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ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

京極夏彦『覘き小平次』中央公論新社

2005年09月27日 | reading
ネタバレ一応注意。

なんて言うんでしょうね。「時代ホラー」かな。『嗤う伊右衛門』の「続編」ではないですが、シリーズではあるでしょう。古典怪談に人間ドラマを絡めた京極流解釈です。
で、伊右衛門の方は原点に対する知識、イメージがあったので、そういうものが覆される快感・感動があったのですが(eternal loveはどうかと思うが)、この作品の原典をまったく知らないので、なんというか大きな感興もないままストンと物語が入ってきてしまう感じでした。主人公のキャラクタ、お塚のオンナっぷりなど見所はいろいろあるかと思いますが。
うーん…正直あまり感想らしい感想もないっすね。つまらないわけでは決してないですが…。
綺麗な文章があったので引きます。

《小平次は笑った――ように見えた。勿論外見上の変化はない。それは菖蒲が戦いだだけだったのかもしれない。濃密な、水の匂いがした。》(223p)

作品の評価はCプラス。

4120033082覘き小平次
京極 夏彦

中央公論新社 2002-09
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