいです』という本に書かれています。
(池谷孝司 共同通信社 2009年9月発行)

「彼」は、大阪で二人の姉妹を殺した罪で、
今年の7月、死刑になりました。
25歳でした。


「彼」は、「法律どおり、6ヶ月以内に
刑を執行してほしい」と希望しました。

最後に弁護士に送った手紙は以下のものでした。

「私の考えは、変わりがありません。
『上告・上訴は取り下げます』
この意思は変えることがありません。

判決が決定されて、
あと何ヶ月、何年生きるのか
私は知りませんが、
私が今思う事はただ一つ、
『私は生まれてくるべきではなかった』
という事です。

今回、前回の事件を起こす起こさないではなく、
『生』そのものが、あるべきではなかった、
と思っております。

いろいろとご迷惑をお掛けして申し訳ございません。
さようなら」


「彼」は23歳で判決を受け、25歳で殺されました。



     □      □      □


今日が、「ある事件」の「判決の日」だったことを、
昨日、私は知りませんでした。


今日、判決を受けた青年は、「彼」と同い年でした。

同じように死刑を望み、
同じように控訴はせず、
同じように早く執行してほしいと願っています。

望みどおりに殺してあげて、
それで終わりでいいのでしょうか。

彼らの犯行の動機も分からず、
心の内も分からないまま、
何より彼らが自分の犯した罪の意味も
何も考えず感じないまま、
殺して終わりで、本当にいいのでしょうか。

このままでは、「殺される子ども」・「殺す子ども」を
生み出す社会のままでいようとしているように、
私には見えます。
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