乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

河竹黙阿弥作『人間万事金世中』2003年(1879年2月に東京新富座にて初演。)

2014年02月12日 | TVで 歌舞伎・能楽
    (イラン)


  『人間万事金世中』(にんげんばんじかねのよのなか)



 河竹黙阿弥作。
 明治12年(1879年)2月に東京新富座にて初演。


本編尺:82分
製作年:2003年
出演:中村富十郎 市川左團次 中村扇雀 中村信二郎(現・錦之助) 片岡孝太郎 中村玉太郎(現・松江) 中村隼人 中村吉之丞 松本錦吾 片岡亀蔵 片岡十蔵 尾上松助 坂東吉弥 中村梅玉

        




 まげを切った散切(ざんぎり)頭の人物が登場する舞台を散切物とも呼ぶ。
 明治物だが、口調は歌舞伎の基本を踏んでおられる。
 「開化」における「金の世の中」を主題にして、それまでの江戸歌舞伎にはない新しい「現代劇」を黙阿弥は見せようとしたともいえようと記されているが、流暢に流れる歌舞伎味タップ値の口調などを観ても、『人間万事金世中』はしっかり基本を習得した歌舞伎役者が演じた歌舞伎そのものだという事ができる。

 遺言を読む部分では
「勧進帳みたいに書いてない事を言うている訳ではない…」
など、随所随所に笑いを誘うテクニックがちりばめられている。
 筋書きはウィキペディアに詳しくかかてれいる。

 私は『人間万事金世中』は始めてみた。
 河竹黙阿弥賀書かれ、構成がしっかりしている。なおかつ今回のこの舞台は素晴らしい役者さんぞろいだ。
 それぞれの役者さん賀それぞれの個性を面に出して一つの舞台を描き上げられていた。

 先日亡くなられた中村吉之丞さんの意地悪で金の亡者のおば役ででておられた。
 言い草(いい回し)台詞表情声色何もかもが憎々しげで、品に欠く。(演技、役作りで本来は上品な役者さん)
 中村吉之丞さんはわたくしにとっては好きな役者さんの一人で、いつもの縁起とは変えて芝居をリアルに演じられる吉之丞さんに魅了された。また吉之丞さん賀はなされるたびに、ずんずんと芝居は重厚さを増す。
 芝居のラストでぴりりと閉める梅玉さん、
 本芝居もかなり面白いなと感じた。


    おわりん
 

コメント (2)
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『三人吉三巴白浪~大川端』

2014年02月12日 | TVで 歌舞伎・能楽
  元伊勢神宮




  『三人吉三巴白浪~大川端』

 昨日『廓文章~吉田屋』素晴らしい仁左衛門の伊左衛門☆を観て伊佐衛門の持つコケティッシュな変え合いらしさとこの上なき男前前を演じてお垂れた、仁左衛門。
『三人吉三巴白浪~大川端』の伊左衛門と、『車文書』では、仁左衛門丈の表情や演じ方が違う。仁左衛門丈暗いになれば、性格や人柄を侍従にあやつ連打ね。
 三方それぞれがお素晴らしいが、
 75調の台詞を掛け合い、花道から参上。
 歌舞伎らしい形や言い回し、良い意味での芝居臭さをあえて演じられる幸四郎丈。基本を知り尽くした上でのディフォルメ。これが好きなんだよね。幸四郎丈って役者わ!
 『廓文章~吉田屋』(前回の記録)

 尾上菊五郎 片岡仁左衛門 中村梅枝 松本幸四郎出演の『三人吉三巴白浪~大川端』はこれまでにも何度も何度も観てるが、本当におもしろみが感じられるもの一つ。
 こういう舞台が、観たいなぁ~~~~☆
 関西で、こんな歌舞伎が観たいのね^^私☆

           おしまい

本編尺:31分
製作年:2013年
出演:尾上菊五郎 片岡仁左衛門 中村梅枝 松本幸四郎

歌舞伎座こけら落とし五月大歌舞伎から「ほんに今宵は節分か」の名台詞が有名な一幕を、3日の節分当日にお届け。おなじ吉三(きちさ)という名前の三人が出会うおなじみの名場面だ。
大川端で美しい娘に化けた盗賊・お嬢吉三に出会った夜鷹のおとせは、百両を奪われたうえ大川へ突き落とされてしまう。それを見たお坊吉三がその百両を巻き上げようと、お嬢と争い始める。そこへ和尚吉三が現れふたりを仲裁。お嬢とお坊は百両を和尚に預けることとし、今日の出会いをきっかけに三人の吉三は義兄弟の契りを交わすのだった。河竹黙阿弥ならではの七五調の名台詞と、江戸情緒をお楽しみ頂く一幕。菊五郎のお嬢吉三、仁左衛門のお坊吉三、梅枝のおとせ、幸四郎の和尚吉三で。(2013年/平成25年5月・歌舞伎座)



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『廓文章~吉田屋』素晴らしい仁左衛門の伊左衛門☆「まことにおめでとうさぶらいける」

2014年02月12日 | TVで 歌舞伎・能楽



  
 『廓文章~吉田屋』素晴らしい仁左衛門の伊左衛門☆「まことにおめでとうさぶらいける」






 『廓文章~吉田屋』  2/6記録

 『名作歌舞伎全集 第七巻』「廓文章」東京創元新社(仁左衛門に感動し、読む) 2/7記録





 前回、仁左衛門丈の『廓文章~吉田屋』伊左衛門の性格の表現に感動した舞台を、『名作歌舞伎全集 第七巻』「廓文章」をふまえた上で観た。
 藤十郎丈の和事はすこぶる好きだが、藤十郎丈とはまた違った味わい。
 
 仁左衛門丈の伊左衛門も品良く、超二枚目で三枚目の性格をあらわされる。
 流石にお家芸。
 
「伊左衛門」「喜左衛門」と呼ばれるたびに、等の本人「仁左衛門」と聞こえる脚本のうまさ。
 はじめから最後まで各バネんが最後に集約され物の見事にめでたしめでたしとなるが、『吉田屋』だが、仁左衛門丈の伊左衛門はそれがリアルで強調される。
 伊左衛門という男は美男子でかわいく、また、助六を思わすほどの男前出なければならない。
 この演じ方をまねようとされていたのが、染五郎さんだと気づいた。染五郎さんは本気!!で古典歌舞伎の取り組まれると、割合にいい味を出される無くてはならない役者さんの一人だと感じる。

 染五郎さんはさておき、仁左衛門丈
 これでもかこれでもかと三枚目の絶世の美男子を演じられる。
 家で観ているので、その度に、キャーと、声ペが出る。大向こうをはるという状態ではない。
 観ていられないほどのかわいらしさ、二枚目ぶりを発揮する品の良い若旦那。観ている私は自然に照れている。直視できない。
 観ている間はしゃいでいたわたくし。横で静かに観る家族。
 家族も、この舞台は見事だという。

 さてさて、大変縁起の良い『吉田屋』
 侍が傾城をける  だの  
 高坏を鼓かわりに萬歳を踊り歌う  だの前回で書いていたが、
『名作歌舞伎全集 第七巻』「廓文章」によれば
「なぜ侍にけられた?」という台詞は「なぜ侍に…。」と男女の仲をにおわせているとある。
 今回『廓文章~吉田屋』を観ていてそれは誠であった。
「伊左衛門もける。…」云々の場は割合に長いが、『名作歌舞伎全集 第七巻』「廓文章」をふまえて観ていると、またひと味違った芝居に感じられた。


 今までにも何度も何度もいろいろな役者さんで楽しんでいた好きな演目の一つ『廓文章~吉田屋』
 伊左衛門などの大和萬歳のまねた場で
「まことにおめでとうそうらいける」 と聞こえた言葉は、『吉田屋』では
「まことにおめでとうさぶらいける
であった。


      さぶらい=侍
     「まことにおめでとうそうらいける」=萬歳の決まり文句のようなもの


 この演目をはじめ、歌舞伎(など)は、まことに掛詞が多い。
 見る度に観るほどに面白い芝居かな

            である。
 








本編尺:80分
製作年:2013年
出演:片岡仁左衛門 片岡秀太郎 坂東秀調 片岡千之助 大谷桂三 坂東彌十郎 坂東玉三郎

情緒溢れる上方和事の名作。上方美男の伊左衛門を仁左衛門が、恋人夕霧を玉三郎が演じた当代最高の顔合わせの「吉田屋」は、こけら落とし五月興行の一番の眼目だったお芝居。二人を取り持つ太鼓持(たいこもち)に左衛門の孫千之助が出ているのも見どころ。
伊左衛門は勘当されて、みすぼらしい紙衣(かみこ)姿になりながらも夕霧に逢いたいと大坂新町吉田屋へやって来る。若旦那のことだから、みすぼらしい身なりでも上品。主人喜左衛門夫婦のはからいで、伊左衛門は座敷へ通される。夕霧が小走りで姿を見せるが、伊左衛門はすねてつれなく当る。恋する二人ならではのたわいない痴話げんかなのだ。そこへ、勘当が許された知らせと千両箱が届き、伊左衛門は夕霧を身請けすることになる。
(2013年/平成25年5月・歌舞伎座)






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