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麻生・自公政権の地球温暖化対策ー国際的には90年比なのに、国内の総選挙を意識して05年比で誤魔化しー

2009-06-12 00:23:57 | 国内社会
中期目標 90年比8%減
(05年比15%)
日本の温室効果ガス削減
先進国の最低水準
首相が発表

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 麻生太郎首相は10日、2020年までの日本の温室効果ガス排出量削減の中期目標を05年比で15%にすると発表しました。これは、温暖化対策の国際交渉で基準となってきた1990年比で、わずか8%。主要先進国で、ほぼ最後に最低水準の目標を出したとして、内外の厳しい批判を招くことは必至です。13年以降の新たな温暖化対策に日本は本気で取り組む覚悟があるのかが問われます。

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 この目標は、政府が検討対象として出した6案のうち、低い方から3番目にわずかに上積みしたもの。97年採択の京都議定書で日本に課せられた「08~12年期に90年比6%減」の目標を2ポイント上回るだけという、他に例のない数値です。

 麻生首相は、低い目標への批判を意識し、「削減量が大きければ大きいほどいい」とするのは「精神論」だと非難。「裏打ちのない目標にはしない」とし、日本の排出量の8割を占める産業界の削減策を示さない一方で、「国民に相応の負担をお願いする」と強調しました。

 政府は当初、90年を基準年として目標案を示していましたが、今回、見かけの数字を大きくするため、05年を基準年として発表しました。

 90年以降、排出量を減らしている欧州連合(EU)諸国は、05年を基準年とすると見かけの中期削減目標は小さくなり、逆に増やしている日本などは、見かけの削減目標が大きくなります。このやり方には、「数字遊びはやめよ」と批判が出ています。

国際社会で到底通用しない
志位委員長が批判

 日本共産党の志位和夫委員長は10日、都内で記者団から麻生首相が発表した温室効果ガス排出量の中期削減目標について問われ、「このような目標は到底、国際社会に受け入れられるものではない」「(京都議定書を決めた京都会議の議長国として)責任を果たすことにまったくならない」と厳しく批判しました。

 志位氏は、国際的に1990年比で削減努力をおこなっているにもかかわらず、それを2005年比に勝手に変えたやり方について「到底、通用しない」とのべ、目標数値についても、「これでは2020年まで何もしないことと同じだ」と強調。日本共産党が主張しているように、90年という基準年をしっかりさせて、30%という目標をはっきりさせることが必要だと力説しました。

 また、今回の政府発表の背景について問われた志位氏は、「財界の意向に屈従したということだ。ヨーロッパでは経済界とも交渉し、経済界自体も積極的に行動する動きがあるが、日本では財界が非常に後ろ向きで、それに政府も引きずられている」と指摘しました。

国民に負担かぶせるな
非化石エネルギー関連2法案 吉井議員が反対討論

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 非化石エネルギー関連2法案(エネルギー供給構造高度化法案と石油代替エネルギー法改定案)は民主党と与党との修正を経て10日、衆院経済産業委員会で採決され、賛成多数で可決されました。日本共産党は独自に修正案を提案し(賛成少数で否決)、原案、修正案には反対しました。

 採決に先立つ討論で日本共産党の吉井英勝議員は「今日、化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換は喫緊の課題だ」とのべつつ、両法案に重大な問題があり賛成できないと表明しました。その理由として(1)国民の権利義務にかかる内容を経産省に白紙委任、丸投げする(2)「非化石電源」の美名のもとに原発を大規模に推進する(3)法的根拠もないまま電気料金に上乗せして国民に負担をかぶせる―の3点を問題点としてあげました。また、民主党と与党による修正案については「政府案の根本的欠陥を是正するものとなっていない」と批判しました。

主張
中期目標政府決定
地球環境を守れない自公政権

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 温室効果ガス排出量を削減する2020年までの中期目標について、政府が05年比「15%減」(1990年比「8%減」)を決定しました。これは地球温暖化を防ぐ目的に照らしてまったく不十分です。期限まで半年を切った排出削減の国際交渉では通用せず、国際的にいっそう孤立しかねません。

 政府決定に環境団体や広範な国民から厳しい批判が上がっています。麻生太郎首相と自公政権に、地球温暖化を防ぐ日本のかじとりができないことは明らかです。

本末転倒の検討

 政府は今回の決定で、削減目標の基準年を90年から05年に変更しました。日本は90年以後も排出量を増加させてきたため、05年比では見かけ上削減幅を大きくできるからです。削減幅を“偽装”しても温暖化を防ぐことはできず、国際交渉をより困難にするだけです。

 日本は2050年までの長期目標で60~80%の削減を掲げています。90年比「8%減」の中期目標は長期目標を達成する見通しを欠き、無責任のそしりを免れません。

 「8%減」は既存の省エネ技術を最大限に普及すれば達成できるとされています。温室効果ガスの排出を大幅に抑え、温暖化を防止する目的を見失った本末転倒の議論です。

 国連などの専門家からは、中期目標として先進国全体で25~40%削減することが求められています。この科学的要請を満たすには、化石エネルギーを大量消費する経済のあり方を転換し、名実ともに「低炭素社会」をめざさなければなりません。

 ところが、政府は中期目標の検討にあたって経済のあり方を吟味せず、それには手をつけないことを前提にしてきました。排出量の削減には最大の排出部門である発電などエネルギー転換部門の対策が不可欠です。そこにメスを入れないままで、新たな地平を開く対策はできません。

 政府の検討はもっぱら対策に必要なコストを議論の的にしており、高い削減量をめざすことは国民生活に悪影響が大きすぎるとの印象をふりまいてきました。

 対策の検討にあたって、産業界が眼目にしたのは「国際的公平性」の確保です。コスト増で大企業の「国際競争力」が損なわれないようにするためです。

 政府が選択肢として6案を発表して2カ月弱、環境悪化を懸念する多くの国民が高い削減量を求め、これを押しとどめたい産業界との間で綱引きが続きました。「8%減」は両者の中間をとったかにみえます。しかし6案全体がもともと偏っていました。日本経団連が要求した「4%増」は論外ですが、「7%減」も経済同友会の提言に盛り込まれた通り、産業界が進んで許容する枠内にあります。

決定は見直しを

 目的を見失った主張では国際交渉は乗り切れません。とりわけ今後の交渉では、中国やインドなど急速な経済拡大を進める途上国も参加できる枠組みをつくることが焦点の一つとなっています。先進国の責任を果たそうとしない日本の目標では、リーダーシップどころか交渉の障害になるだけです。

 日本共産党は、先進国の歴史的責任にたって、90年比30%削減を掲げるよう主張してきました。

 政府は決定を見直し、高い目標を設定し直すべきです。

(出所:日本共産党HP  2009年6月11日(木)「しんぶん赤旗」)

自然エネルギーの普及には?

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 〈問い〉 原発依存から抜け出す上でも、地球温暖化を防ぐためにも、自然エネルギーの普及が必要と思います。日本共産党は、自然エネルギーの普及のために何をするべきだと考えていますか?(東京・一読者)

 〈答え〉 風力や太陽光・熱、地熱、小水力、波力や、あるいは畜産や林業など地域の産業とむすんだバイオマス・エネルギーなどは、地域に固有の自然エネルギー源です。こうして得られる電気やガスを販売することで、地域に新たな収入が生まれ、地域経済の活性化にも貢献します。事業の成果や副産物を地元に還元し、雇用や技術、資金の流れを地元に生み出す可能性ももっています。

 自然エネルギーの普及のためには、自然エネルギーの普及に取り組んでいる人たちの声を反映させ、意欲の出る制度に改善することが大事です。そのためには、導入目標を大幅に引き上げることが不可欠です。

 「新エネ利用特別措置法」では電力会社に、新エネルギーによる一定量の発電を義務付けていますが、その目標は、2010年でわずか1・35%にすぎません。同年までに、ドイツは自然エネルギーによる発電を10・3%、イギリスは9・3%、EU全体では12・5%、アメリカのカリフォルニア州では20%を目標としています。

 日本でも、小水力による発電実績は03年度で8・4億キロワット時に達しており、政府が10年度の小水力・地熱による発電目標とした数値(7億キロワット時)をすでに突破しており、小水力をはじめ自然エネルギーの開発可能性は十分あります。せめて発電量の10%程度を自然エネルギーによってまかなう目標に引き上げるべきです。

 固定価格による電力の買い取りも必要です。固定価格での買い取りは、デンマークやドイツ、スペインで実施されており、自然エネルギー普及に大きな効果があります。採算の見通しがたたず、事業化の障害になっています。初期の投資がかさむだけに、採算面で長期的な見通しがたってこそ、普及の意欲を引き出すことができます。

 日本の現状にあった研究開発を促進することや、エネルギー予算のゆがみをただして自然エネルギー促進のための財源の充実をはかることが求められます。(政)

(出所:日本共産党HP 2005年9月14日(水)「しんぶん赤旗」)

エネルギー事情が厳しくなっても原発に反対?

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〈問い〉 中国経済の成長などでエネルギー事情は逼迫(ひっぱく)してくると思います。共産党は原発に反対のようですが、今後もそうなのですか?(東京・一読者)

〈答え〉 エネルギーは経済・社会の存立の基盤であり、その供給確保は重要な課題です。日本のエネルギー政策で問題なのは、約7%という低い自給率なのに、その向上に真剣に取り組まず、技術的に未確立な原発を基本としていることです。安全優先と自給率向上へとエネルギー政策を根本的に転換することが必要です。

 原子力の発見は、新たなエネルギーを利用する可能性に道を開いたという意味で重要なものであり、日本共産党は、将来、安全な方法で原子力の平和利用が実現される可能性を否定するものではありません。しかし、いまある原発については、その危険性を踏まえ、段階的に撤退すべきだと考えています。

 原発は、もともと原子力潜水艦用の動力炉として開発されたものを、十分な安全性の保証がないまま発電用に転用したものです。そのため、原子炉内の放射性物質が大量に外部に放出される過酷事故の可能性、使用済燃料などの放射性廃棄物の処理・処分方法の未確立など、重大な問題を抱えています。

 また、日本では、原子力の安全規制行政を原発推進の経済産業省が担っています。推進機関から独立した規制機関の確立を求める国際原則に反するものであり、国民の安全に責任を果たすことができません。

 風力、太陽光・熱、地熱、小水力、波力、バイオマス(木くずや生ごみなど)といった自然エネルギーは、日本の国内に膨大な潜在量があります。政府資料をもとに評価しても、現在の年間電力使用量の十倍以上にのぼります(吉井英勝衆院議員の試算=注)。環境に配慮した自然エネルギー源の開発・活用に本格的に取り組むことが必要です。

 あわせて、地球温暖化など地球規模での環境問題を解決するためには、生産から消費まですべての面で浪費を排除し、利用効率も向上させ、省資源・省エネルギー社会をめざすことが求められます。(剛)

 自然エネルギーの潜在量 吉井英勝衆院議員の試算によれば、太陽光・風力・マイクロ水力・バイオマスの合計で11兆kW時。これは2002年度の年間電力消費量9447億kW時の11・6倍、原発2947億kW時の37倍。

(出所:日本共産党HP 2005年8月3日(水)「しんぶん赤旗」)
コメント (9)
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