いろいろな病気を併せ持つ夫なので、私は絶えず顔色や、態度を見ながら介護
している、それは決して楽ではない。記憶はほとんどできないし、自分の年齢
季節、月日なども定かではない。無論思考力、理解力、状況判断なども低下して
いるが、私をからかう頭の回転は憎らしいほどで、まさに「間髪入れず」だ。
でも、陽気で穏やかで、感受性は豊かで、テレビを見ても「キレイ!」
「可愛いい!」「スゴーイ!」などとよく言う。また「有難う」「幸せ」なども
連発するから介護のやり甲斐はある。昔はまるで私の保護者のような存在だった
今では立場がまるで逆転しているが、でも、昔よりもっと素直で、大変扱いやすい
ので、困ったことは全然なく助かっている。
※リタイアして行った海外 イタリア オリエント急行
私達は比較的早く結婚したが、夫を選んだ理由の一つが誠実さだったが、それは
今でも変わらないし、感謝の気持ちも強い方だ。私は幼児性が強く、天真爛漫、ワガ
ママな悪女タイプだった。長年夫と生活していて、そんな私がいつの間にか、夫に
影響されたようだ。また、神経質なために、些細な事にこだわったり、悩んだり
しているときも、彼はよくこう言った。「過ぎたこと考えたって仕方がないよ」と。
するといつの間にか、私はネガティブに考えないようになり、気づいたら精神的に
とても楽になっていた。さらに社会へ出ていろいろな人と出合い、また、心理学的
精神的な勉強をしたお蔭で、現在の精神構造になったと思っている。
※ニュージーランド
家庭がありながら目標がほとんど実現できたのは、大らかで理解がある夫のお陰
だと感謝している。先日知り合いの女医さんに「きっとご円満なのね。羨ましいわ」
と言われたが、彼女は子供が二人いたのに、若くして離婚経験がある人だ。
そのとき私は、夫を男性の平均寿命より、10年間は長生きして欲しいと思って
いるのは、幸せな介護をしているからだと改めて思った。年々衰えて行く(無論
私もだが)夫を願望通り長生きさせるのは、至難の業かも知れないが、妻としてだけ
ではなく、心理のプロとしても、私はチャレンジしようと思っている。
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