やっちゃんがいく（２） （小学校１年生の１）

やっちゃんがいく（２）　（小学校１年生の１）


≪いろんなことがありました≫

3月に入ると、幼稚園では謝恩会や卒園式といった、
親も子も緊張する行事が続きます。

謝恩会は、やっちゃんがあまりに不埒なことをするので、
結局、私が連れ出してしまうという失態をしてしまいました。
そのため、次の週の卒園式の心配を周りの方々におかけしました。

当日はどうだったかというと、
「私が殴らなかったので８０点かな…」というと、
皆さんに苦笑されます。

幼稚園最後の日と感じてか、
やっちゃんが園庭の遊具でいつまでも名残惜しそうに
友だちと遊んでいたのが印象的でした。


「さあ、次は小学校へ乗り込むぞ！」
という意気込みもあったのですが、
長い春休みを不安とともにダラダラ過ごしていました。

お気に入りの机も早速、セロテープと空き箱で、
カーナビ付の車になりました。

そんな時、仲井さんから「4月中頃、おしゃべり会をしましょう」
というお誘いや、児童相談所の相談員の方からも、
心配のお電話をいただきました。
「担任の先生と前もってお会いできるように」と、
学校に連絡してくれるとのことでした。

前校長が「春休みに遊びに来てください。でも担任を紹介することは
できない」と言われていたので、
「この子が前もって先生と接する機会を持った方が、学校にとっても
いいはずなのに…」と相談員の方に愚痴をこぼしたので、
私の学校に対する不安を察してくれたようです。

校長が替わったので、「なんだ、そういうことか」と
思うこともありましたが、教頭先生が
「お電話を差し上げるところでした」と言ってくれました。
「いろんな人が私たち親子のことを考えてくれている…」
と嬉しく思いました。

二年前の4月、転勤のため、引越しをしてきた時、
やっちゃんが家から出て行ってしまい、
何時間も帰ってこなかったということがありました。
去年、「もう育てられない！」と
我が子を拒絶してしまったのもこの時期。

一年後に控えた就学の不安からだったかもしれません。
お花見どころではない数年が続きましたが、
今年は何年ぶりかで桜を堪能することができました。

４月上旬にやっちゃんを連れて学校に行きました。
まず外階段を上ったり、校長先生、教頭先生に挨拶もせずに
校内を勝手に探検し始めました。

そこで、「戻ってきますので」と言い、話をしました。
戻ってくると、私の財布からお金を取ったり、
「いけない」と言うと、一緒に連れてきた妹を泣かし、
バトルが始まりました。

いろいろなことをやってくれたので、
言葉で説明する手間が省けてよかったかなと思いましたが…。

担任は優しそうな女の先生でした。
校庭に出て、「入学式にお待ちしてます」と言われ、
皆さんとさよならしました。

入学式には、先生が一人ついてくださると言われたので
安心していましたが、心配な父親は教室から入場まで
子どもについていました。

式の最中も壇上の校長先生に向かって、
「あっ、YOUちゃんだ」と言ったり、
ピアノをいたずらしたり、
司会の教頭先生にもじゃれついたあと、
後ろの席の親の元へ。

やるだけやったからか外に行きたがったので、
2年生の催しの間、付き添いの先生と校内の探検をしました。

父親もやっちゃんの学校生活に相当の不安を感じているようでした。
でも、最初に苦手なところを大勢の生徒、
先生の前で出してしまったので、
ある意味やりやすいかな…とも考えられました。

次の日以降、上級生は「あっ、あの子！」とすぐ分かってくれました。
クラスでは、「やっちゃんは病気でしょ」
「騒ぐ病気ってあるって、お母さん言ってたよ」etc…。
質問攻めです。

しばらく集団下校なので、親が一定のところまで出て待っています。
それまで普通にしゃべっていたのに、やっちゃんが来ると、
「あ、あの子…」と口を閉ざしてしまう人もいます。

そんなときも明るく「さようなら」とご挨拶。
周りに対して子どもも不安があって、
不適切な行動をとってしまう時があるので、
早く周りの理解を感じられるようになるといいなと思いながら、
毎日送り迎えをしています。
家から遠いため、生命の危険も感じるので…。

毎日学校に行ってると、いろいろなことがあります。
この後、学校のこと、地域でのことなど、
次回楽しく語れればいなと思ってます。