ワニなつノート

もっと子どもにあうために




もっと子どもにあうために(その1)



確かに相手のだいじょうぶは足りなかった。

子どもだったから。

でも、だいじょうぶと言ってあげる私のだいじょうぶは、もっと微々たるものだった。

足りないのは子どものだいじょうぶより、私のだいじょうぶだった。

私の中の「だいじょうぶな私たち」がぜんぜん足りなかった。




もっと子どもにあうために(その2)

《8歳の私 50年》



「8歳の私」を取り戻すために、「その後の五十年」を生きてきた。


分けられたあの日から、8歳の私を取り戻そうとした。
8歳の私にしがみついてきた。
助けようとした。
守ろうとした。

こだわってきた。
悪い子の私。怒られる私。廊下に立たされる私。

だめって分かってるけどやっちゃう私。やりたい私。やってみたい私。

どれも本当の私。


     ◇


保育園のころ、妹が大好きだった私。順さんも大好きだった私。

赤ちゃんだった妹を天使だと思った私。

アトムみたいに妹を守るのが私の使命だと思っていた私。

守りたかったのは妹と順さんや幸ちゃんだった。

どれも本当の私。


     ◇


小学生のころ、兄妹喧嘩をして私だけ怒られ叩かれて、「なんでいつもオレだけ」と口答えした私。

「じゃあ妹もたたけばいいのか」と、妹を叩きはじめた母ちゃんを必死で止めた私。

「なんでオレだけ」とは二度と言わないと思った私。

どれも本当の私。

本当の私は、いっぱいいる。


      ◇

妹と同じくらい、順さんが大好きで大切に思っていた私。
いつもそばにいたかった。

でも妹じゃないから、どうやってそばにいたらいいのか分からない。

だから、たたいたり、蹴ったり、髪を引っ張ったりジャムを塗ったりしたんだろう。


髪にジャムを塗って40年後。

「覚えてる?」と聞いた。

「そんなことあったかな・・・」。

順さんは覚えてなかった。

同級生はみんな覚えていて、私を責める。

「ようちゃんは順さんにだけひどかったよね」。

順さんが言う。

「ようちゃんはいつも守ってくれたよ」

同級生たちも私も忘れていたこと。

順さんだけが覚えていたこと。

「ようちゃんは私が牛乳飲めないのを知ってて、牛乳瓶を倒してこぼしてくれたんだよ」。

覚えがない。

「でもね、私のお盆の上で倒すから、私が先生に怒られて大変だったんだよ」


(> <) かすかに記憶がよみがえる。

どれも本当の私。


大好きな髪にジャムを塗る私も、牛乳瓶を倒してあげる私も、同じ私。

どれも本当の「私・たち」。





もっと子どもにあうために(その3)


(a)

子どもに翼の広げ方贈りませんか♪

      or

翼を広げる安心と自信と自由を♪

      or

子どもがほうきで飛べる方法教えます!    

    《byふつう学級》


こういう看板を出したい。

子どもへの贈り物説明会。





(b)

子どもというのは、誰でも一人ひとり、
勇者の本能を宿していて、
自分の人生をやり遂げる力をもって生まれてくる。

ほうきで空を飛べる感覚。

40人の気配を感じる翼をもつ。

親の怖れと嘘は、子どもの万能感を曇らせることがあると覚えておこう。

親が無力な時にも、翼を広げる力は子どもにあるから。

せめて夢見る翼を、たたませないようにと、願う。





(c)

「わたし」のなかの誰もがもっとも無力だったとき
もっともまるごとな「わたし・たち」は生まれた

完全に依存していたとき
わたしは「いる」だけで受けとめてもらい
「わらう」だけでわらいかけてもらった

「なく」だけであやしてもらい
「いる」だけで話しかけてもらった

「ねむる」だけでいつくしまれ
わたしは生きてきた

「どのあなたも、あなただね」とこえが届いて
まるごとの「わたし・たち」は生まれた

わたし・たちは、すべての出会いの気配の記憶をもつ

「どのあなたも、あなた」
「どの自分も自分」

「いつのあなたも、あなた」
「いつの自分も、自分」

「どんなあなたも、あなた」
「どんな自分も、自分」


そのつながりと時の重なりの交わる場所で

魔法使いの自分(万能感)は生まれる


「自分の生活」(自分・たちの生活)を持ち

希望の翼を広げ ほうきで空も飛べる
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