子どもの苦労に向かい合うということ(その2)
『読み書き算数ができれば、
それができない人間よりはましな扱いを受ける。
読み書きさえ少しはできれば、
「単純な仕事」程度ならもらえる、かもしれない。
そうでなくても、せめて自分で着替えができて、
ボタンをかけられて、身の回りのことができてば、
施設でも迷惑をかけずにすむし、かわいがられる。
そこでは、楽しいこともあるし、同じ障害の仲間もいて、
社会のじゃまにもならず、楽しくおもしろおかしく
生かしてもらえるだろう。』
そうした社会の障害観を支えているのが、
特別支援教育であり、専門性という「お召し物」を
まとっている療育や訓練の数々です
それは「裸の王様」に書かれていたことです。
最初に詐欺師はこう言いました。
「これは、障害児の将来の幸せのために必要なものです。
障害を受容できない人や親の見栄で子どもに犠牲を強いる人には、
その素晴らしいお召し物は見えません。
愚か者には見えません。
薄情者には見えません。
障害児の発達と幸せを願う人にだけ見えます」
いまでも、多くの人が、中身のない検査や訓練を、
王様のお召し物を見たときのように、
恭しく「すばらしい」と誉めたたえています。
「王様は裸」だと、一番分かっているはずの、
「親」もなぜか本当のことは言いません。
□ □ □
「本当のことを言って何になる?
普通学級に入れたからって、子どもが普通になる訳じゃない。
あれもできないこれもできないと担任から責められ、
クラスの保護者達からも
自分の子どもの教育を受ける権利はどうなるんだ、
迷惑だ、と責められる。
「普通学級にしがみつけば、
普通の子どもになれると思っているのか。
親の見栄で子どもが犠牲になっている」
そんなことを言われてまで、学校にいく意味があるのか。
たとえ義務教育の間は、そこにいられたとして、
その後に何がある?
親が自分で面倒を見ろ、と言われても何もできない。
何より、障害児の親の「仲間」、
障害児を生んで孤独に苦しみ、話し相手も相談相手もなく、
孤立していた自分を助けてくれた親の仲間を
裏切るわけにはいかない。
仲間の親は、みんな、専門家のいいかげんさ、
限界も分かっていて、
あえて、「協力者」として手をつないでいるのだから、
その仲間の「忍耐」を裏切る訳にはいかない。」
「子どもの思いは?」
□ □ □
時々、自分でも思います。
私はよっぽど性格が歪んでいるんだろうか、と。
でも、この30年、私が心から悔い改めたいと思うような、
「子どもを分ける正しさ」を、
一度も聞いたことも読んだこともありません。
それに、なっちママさんがコメントしてくれたように、
これはただの「私のブログ」、「私のひとりごと」です。
遠慮せずに感じていることを書いてしまいます。
「敵を攻撃」するとか、「責める」つもりはありません。
ただ、私はずっと不思議だったのです。
これほど大掛かりに、国をあげて、多くの親が賛同して、
「子どもの一番の願い」を後回しにするのはどうしてなのか。
□ □ □
「年輩の人間の方が経験も豊かなはずだから、
人生もよりよく理解できるはずだ、という思いこみは
非常に早い時期に植え付けられたものです。
そのために、私たちは、現実を知った後にも繰り返し、
この思いこみにしがみつくのです。」
「でも、それらは、子どもの感情とは
ほとんど関係がないところで、考えられてきたものです。」
「にもかかわらず、多くの人は年輩者の年の多さと
経験の多さを同一視し、年嵩の人から人生について
学べるはずだという望みを捨てられません。」
「もしも、100年以上続いてきた『特殊教育』や
福祉を担ってきたその人物がなんでもなかったとすれば、
これほど認められているはずがない、と思うのです。
その人たちの仕事や価値が多くの障害児者にとって、
意味を持たないのであれば、
こんなに評判になるわけがないと。」
「でも、たとえば
『自閉症の特徴は人の気持ちが分からないことです』
という医師や専門家は数多くいます。
その人たちは、自閉症の子どもに感情があることを
認められずにいますが、
それは医師たちの側に、
それを認知するための前提条件が欠けているからです。」
その他いろいろ。
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