重低音のBlue Canary

♪ 思いつくままを、つたない文と photo で …

中馬のおひなさん。

2008-02-24 | おすすめ


♪ あかりをつけましょ ぼんぼりに
    お花をあげましょ 桃の花 ~


昨日、



「中馬(ちゅうま)のおひなさん」(~3月9日まで)を見て来ました。

場所は愛知県豊田市足助(あすけ)町(旧愛知県愛知郡足助町)。

愛知県の北東部、もう長野県に近い、人口1万人余の山間の町です。
近年は「中馬のおひなさん」の町として知られるようになりました。


「中馬」は地名ではありません。

足助町は昔、尾張・三河・信州・美濃を結ぶ宿場町。
三河の塩を長野へ運ぶ際、ここまでは荷車に積んできた荷物を、
険しい山道を越えるため馬に乗せ変える宿場でした。

その馬人夫のことを「中馬」と呼び、
彼らが行き交った足助町内の道が「中馬街道」と呼ばれるようになったのだそうです。


一方で足助町にはかつて、
男の子が生まれると土で作った素朴な女のおひなさんを、女の子が生まれると武将の人形を贈る風習があったそうです。

でも年々廃れてしまい、家々の押入れに仕舞われていたその土雛を、
地元の旅館や飲食店の商店主らでつくる「足助町の21世紀の観光を考える会」(略称「AT21倶楽部」)が観光資源にすることを思いつき、
「足助資料館」に600体を集めて初の「土雛展」を開いたのが10年前のこと。

すると、
「せっかくだから、うちのおひなさんも一緒に飾ってくれないか」という申し出がずいぶん寄せられたため、
それならばというので、
資料館でではなく、各商店や民家で一斉に展示してもらう、町を挙げての「ひなまつり」の話に発展したのがこの「中馬のおひなさん」の始まりだそうです。


「おひなさん展示中」の看板を立てた商店や民家は、



今年の「中馬のおひなさんマップ」によると130カ所。

この日も多くの観光客が足を運んだ「中馬街道」の賑わいは、



          

おそらく往時を凌いだのではないでしょうか。



それにしても、
町中そこかしこ、「おひなさま」だらけです。



    



    



江戸時代のものが展示されていたのかどうかは気付きませんでしたが、
明治―大正―昭和―平成と、さまざま。


それに、
旧家の年代物だけでなく、
こんなふうに

 

     

 

周囲の民家も、まるで近年のクリスマスの「ハウス・イルミネーション」のように
それぞれが楽しみながら参加している様子がとてもほほえましく、
見ていても楽しいものです。



そして、
飾られているのは「おひなさん」だけではありません。



「もち花」です。




    

    

赤、緑、黄色などに着色したり、あるいは白いままの餅を、
木の枝や竹につけて飾る「もち花」は本来、
実って頭を垂れる稲穂をイメージしたもので、
五穀豊穣の祈りを表すものだそうです。

素朴で、
だけど、とてもきれいですよね。



「おひなさん」の期間を過ぎれば、
この町はまた、いつもの静けさに戻るのでしょうね。


でも、
そこかしこに「宿場町」の佇(たたず)まいを残すこの町を、



    



    



    



改めてゆっくりと散策した時、
「まつり」の賑わいに紛れて見落としてしまった「古いけれど新しい」、
そして、温もりのある「何か」に気付いたり、
発見したりするような気がします。

機会と時間があれば、
いかがですか?


■場所/愛知県豊田市足助町 ■日時 2008.2.23 10:59:27 ■カメラ / NIKON D80 ■レンズ / SIGMA DC 18-50mm EX MACRO HSM ■データ / F2.8 1/13秒 ISO400 焦点距離38mm 露出補正+1 / プログラムAE スポット測光


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