日常

心の駆動力

2016-09-20 13:04:07 | 考え
次号のYogini(Vol.54 9/20発売)で、<プラーナを科学的視点で見てみると>という難しいお題をもらった。
プラーナはヨガやインド哲学用語なので、その用語の定義を解説したりせずに、その言葉が指し示す本質の方を書いてみました。
科学的とか、科学で証明された、という話はよく聞きますが、そもそものの<科学>自体が指し示す本質の方を書いてみました。
指の先を見るのではなく、指の先が指し示す月の方を見るように。


他のページでの自分の連載記事には、映画「SONG of the SEA」と、「愛」に関して書いている力作なので是非読んでほしいです。
その後の田中律子さんの記事と、不思議に呼応していて驚きました。
「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」(2016-08-22)


・・・・・・・・
次号のYogini(Vol.54 9/20発売)でも述べましたが、人は、肉体、食べ物、水、お金、、、、など、物質的なものが満たされても、健康や幸せや満足や調和は得られないということは大事なことだ。
なぜなら、体を維持するのは食による物質のエネルギーだが、人間の心には異なる質のエネルギーが必要だから。

医療現場でも、薬や手術など物質的なレベルでの医療が成功しても幸せを感じられない人が大勢いる。
それは心にエネルギーが不足しているからだ。
心のエネルギーは物質ではない。だから目には見えない。

感動する心、美しいと感じる心、、、、生きがいを感じる心には、その基礎となる心のエネルギーが必要だ。心の駆動力として。
それが芸術や文化となっている。 
伝統芸能や現代芸能、舞踊、絵画、音楽、ファッション、テレビ、映画、漫画、、、、、色々なものがある。

自分の心に響いた時に受け取る「感動」や、「言葉にならない何か」は、間違いなく自分が「何か」を受け取っている証拠として起こる身体感覚で、そうしたものが心のエネルギー源になっている。

その両輪がないと、人はバランスを崩して危険信号が発動するようにできているみたいだ。うまくできている。

毎日ご飯を食べるように、文化や芸術は人間に欠くことが出来ないものだと思う。
そうした文脈で、ヨガの<プラーナ>のことを述べた。

体を意識しすぎている人は、心にも注意を向けてバランスを。
心を意識しすぎている人は、体にも注意を向けてバランスを。
体と心が人の生命を骨格のように支えているから。



素晴らしい映画や素晴らしい能楽を見て、ふとそのことを思い出した。

○ヨガ雑誌 Yogini 
 公式ページ 
 Facebookページ

映画『あなた、その川を渡らないで』(2016-09-17)

『はじめて能 花鳥風月の心』(2016-09-19)