urt's nest

ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

多田文明『ついていったらこうなった』彩図社

2006年07月22日 | reading
ネタバレ特になし。

たまにはこんなの読んでもいいじゃない。
キャッチセールスに自分から引っ掛かりに行くルポルタージュ…のハズだったのですが、どうやらこの人、ナチュラルに騙されてるw。普通に携帯の契約させられてるし、結婚相談所には入会してるし、文○社商法にカモられてるし(泣ける)、悪徳プロダクションにもしっかり所属しちゃってるぢゃん!
てかね、エキストラとフリーライタを兼任して(それってつまりプータローでは…)、「油つぼリンカーン」(!)なるペンネームでエキストラの内幕を書いた初めての著書を出版、てこの人の経歴じたいが結構なツッコミ所だと思うよ。硬派な知性も、かといってユーモアもない筆致で、ルポとしての読み応えはありませんでした。キャッチセールスの構造的な分析も、悪徳業者への激しい糾弾も、コケにするためのユーモアも、期待していたもの残念ながらここにはなかった。これならインパルスのDVDで、板倉が幸運のキーホルダー売ってる業者にイタ電かけるネタのが遥かに面白かったな。
苦情の電話を掛けさせたら《私は電話を切った。完敗である。》(59p)とか言っちゃうしw、《かくいう私も不惑の年を目前に控え、勧誘されるがまま今年の夏に結婚相談所に入会をした。大手だから結婚できるかもしれないと思ったのが間違いだった。》(225p)とかって泣けるし。筆者のダメっぷりを楽しむのが正しい読み方かもしれませんね。

作品の評価はC。

ついていったら、こうなった―キャッチセールス潜入ルポついていったら、こうなった―キャッチセールス潜入ルポ
多田 文明

彩図社 2005-12
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