■カッコーの巣の上で One Flew Over the Cuckoo's Nest
この前のトップランナーでの宮崎あおいの演劇論に感銘を受けて、その宮崎あおいの演技を見てみようかと思って、『好きだ、』をツタヤに借りに行ったのです。
あと1本くらい借りようかと思って、ふと目に入ったのがこの作品。
なんとなく古くて、時代に色褪せないイイ作品を見たいって気分でもあった。
『カッコーの巣の上で』は、中1のときにWOWOWで偶然に親と見た薄い記憶がある。
終わり方が衝撃で、かなり気まずくなった空気感と、『なんだかすごい』と思った思い出が混ざってる。
この二つしか覚えてなかった。
何らかの衝撃波を受けたってこと以外何一つ覚えてなくて、細かい内容も忘れてた。
精神医学の教科書でも、この映画が時々引用されたりする。
だから、気にはなってた。
・・・・・・・・・・・
見終わったあと。
衝撃。唖然。困惑。感動。混迷。涙。呆然。
■1975年
『カッコーの巣の上で』って1975年のアカデミー賞受賞作。1975年って33年前?!自分が生まれる前にこんなすごい映画出てたの?見終わった30分くらいは呆然自失とした。
目から残像が消えなかった。
舞台は精神科の閉鎖病棟。
テーマは、人間の尊厳、自立、管理社会、自由、友情・・・全部ひっくるめて全部という感じ。部分に還元できないものがある。
ヒューマニズムの映画は、もともと好きなんだけどこの映画は素晴らしい。
■人間 生きる 他者 場
人間とは?生きるとは?自分にとって他者とは?他者と生まれる場とは?
自由が阻害された、ある隔離された閉鎖的で不条理な場がある。
そこに何かが投入される。それは、生命感みなぎる自由な何か。
それは小さい水しぶきから始まって、小さな波紋となり、波紋はさざ波となり、津波となり、大津波となり、波は増幅されながら伝わる。
波の伝播は、生命とか人間の奥底を呼び起こして奮い立たせる力がある。
不条理に抑圧された人間。その人間性や魂のようなものが動き出す。
思いがけない方向に場はすべて変化していって、大きくうねって、ついには大きな衝突を迎える。
そこで起きる核融合や核爆発のような強大なエネルギー。
それはまさしく、人間とは何か、生きるとは何か、そういうものを訴える。
主人公ランドル・マクマーフィー役のジャック・ニコルソンの演技は神がかってると思う。
脇役の演技も全てが凄い。
演技という場の中で、お互いがお互いの刺激を受けて映画ができているのを感じる。
それにしても久々に茫然自失としました。
『カッコーの巣の上で』の原題は、「One Flew Over the Cuckoo's Nest」
もともとの由来はマザー・グースの詩らしい。
-----------------------
Vintery, mintery, cutery, corn,
Apple seed and apple thorn;
Wire, briar, limber lock,
Three geese in a flock.
One flew east,
And one flew west,
And one flew over the cuckoo's nest.
-----------------------
Cuckooは精神病を患う人を侮蔑する俗語。
そこからflew overだから、イメージとしては飛び立つっていう意味があるみたい。
だから、「カッコーの巣の上で」っていう止まったイメージより、「カッコーの巣から飛び立って」みたいな、動くイメージの映画だと思う。
巣立つというイメージがぴったり。
それは、人の偏見や管理や差別や。
そういうものからの魂の自由を求めて巣立つようなイメージだろう。
すごくいい映画でした。何度も見たくなる。
(補足)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もともとは、宮崎あおいの『好きだ、』を借りるときに、『カッコーの巣の上で』も借りたわけです。
あまりのインパクトに宮崎あおいの演技もかすんじゃいましたが(笑)
まあ比較するようなジャンルでは全然ないんだけど。
勿論、宮崎あおいの演技も素晴らしいと思った。
目の女優。目の表情がいい。
日本の作品ってこういう繊細な作品が多くて、好き。
大味じゃない繊細な味。塩加減のほんの細かいレベルにこだわる。
この前のトップランナーでの宮崎あおいの演劇論に感銘を受けて、その宮崎あおいの演技を見てみようかと思って、『好きだ、』をツタヤに借りに行ったのです。
あと1本くらい借りようかと思って、ふと目に入ったのがこの作品。
なんとなく古くて、時代に色褪せないイイ作品を見たいって気分でもあった。
『カッコーの巣の上で』は、中1のときにWOWOWで偶然に親と見た薄い記憶がある。
終わり方が衝撃で、かなり気まずくなった空気感と、『なんだかすごい』と思った思い出が混ざってる。
この二つしか覚えてなかった。
何らかの衝撃波を受けたってこと以外何一つ覚えてなくて、細かい内容も忘れてた。
精神医学の教科書でも、この映画が時々引用されたりする。
だから、気にはなってた。
・・・・・・・・・・・
見終わったあと。
衝撃。唖然。困惑。感動。混迷。涙。呆然。
■1975年
『カッコーの巣の上で』って1975年のアカデミー賞受賞作。1975年って33年前?!自分が生まれる前にこんなすごい映画出てたの?見終わった30分くらいは呆然自失とした。
目から残像が消えなかった。
舞台は精神科の閉鎖病棟。
テーマは、人間の尊厳、自立、管理社会、自由、友情・・・全部ひっくるめて全部という感じ。部分に還元できないものがある。
ヒューマニズムの映画は、もともと好きなんだけどこの映画は素晴らしい。
■人間 生きる 他者 場
人間とは?生きるとは?自分にとって他者とは?他者と生まれる場とは?
自由が阻害された、ある隔離された閉鎖的で不条理な場がある。
そこに何かが投入される。それは、生命感みなぎる自由な何か。
それは小さい水しぶきから始まって、小さな波紋となり、波紋はさざ波となり、津波となり、大津波となり、波は増幅されながら伝わる。
波の伝播は、生命とか人間の奥底を呼び起こして奮い立たせる力がある。
不条理に抑圧された人間。その人間性や魂のようなものが動き出す。
思いがけない方向に場はすべて変化していって、大きくうねって、ついには大きな衝突を迎える。
そこで起きる核融合や核爆発のような強大なエネルギー。
それはまさしく、人間とは何か、生きるとは何か、そういうものを訴える。
主人公ランドル・マクマーフィー役のジャック・ニコルソンの演技は神がかってると思う。
脇役の演技も全てが凄い。
演技という場の中で、お互いがお互いの刺激を受けて映画ができているのを感じる。
それにしても久々に茫然自失としました。
『カッコーの巣の上で』の原題は、「One Flew Over the Cuckoo's Nest」
もともとの由来はマザー・グースの詩らしい。
-----------------------
Vintery, mintery, cutery, corn,
Apple seed and apple thorn;
Wire, briar, limber lock,
Three geese in a flock.
One flew east,
And one flew west,
And one flew over the cuckoo's nest.
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Cuckooは精神病を患う人を侮蔑する俗語。
そこからflew overだから、イメージとしては飛び立つっていう意味があるみたい。
だから、「カッコーの巣の上で」っていう止まったイメージより、「カッコーの巣から飛び立って」みたいな、動くイメージの映画だと思う。
巣立つというイメージがぴったり。
それは、人の偏見や管理や差別や。
そういうものからの魂の自由を求めて巣立つようなイメージだろう。
すごくいい映画でした。何度も見たくなる。
(補足)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もともとは、宮崎あおいの『好きだ、』を借りるときに、『カッコーの巣の上で』も借りたわけです。
あまりのインパクトに宮崎あおいの演技もかすんじゃいましたが(笑)
まあ比較するようなジャンルでは全然ないんだけど。
勿論、宮崎あおいの演技も素晴らしいと思った。
目の女優。目の表情がいい。
日本の作品ってこういう繊細な作品が多くて、好き。
大味じゃない繊細な味。塩加減のほんの細かいレベルにこだわる。
過去のアカデミー賞のハシゴするだけでも、結構見てないの多いんだろうな~と分かる。
正直、いろんな分野で、映画が一番疎いかも、わたし。
ちょうど、宮台真司のダヴィンチ誌上での映画批評を集めた『〈世界〉はそもそもデタラメである』が出たので早速見てたのだけど、1/10も見てないもの。
ちなみに、RYM氏おすすめの「ダークナイト」
http://blog.livedoor.jp/daiyoji/archives/65088717.html
も、もうすぐDVDだね。全米ではタイタニックに次いで歴代観客数2位なんだってね。
で、ちなみに、『好きだ、』は事前のプロモDVDも買って、劇場にも行きました。…つくづくファンです。
宮崎あおいはつくづく表情役者だと思う。
だから、舞台とか全身で表現するものよりも、
CMとか、詩的な映像表現の方がいきてる気がする
(クノールや緑水など)。
Is氏だったら、間違いなく『カッコーの巣の上で』ドンピシャにはまると思うよ。ていうか、やっぱ20代後半くらいにならんと、この映画の良さは分かりにくいと思うよ。大学生くらいの時はまだ難しかったかもしれん。
是非見てみて!感想共有しよう!
イイものはドンドン意識的に共有していきたい!
確かに過去のアカデミー賞のハシゴするだけでも、映画の歴史みたいな勉強になる気がするよね。アカデミー賞とるのは、ノーベル賞と同じでそれなりに理由がないと絶対とれんわけだし。ノーベル文学賞とかも、結構読んでないのばっかりなんだよね。
わしも、映画はかなり疎い。
マンガが異常に好きな人ってそういう人多い気がする。マンガは読むけど、アニメとかも結構疎いし。
ま、その中でも極上に感じ入ったのあればドンドン共有していきましょう。
「ダークナイト」も映画は行き損ねたから、レンタル化されるの楽しみにしてる。
『好きだ、』を、そこまで「好きだ。」ってのもすごい笑
宮崎あおいは表情役者だねー。俺はあの切ない目線と明るいはつらつとした目つきとか大好きよ。
確かに、CMとか、詩的な映像表現の方が生きるってのはわかる気がする。
でも、あの子ポテンシャル高そうだから、周りにいい影響与える人がいれば、際限なく成長しそうな予感もある。あんだけメジャーになると、色んな人がいろんな思惑で寄ってくるから、周りにダメにされないように、ホンモノと一緒にずっと高めあってほしい!