ワニなつノート

就学相談会の準備(その2)

就学相談会の準備(その2)


2011年11月7日のブログ、再掲載です。

       ◇


《ようこそ、「かわいい子に普通学級を旅させる」一味へ(その3)》


就学相談会の前には、必ず北村小夜さんの『一緒がいいならなぜ分けた』を手に取ります。
この本は私が27歳の誕生日に出版されたので、私は勝手に、小夜さんからの誕生日プレゼントだと思っています。

あれから24年が過ぎたけれど、相談会前に、この本より大事な本は現れません。
私にとって、何よりのお守りであり、巡り巡って、たくさんの子どもたちのお守りになっているのだと思います。

今回のアンケートを読みながら、この本の中の作文を思い出しました。
小学生のときに、特殊学級に移ったときのことを書いた中学生の女の子の作文です。

          ◇

『特殊学級のこと』

私が、特殊学級に、入ったのは、二年生の休みが始まる前でした。
…先生に、学校に呼びだされて、その先生が、母に、「西六郷小学校に、特殊学級が、あるんですけど、そこに、入ったら、どうでしょうか。」と、母に、話しかけてきました。
母は、先生に、「それは、本人に、きいてみなければ、わかりませんね。」と答えました。
先生は、「そうですか。」といって、又、先生は、「じゃおへんじまっています、今日は、帰えって、いいですよ。」といいました。
母は、先生に、「じゃこれで。」といって、母は、私に、「帰えましょう。」といって、一年三組の教室でで、校門もでて、せつせ歩いて、家に、帰えりました。
その夜、ごはんが、食べてから、母は、私に、「お前、特殊学級にいくかい。」とききました。
私は、きゅうことなのことので、へんじが、できないなので、しばらしてから、母に、「考えてみるよ。」といいました。
母は、「そう。」といいました。
私は、「ねる時も、そのことを考えて、その夜は、なかなかねむれませんでした。そのあくる日は、ふつうどおりに、学校にいって帰えってから、母に、私は「やっぱり特殊学級にいくよ。」といいました。
母は、「そうかい。」といって、学校の先生の所に、電話しました。
そして、転校とどけをだしにいきました。



          ◇


私は、この作文を読むたびに、自分の8歳の日の心の闇を思い出します。
父ちゃんと教育委員会に呼びだされた前後の、底知れぬ不安な日々がよみがえります。

この女の子は、「ふつうどおりに学校にいって帰ってから」、どうして特殊に行くことにしたのかを書いていません。

でも、小学生の子どもにとって、先生に「そこに行ったらどうですか」と言われ、母親に「行くか」と言われてしまったら、「いまいる場所」の地面の底が抜けてしまうようなものです。

そこに居場所はありません。

だから、6歳か7歳の女の子は、せっせと歩いて帰るしかなかったのです。

そして、「ふつうどおりに学校に」行って、改めてそこにはもう居場所がないことを認めるしかなかったのです。


特殊学級は、特別支援学級と名前を変えました。
でも、「そこに行ったらどうですか」という先生の言葉の意味は、まったく同じです。

いまいる居場所、友だちと一緒のクラス、みんなと同じ仲間でいられる居場所から、「違う場所へ行ったらどうですか」と言っているのです。

「そこに行ったらどうですか」は、この国が言っているのです。
「そこに行ったらどうですか」は、日本中の教育委員会が言っているのです。
「そこに行ったらどうですか」は、日本中の校長先生や担任の先生が言う言葉です。

子どもを守れるのは、親だけです。

「私の子どもは、そこには行かせません」
「この子は、兄弟と同じ学校に行きます」
「この子は、近所の友達と同じ、普通学級に行きます」
そういえるのは、親だけです。
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