ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

認知症10年目の夫を長生きさせたい幸せな気持ち

2020-07-01 14:24:12 | エッセー

 いろいろな病気を併せ持つ夫なので、私は絶えず顔色や、態度を見ながら介護

している、それは決して楽ではない。記憶はほとんどできないし、自分の年齢

季節、月日なども定かではない。無論思考力、理解力、状況判断なども低下して

いるが、私をからかう頭の回転は憎らしいほどで、まさに「間髪入れず」だ。

でも、陽気で穏やかで、感受性は豊かで、テレビを見ても「キレイ!」

「可愛いい!」「スゴーイ!」などとよく言う。また「有難う」「幸せ」なども

連発するから介護のやり甲斐はある。昔はまるで私の保護者のような存在だった

今では立場がまるで逆転しているが、でも、昔よりもっと素直で、大変扱いやすい

ので、困ったことは全然なく助かっている。

※リタイアして行った海外 イタリア オリエント急行

    

私達は比較的早く結婚したが、夫を選んだ理由の一つが誠実さだったが、それは

今でも変わらないし、感謝の気持ちも強い方だ。私は幼児性が強く、天真爛漫、ワガ

ママな悪女タイプだった。長年夫と生活していて、そんな私がいつの間にか、夫に

影響されたようだ。また、神経質なために、些細な事にこだわったり、悩んだり

しているときも、彼はよくこう言った。「過ぎたこと考えたって仕方がないよ」と。

するといつの間にか、私はネガティブに考えないようになり、気づいたら精神的に

とても楽になっていた。さらに社会へ出ていろいろな人と出合い、また、心理学的

精神的な勉強をしたお蔭で、現在の精神構造になったと思っている。

 ※ニュージーランド

    

家庭がありながら目標がほとんど実現できたのは、大らかで理解がある夫のお陰

だと感謝している。先日知り合いの女医さんに「きっとご円満なのね。羨ましいわ」

と言われたが、彼女は子供が二人いたのに、若くして離婚経験がある人だ。

そのとき私は、夫を男性の平均寿命より、10年間は長生きして欲しいと思って

いるのは、幸せな介護をしているからだと改めて思った。年々衰えて行く(無論

私もだが)夫を願望通り長生きさせるのは、至難の業かも知れないが、妻としてだけ

ではなく、心理のプロとしても、私はチャレンジしようと思っている。

 

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