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都筑道夫『都筑道夫コレクション《本格推理篇》 七十五羽の烏』光文社文庫

2006年07月19日 | reading
ネタバレ一応注意。

表題の長編と、代表三シリーズの短編を収録。
表題作に関して。章題に小見出しを付ける手法は倉知淳『星降り山荘の殺人』の源流だし、ミステリとしてのプロットにも評価するべき点があるのだと思う(この長編好きなのは西澤保彦だったっけな)。しかしぶっちゃけ、独特の文章があまりにも読み難くて、評価するまでに至りませんでした。なんとか読みきった、という感じ…読み手としての力量が足りなかったです。しかし西村京太郎なんかもそうだけど、年配の作家ってのはどうしてこうもやたらと読点を打ちたがるのだろう…(負け惜しみ)。
「キリオン・スレイ」、「退職刑事」の代表シリーズの短編に関してはまだ読めた。特に後者はアームチェア・デテクティブものとしてやはりよく出来ていると思う。前者に関しては、「空腹幽霊」のお咲の「無知」を論理に組み入れるあたり、明らかな手落ちだが。「溶けたナイフ」は良かった。しかし「なめくじ長屋」のシリーズはもう…正直なにがなんだか分からんかったな。このクセのある文体で時代物書かれたらギブですわ。

作品の評価はC。

七十五羽の烏 ―都筑道夫コレクション<本格推理篇>七十五羽の烏 ―都筑道夫コレクション<本格推理篇>
都筑 道夫

光文社 2003-03-12
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