てなもんや日記

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映画大好き2010 その6「ディアドクター」

2010年01月12日 | 映画大好きsince2005
ディア・ドクター
監  督:西川美和
CAST:笑福亭釣瓶/瑛太/余貴美子/八千草薫/井川遥 他

過疎の進む山間の小さな村で、村民に慕われ信頼されている医師・伊野(釣瓶)。
そこへ東京の医大を出た研修医(瑛太)がやってくる



伊野のどこかたどたどしい診療に首を傾げつつも、
診療だけでなく親身になって村民たちを気遣う伊野の姿に感銘を受ける
しかしある日、癌を娘に知られたくない老婦人に協力したことで、
伊野の今まで知られなかった素性が明るみに出てしまう・・・

「ゆれる」の西川美和監督作品です
そして作品中に流れる空気は同じで、静かに時が流れていく映画です
この雰囲気は好きですね^^



過疎の村を支えている医師と、それを頼るしかない村民たち、
そんな過疎の村の現実的な問題を描きながら、伊野と村民とのやり取りを通じて、
今ではなくなりつつある「人情」を深く感じさせてくれます

けど、そんなキレイごとだけじゃないんですよね、問題は
医療に限らず、すべてが都会に集中し、口にするのは「効率化」・・・
そんな中で見捨てられているのが作品中の舞台の過疎の村です・・・
作品中にも出てきたセリフですが、
「村民は納得しているんじゃなく我慢することを受け入れているんや」
(ちょっと違うかもしれませんが^^;)
というように何事においても我慢させられているんでしょうね・・・
もう一度昔の古きよき時代に戻れとは思いませんが、
日本人なら誰もが好きであるはずのこういった風景や生活を守るためには
何ができるのかを考えないといけないと思いますね

さて、作品の感想に戻りますと、まず脇役がとてもいいですね^^
特に「おくりびと」でも感じましたがベテラン看護師役の余貴美子さん
すごくイイ伊野を影から支え、時に叱咤激励する姿が印象的です



そして主役の釣瓶師匠!
初の主演作品ということですが、まさに「釣瓶=伊野医師」
ただそこにいるだけで人情味あふれる師匠がさらに光って見えますね
しかも人情だけでなく、とても臆病な顔や悪い顔も垣間見せてくれます^^
あまりに印象が強すぎて、伊野医師を描いた映画なのか、
釣瓶師匠を描いたドキュメンタリーなのか分からなくなるほどでした



あまりにも釣瓶師匠が持って行っちゃっている感がある作品ですが、
観て損はないいい気持ちになる映画ですね


オススメ度(5点満点):★★★★