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田母神前空幕長問題ー自公政府の指揮・監督責任/自衛隊の幹部教育/佐藤正久自民議員への献金-

2008-11-16 12:28:01 | 国内政治
主張
前空幕長問題
指揮・監督の責任が問われる

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 任命責任だけでなく、指揮・監督の責任が問われる―日本が侵略国家だったというのは「濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)」だといい、戦前のアジア侵略を否定した田母神(たもがみ)俊雄前空幕長が在任中、職務権限を使って、憲法や政府方針に反する内容を教育していたことが、問題になっています。

 日本共産党の井上哲士議員が、十一日の田母神氏自身への追及に続いて、十三日には麻生太郎首相に重大な問題だと指摘したのに対し、首相も「不適切だ」「(幹部教育は)バランスの取れた内容に」と答えました。首相が本当にそう思うなら、指揮・監督の責任を取り、隊員教育を是正すべきです。

侵略正当化の幹部教育
 日本が侵略国家だったというのは「濡れ衣」だという田母神前空幕長の論文は、戦後の日本と国際社会の成り立ちそのものを根本からひっくりかえす危険な主張です。田母神氏が同じ主張を以前からくりかえしているのに、防衛省が「チェックできなかった」というのは無責任な言い訳にすぎません。

 田母神氏を空幕長に任命した政府は、更迭しただけで懲戒免職の根拠法が見当たらないかのようにいっていますが、最高法規である憲法の尊重擁護義務違反をことさら軽く扱う政府の姿勢こそ問題です。自衛隊への甘い態度に批判が噴出するのは当然です。

 しかもその田母神氏が、隊内での講話や幹部自衛隊員を対象にした教育で、アジア侵略を正当化した論文と同じ内容を教え込んだのを放置しておけば、それこそ第二、第三の「田母神」自衛官が生まれかねません。異常な教育を根本から是正し、憲法と政府方針をないがしろにする自衛隊内の危険な風潮を一掃することが急務です。

 田母神氏が空幕長時代のことし一月三十日、熊谷基地で行った講話では、政府の防衛政策の原則である「専守防衛」を「検討されなければいけない」とか、戦前の海外派兵を「侵略のためではない」と教えています。空自隊員の教育指導にあたる准曹士先任九十人にも、「東京裁判やいわゆる南京大虐殺にも触れながら戦後教育の危うさや自虐史観を指摘」(「朝雲」四月三日付)し、持論を教え込んでいます。これらは氷山の一角です。

 しかも田母神氏は、空幕長になる前の自衛隊統合幕僚学校長時代には、「歴史観・国家観」の講義を新設し、憲法・教育基本法の問題点、大東亜戦争史観、東京裁判史観などを課題にしました。井上議員の調べでは、二〇〇六年の講師は侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」の福地惇副会長です。同氏は講義で、「『自存自衛』のための止むを得ない受身の戦争」だったとか、「現憲法体制は論理的に廃絶しなくてはならない虚偽の体制」とまで教えています。

全容をただす必要がある
 防衛省は講師名の公表には「本人の了承が必要」などと言い訳していますが、国家公務員、とりわけ戦争実施部隊である自衛隊幹部を教育するというのに、秘密にしなければならないような者を講師にすること自体が問題です。

 田母神氏を「定年退職」させ早期に幕引きをはかるだけでは、田母神氏が教え込んだ侵略戦争美化の「毒素」が残るだけです。軍部の暴走をくりかえさせないためにも、問題の全容を明らかにすることが不可欠です。首相はそのために責任を果たすべきです。

侵略美化 受講400人
田母神氏03年設置 自衛隊の幹部教育
井上議員質問

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(写真)質問する井上哲士議員=13日、参院外交防衛委

 田母神俊雄前航空幕僚長が統合幕僚学校長時代に新設した「歴史観・国家観」講義を受講した幹部自衛官が約四百人に達することが十三日の参院外交防衛委員会で明らかになりました。日本共産党の井上哲士議員の追及に浜田靖一防衛相が答弁したもので、侵略戦争美化、憲法破壊の考え方を教え込む幹部教育が、隊内で大規模に進められていることがはっきりしました。

 講義が新設されたのは二〇〇三年度。田母神氏は十一日の同委員会で、自身が設けたことを井上氏に対し認めています。

 浜田防衛相は、その受講者数が、陸・海・空の自衛隊別にそれぞれ百四十人、百三十人、百二十人だと明らかにしました。

 井上氏が示した防衛省資料によると、同講座の「主要教育内容」は「現憲法及び教育基本法の問題点」や「大東亜戦争史観」などですが、講師の名前は黒塗りにされています。

 井上氏は、講師を務めたことを明らかにしている大正大学の福地惇教授(「新しい歴史教科書をつくる会」副会長)の講義内容が「満州事変・満州建国は日本の侵略ではない」「偽装歴史観に裏付けられた平和憲法=『GHQ占領憲法』」などであると指摘。「田母神氏が今回、論文で明らかにした中身が幹部教育で教えられている」と迫りました。

 麻生太郎首相は「(講義)内容を把握していない。お答えしようがない」と答弁。井上氏は、そうであれば、いっそう講師の氏名、講義内容の資料提出が必要だと求め、北沢俊美委員長(民主党)も「黒塗りで出すとは防衛省の見識を疑う。即刻明らかにすべきだ」と述べました。

 井上氏は「田母神氏は更迭されたが、第二、第三の田母神氏をつくる仕組みは残っている」と批判、幹部教育の全容を明らかにし、その是正を強く求めました。

佐藤正久自民議員に献金
自衛隊 現職幹部が支える構図
田母神氏

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 「日本は侵略国家ではない」などとする懸賞論文を投稿し更迭された田母神俊雄・前航空幕僚長ら陸海空の幹部自衛官が昨年、元一等陸佐で、イラク派兵の先遣隊長を務めた佐藤正久参院議員(自民党)の資金管理団体に献金をしていたことがわかりました。元幹部自衛官の議員を、現職幹部がこぞって支えている構図です。

 佐藤議員は二〇〇七年七月に初当選。資金管理団体「さとう正久を支える会」の政治資金収支報告書(二〇〇七年分)によると、田母神氏が同年六月七日に十万円を、折木良一・陸上幕僚長が翌八日に八万円を献金。職業は「公務員」となっています。一等海佐や一等陸佐ら幹部自衛官五人とみられる名前もあります。

 自衛隊法は自衛隊員の政治的行為を禁止しています。同法施行令は政治的行為を「寄付金その他の利益を提供し…隊員の地位に関して何らかの利益を得、もしくは得ようと企てること」「政治的目的のために公私の影響力を利用すること」などと定義しています。

 防衛省は自衛官の献金について「政治的行為ではなく個人的な行為。影響力の行使につながることはありえず、職務の政治的中立性を損なうことはない」と説明。佐藤議員の事務所も「法的に問題はない」としています。

(出所:日本共産党HP 2008年11月14日(金)「しんぶん赤旗」)
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2 コメント

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Unknown (名無し)
2008-11-23 22:42:07
 日本が侵略国家だったというのは「濡れ衣」だという田母神前空幕長の論文は、戦後の日本と国際社会の成り立ちそのものを根本からひっくりかえす危険な主張です。


 安全な日本を一時期混乱の淵に追い込んだ共産主義思想に比べれば幾分安全なのでは・・・
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田母神さんの個人的思想が問題ではない! (くろねこ)
2008-11-16 21:37:38
東西さんこんばんは。

左翼連中が赤旗のようなアホ言ってどうする
本当に取り返しのつかない事になるぞ

田母神さんの個人的思想が問題ではない。
そんなもんは自由だ。

 アパホテル夫婦から接待など受けて、アパ夫婦や田母井さんたちが自衛隊を私物化していることが問題なの。

 自衛隊の指揮命令系統が崩れる。自衛隊幹部が政治の言う事は聞かなくて、一民間人であるアパホテルの社長夫婦の言う事を聞き、自衛隊を動かす事が大きな問題。(もちろんアパ夫婦と森元総理と安倍ちゃんも同罪)

 今回の件で、歴史認識などで誤った批判をすると…
国が滅びるぞ。

どうして分からないんだ???
  
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