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消せない:児童ポルノと性犯罪/2 学校で教諭が盗撮20年

2008-06-21 02:28:18 | 国内社会
 消せない:児童ポルノと性犯罪/2 学校で教諭が盗撮20年

 ◇これで軽犯罪
 あの事件が起きなければ、教諭は今も罪を重ねていただろう。

 昨秋のある夜、大阪府柏原市の小学校。警備員の男(30)は男性教諭(53)の机やロッカーを物色した。以前巡回で見つけた「ある物」が目当てだった。

 盗んだのはビデオテープと写真。プール授業の着替えや身体測定の際に盗撮された女児の裸や下着姿だった。警備員は画像をDVDに複写し、メモを添えて教諭の引き出しに入れた。「一人デミテクダサイ。カンソウハ」

 翌朝、教諭がメモに記されたアドレスにメールを送ると「いくら準備できますか。今までと変わらず良い夫、良い父、良い先生でいられるんですよ」と返信が来た。教諭から相談を受けた大阪府警は、警備員を恐喝未遂容疑で逮捕した。

児童をはぐくむための学校で、盗撮は繰り返されていた 府警は警備員宅などの捜索でビデオ6巻と写真約500枚を押収。教諭による児童買春・児童ポルノ禁止法違反を視野に捜査を始めた。教諭は調べに、約20年前から盗撮していたことを認め「盗撮投稿本を見て、この程度なら自分でもできると思った」と供述した。

 教諭は国立大を卒業後、81年に教員採用された。指導熱心と評価は高く、香港の日本人学校にも派遣された。休日には自然保護活動に加わり、植林などに精を出した。

 デジタル機器に詳しい教諭は視聴覚担当として重用された。授業で児童にパソコンの使い方を教え、行事では撮影係。その技術を悪用、盗撮と画像整理に興奮を覚えた。発覚1カ月前にも授業で児童に水鉄砲を使わせ、教室でぬれた服を着替えるよう指示。隠しカメラは隣室のビデオデッキに接続されていた。

 だが、捜査は行き詰まる。教諭は既にパソコンから画像を消し、他人に提供した形跡もない。現行法は自分で見るための単純所持は禁止されていない。単純製造罪は児童に性的なポーズを取らせた画像に限られ、適用できない。結局、軽犯罪法違反容疑などで書類送検、1万円未満の科料処分で終わった。捜査員は「法律の不備だ」と悔しそうに話す。

 その後、教諭は懲戒免職となり教員免許を返納し、姿を消した。

 柏原市教委は児童に動揺が広がらぬようカウンセラーを派遣。教職員は校内を総点検し、安心して登校するよう呼びかけた。ある母親は言う。「うちの娘が被害者でない保証はないんです。いつかネット上に出回り、本人が見つけてしまったらと思うと……」。誰が写されていたのかは、明らかにされていない。=つづく

英訳

(出所:毎日新聞 2008年6月3日 東京朝刊)
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