『ペスト』 7 (「今んところ、あんたこそ、他人の平和をかき乱しとるんですよ。」「余計なことに関わっていとる暇なんぞありゃせんですよ。例の熱病のうわさが始まってからってものは、、、、。」)カミュ著 宮崎嶺雄訳
首を釣った男 P.41
「ご注意申し上げますがね。」
と、警察は苛立った口調で言った。
「今んところ、あんたこそ、他人の平和をかき乱しとるんですよ。」
しかしある程度のところで、R医師によって、その言葉は遮られた。
「あんたがたはどう思っとるか知らんが。」
と出て行きながら、警察はため息をついた。
「余計なことに関わっていとる暇なんぞありゃせんですよ。例の熱病のうわさが始まってからってものは、、、、。」
、、、、、、、、、
「天気のせいですな。それだけです。」
と、警察は結論を下した。
この小説にあるように「警察」ではないが、こういった政府関係者及び専門家の発表や結論づけや報道のあり方は、2021年現在の日本でも、日常茶飯事であることが歯がゆい。