Vita Mandoloncellistica

マンドロンチェロ弾きcockatooの生活
マンドリン関係のこと・・・は少ないかも(笑)

ひどい本

2008年02月04日 | Free Talk
最近読んだ本の話。

春秋時代の呉を中心とする小説・・・なのですが・・・
いやいや内容がひどいひどい。

この本読むの2回目かな?
前に読んだ時はそんなに違和感感じなかったんですけど、読み返してみたらもう何というか・・・

私なんかそんなにこの時代について詳しいわけじゃないですけど、それでも「これはおかしいだろー」ってことがいっぱい書いてあるんですよ。
よくもまぁこんなのを出版してるもんだ。

「小説」ですから、フィクションですから、ストーリーとか設定がある程度史実(というか2500年位前の話ですからね・・・「通説」と言った方がいいのか?)と違ったっていいと思うんですよ。

最近読んだ別の呉越を扱った小説なんか、孫武がいきなり范蠡の手の者によってあっさり暗殺されちゃってひっくり返りそうになりましたもん。
でもそれは「小説」ですから、いいんですよね。 歴史書じゃないんだから。

孫武と晏嬰がお友達だったり、孫武の孫が孫臏(作品中では孫濱と表記)で実際に言葉を交わしていたりしたっていいんですよ。

でもねぇ・・・

孫武や伍子胥が馬に乗って駆け回ってたり、
 (この時代、鐙もないし、馬に直接乗ることはないんじゃ?)

伍子胥と一緒に亡命した楚の太子を「米建太子」と呼んでいたり、
 (楚の姓「羋」を「米」と読み間違えた?)

鄭の子産の姓は「子」だと説明してたり、
 (子産は鄭の穆公の孫だから当然姓は「姫」ですよね?)

春秋時代の後の戦国時代は、各国が戦争に明け暮れて戦乱が続いた時代だから戦国時代という、と説明してたり、
 (その時代のことを扱った「戦国策」という書物があるから「戦国時代」と呼ばれるようになったんですよね?)

孔子が「耳順」という言葉を使っていたり、
 (「耳順」という言葉の出典は「論語」ですから、ありえないとは言わないけど不自然ですよね?)

「勾践は臥薪嘗胆して機会を待った」っていうような表現があったり、
 (「臥薪」したのは夫差、勾践は「嘗胆」しただけですよね?・・・これはちょっと揚げ足取りっぽいけど)


まだまだ他にも色々あったような気がする・・・
細かいストーリー上の矛盾はもうホントに数え切れないほど。



捨てようかしら・・・この本。