消費増税反対600万超
各界連署名 日ごとに広がる
生活苦増す 一時的な給付金もらっても
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消費税廃止各界連絡会のとりくむ消費税増税に反対する請願署名が六百万人を突破しました。同連絡会は「一日も早い一千万人を」とよびかけています。
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「経済危機対策」などのつけを「三年後」の消費税増税でまかなう麻生内閣に国民の怒りは増し、署名は日増しに広がっています。
消費税廃止各界連絡会が二十四日に東京・JR新宿駅西口でおこなった宣伝署名行動。五十六歳の男性は、「生活が苦しくなっているのに、なぜ消費税を増税するのか」と署名。五十歳代の女性は、請願署名にある「緊急に食料品などくらしにかかる消費税を減税する」の項目をみて「大賛成」とペンを走らせました。「一時的な定額給付金をもらっても、消費税が増税されたら、もっと支出が増えてしまう」と七十歳の女性は強い口調で怒りを示しました。
共同通信社の世論調査(二月)では、二〇一一年度までに必要な法整備をし、経済状況を見極めた上で消費税を引き上げる麻生内閣の方針に、68・5%が「評価しない」と回答。「読売」調査(二月)でも「評価しない」が61・6%で、六割を超える国民が消費税増にノーを示しています。
各界連の構成団体である全国商工団体連合会は一貫して消費税増税に反対する署名に取り組み、二百五十六万人を超えています。各界連などでは昨年十一月、五百万人を超し、この間に百万人分が増えました。月二十万人のペースです。
“社会保障のため”はウソ
消費税廃止各界連絡会は二十四日、消費税増税に反対する請願署名推進の全国いっせい宣伝行動をしました。
東京では、JR新宿駅西口で消費税廃止各界連絡会の構成団体の代表がマイクを握り、「消費税増税は“社会保障のため”というのはうそ、ごまかし。大企業減税、軍事費、無駄遣いを見直せば、社会保障の財源はある」と訴えました。日本共産党は大山とも子都議が訴えました。
消費税をなくす会も同日、全国でいっせい宣伝をし、東京ではJR巣鴨駅で全国の会、東京の会が宣伝行動をしました。
(出所:日本共産党HP 2009年4月25日(土)「しんぶん赤旗」)
’09 選択 税金は「負担能力に応じて」がルール
経済危機 庶民応援 世界の流れ
共産党「減税こそ必要」
自民・民主 消費税増税頼み
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経済危機のもと、日本共産党は「暮らしを応援する減税こそ必要」「税金は負担能力に応じて」と訴えています。世界の流れからみても当然の主張です。
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欧州は消費税減税
経済危機が家計を直撃しています。
内閣府のモニター調査(2日)によると、収入が減ったと感じている人が回答者の44・6%にのぼります。4月の家計調査(総務省)では、1世帯あたりの消費支出が、14カ月連続で前年同月比マイナス。最長記録を2カ月連続で更新しました。
今、政治に求められるのは、大企業の雇用破壊から国民を守ることとともに、庶民の懐をあたため、個人消費を底上げすることです。
個人消費を底上げするために何が必要か―。欧州では、付加価値税(消費税)の税率引き下げが流れとなりつつあります。
欧州連合(EU)は、昨年11月26日に、各国に付加価値税減税などを勧告する内容を含んだ「欧州経済回復計画」を発表。この中で、付加価値税減税について、「素早い導入が可能」「財政的刺激をあたえて消費を支える」としました。
こうした流れのもと、英国は昨年12月1日から付加価値税率(17・5%)を、15%(今年末までの措置)に減税しました。
同国の有力シンクタンクである財政研究所は、付加価値税減税で個人消費が1・25%増えると予測し、「景気悪化が抑えられる」との報告をまとめました。
また、同国の経済ビジネス調査センターは、昨年12月からの3カ月間の小売業の売上高を示し、「付加価値税減税は効果がある。減税後、売り上げがすぐ増えた」と述べています。
さらに、EUは5月5日、加盟国の標準付加価値税率(15%)について、加盟国は飲食や介護サービス、理容など、合意した対象サービスについて、5%まで税率を引き下げることができるとした指令を採択しています。
米国でも72兆円減税
消費税は、所得の少ない人ほど負担の割合が大きくなるという逆進性を持っています。
経済協力開発機構(OECD)は、消費税が課せられていない場合と、課せられている場合の格差拡大の度合いを比較。課せられている場合の方が格差を示す指標(ジニ係数)が大きくなることを明らかにしています。
政府は、消費税を「社会保障給付に向けることにより、むしろ所得再分配機能が強化される」(与謝野馨財務相)などと述べ、逆進性の議論に反論しています。
しかし、所得税や法人税などで、能力に応じた負担を求め、こうした税収を社会保障に充てた方が、よほど所得再分配機能を強化することになります。
赤ちゃんからお年寄りまで、所得の低い人ほど重い負担を求める消費税ほど、社会保障を支えるために不適切な税金はありません。
OECDの調査によると、相対的貧困率の1位は米国で、2位は日本です。日本では、税や社会保障による貧困率の改善効果が「他のOECD諸国と比べると大変小さい」(OECDの報告)からです。所得の再分配によって、貧困者が17カ国平均では100人中18人から8人へと10人減っているのに、日本では17人(16・5人)から14人(13・5人)へと3人しか減っていません。米国も18人から14人へと4人しか減っていません。
その相対貧困率1位の米国でも変化が起きています。今後10年間で72兆円の中低所得者への所得税減税を行う一方、60兆円の富裕層への増税を行う計画が提案されています。多国籍企業の課税逃れなどを防ぐ国際税制改革も打ち出されています。
「消費税増税は絶対反対、せめて食料品非課税を」「大企業と大金持ちに相応の負担を」という日本共産党の主張は、税制のゆがみをただすうえで当然の主張です。いま起きている世界の流れにも合致しています。
ところが、麻生自民・公明政権は、2011年度までに消費税を増税する法案を成立させる一方、法人実効税率の引き下げを「検討する」としています。日本の企業の税と社会保険料の負担は、フランスの7割、ドイツの8割程度です。その企業負担をさらに減らし、庶民の負担をもっと増やそうとしています。
民主党も時期は別にして消費税増税は必要だという立場であり、大企業・大資産家減税は積極的に推進、または「理解」を示しています。
自民も民主も財源といえば消費税増税しか思いつきません。財界から企業献金で競い合わされている両党では、大企業に応分の負担を求めることができないからです。
企業献金を受け取らない日本共産党だからこそ、「税金は負担能力に応じて」という民主的ルールにそった主張ができます。
(出所:日本共産党HP 2009年6月27日(土)「しんぶん赤旗」)
悪税ぶりが明らかになった20年――
消費税増税反対の声をあげよう
新宿駅頭での 志位委員長の訴え
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消費税廃止各界連絡会が一日、東京・JR新宿駅西口前で行った宣伝・署名行動での日本共産党、志位和夫委員長の訴えは次の通りです。
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みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫です。今日は労働団体、市民団体のみなさんとご一緒に、この場をお借りして、消費税値上げ反対、食料品は非課税に、ということを求める署名運動、宣伝活動に取り組んでいます。ご協力を心からお願いいたします。
今日、四月一日は、消費税が導入されて、ちょうど二十年にあたります。この二十年間を振り返って、消費税問題について、私たちが考えていることをお訴えさせていただきます。
「社会保障のため」という言い訳はうそ偽り
まず、私が訴えたいのは、消費税が導入され、値上げされるときにさんざん言われた「社会保障のため」という言い訳は、うそ偽りだったということがはっきりしたのが、この二十年だったということです。この二十年間を振り返って、「良くなった」といえる福祉があるでしょうか。
たとえば、医療の問題です。消費税導入前には、サラリーマンの医療費の窓口負担は一割でしたが、いまは三割に上がっています。お年寄りの窓口負担は、導入前は通院で月八百円でしたけれども、これも一割―三割になり、後期高齢者医療制度という「現代のうば捨て山」といわれる制度がつくられました。
年金はどうでしょう。支給開始年齢が六十歳から六十五歳に引き上げられました。さらに、毎年、年金の保険料は上がる、給付は下がるという、とんでもない年金の大改悪が強行されました。
介護はどうでしょう。この間に介護保険がつくられましたけれど、先日、群馬県の渋川では、ああいう痛ましい事件が起こりました。根本にはまともな施設が不足しているという大問題があります。特別養護老人ホームの入所を待っていらっしゃる待機者は、導入前の二万人から、いまは全国で三十八万人にも達しています。
障害者福祉も、利用料は原則無料であったのが、一割という応益負担が持ち込まれて、障害が重い方ほど重い負担になるという、ひどい仕掛けがつくられました。
医療、年金、介護、障害者福祉、どの分野をとっても、社会保障切り捨ての二十年だったというのが、この間の事実ではないでしょうか。
それでは、国民が納めた消費税は、いったいどこへいってしまったのか。この二十年間で国民が納めた消費税の総額は二百十三兆円ですが、その間、大企業などへの減税が行われ、法人三税は総額百八十二兆円も減りました。大企業の減税の穴埋めのために、消費税が使われたというのが、この二十年間の真相だったのであります。
いま麻生・自公政権が進めようとしている消費税の増税計画も同じです。先週、政府・与党は、二〇一一年度までに、消費税の値上げを行う法律をつくることを「付則」に書き込んだ「税制改革法」を強行しましたが、この法律には、「法人実効税率の引き下げを検討する」ということも書き込まれています。ここでもまた消費税の値上げと大企業減税はセットで打ち出されているのであります。
みなさん、これまでの二十年間をみても、そしてこれからやろうとしていることをみても、消費税の値上げは「社会保障のため」というのは、うそ偽りであって、「大企業の減税の穴埋めのため」というのが真実なのだということを、私は訴えたいと思うのであります。
最悪の「貧困促進税」――憲法25条の原則にも反する悪税
そのことにくわえて、この二十年間を振り返ってみますと、消費税の悪税ぶりがいよいよ耐え難いところまできたということを痛感します。
私は、この消費税がどんなに悪い税金かということについて、とくに三つの点を、今日は訴えたいと思います。
第一は、この税金が、最悪の「貧困促進税」だということです。
税金というのは、所得の少ない方には少なく、そして所得の多い方にはたくさん払っていただく、さらに毎日の生計費には税金をかけないというのが、当たり前の民主的な原則であります。所得税は、一定水準以下の収入の人には課税されませんが、それは憲法二五条の精神をふまえ「最低限の生計費に課税しない」という原則にもとづくものです。
ところが、消費税というのは、所得の少ない方ほど重くのしかかる税金です。所得税を課税されないような所得の少ない方、あるいは所得ゼロの方にまで課税される過酷な税金です。いま貧困と格差が広がり、一大社会問題になるもとで、消費税は、「貧困促進税」「貧困追い打ち税」というべき悪税であることを、言わなければなりません。
この二十年間で生活保護の世帯は、六十八万世帯から百十四万世帯へと、一・七倍になりました。しかも、生活保護を受給している世帯というのは、本来、生活保護を受給できる権利を持っている世帯の一割から二割にすぎません。それでも百十四万もの世帯に広がりました。こうした生活保護世帯に対しても、消費税は過酷にのしかかってきます。生活保護受給者の年間平均の消費税負担額は、一人あたり三・二万円にもなります。四人家族で年間十三万円です。これは憲法二五条が保障した国民の生存権を否定する悪税というほかないのではないでしょうか。
最悪の「大企業優遇税」――大企業は1円も負担していない
第二は、この税金が、最悪の「大企業優遇税」だということであります。
消費税を負担しているのは、いったい誰なのか。大企業は、一円も負担もしておりません。原料などの仕入れに消費税はかかりますが、大企業は力がありますから、消費税をすべて販売価格に転嫁することができます。ですから大企業は自分では一円も払っていないのが消費税なのであります。
輸出の場合はどうなるか。輸出大企業の場合には、輸出品には消費税が上乗せできないという理由で、「輸出戻し税」という仕掛けがあります。つまり、仕入れ時に払った消費税を「輸出戻し税」という形で税務署から還付してもらえるのです。こんな仕掛けまであるのです。いま全国で徴収されている消費税の総額は約十七兆円ですが、そのうち約四兆円は「輸出戻し税」という形で大企業にそっくり返す。そのため税収は十三兆円になってしまう。こういう仕掛けまでつくり、大企業は一円も負担をしていないのが消費税なのであります。
それでは誰が負担しているのかといえば、販売価格に転嫁したくてもできないで、身銭を切って泣く泣く消費税を払っている中小零細企業のみなさん、地元商店街のみなさんが負担をしています。そして、転嫁しようのない消費者・国民のみなさんが負担をしています。中小零細企業や庶民を泣かせ、大企業は一円も負担をしない最悪の不公平税制が、消費税であるということを、私は訴えたいのであります。
最悪の「景気破壊税」――12年前の増税で大不況に
そして第三に、この税金は、最悪の「景気破壊税」です。
一九九七年のことを思い起こしていただきたい。消費税が3%から5%に値上げになりました。当時は、弱々しいながらも景気が少し良くなりかかっていた時期だったのですが、無理やり消費税を上げたことが、景気をどん底にまで突き落とすことになりました。
当時の総理大臣は橋本龍太郎さんでしたけれども、私は国会で、いまの経済状況からいって、消費税を上げたら家計は底割れし、必ず景気悪化への暗転が起こる、だからやめなさいということを迫りましたけれども、私たちのいうことに耳を傾けずに、増税を強行したとたんに、日本の経済は大不況に落ち込みました。
いま世界経済危機のもとで、日本経済は深刻な危機におちいり、国民の生活苦はどの分野でもきわめてたいへんな状態です。家計を応援し、内需を活発にしなければならないときに、二〇一一年度までに消費税を増税するという議論を持ち出してくること自体が、まさに景気を悪くする以外のなにものでもありません。
最悪の「貧困促進税」、「大企業優遇税」、「景気破壊税」、この天下の悪税を、値上げすることを絶対に許すわけにはいきません。
消費税に頼らなくても、安心できる社会保障の財源はつくれる
みなさん、消費税に頼らなくても、安心できる社会保障の財源はつくれます。
年間五兆円にものぼる軍事費にメスを入れようではありませんか。二千八百億円にのぼる米軍への「思いやり」予算は、きっぱりやめさせようではありませんか。アメリカのグアムにつくる米軍基地の建設費用に六千億円もの税金をつぎ込む法案がいまの国会にかかっておりますが、こんなことは絶対に許すわけにいかないではありませんか。
そして、大企業と大資産家に、もうけ相応の負担を求めていこうではありませんか。私は、先日、外国特派員協会で講演する機会がありましたが、外国メディアのみなさんから驚きの反応が返ってきたことがあります。それは、日本では株の売買や配当にかかる税金がたった税率10%だということです。こんな国はほかにありません。フランスでは29%かかります。アメリカでも25%かかる。ところが、日本では、ぬれ手であわの大もうけをやった大株主にたった10%しか税金がかからない。額に汗して働くみなさんよりも、株で大もうけした大株主の税金が軽いというのは、あらためなければならないのではないでしょうか。
そして、大企業についても、日本は、企業が払う社会保険料と税金を足しますとヨーロッパに比べて負担の軽い国です。自動車産業でいいますと、ドイツの八割、フランスの七割しか、大企業は税・社会保障の負担をしておりません。ここは、世間並みの負担をしてもらおうではありませんか。
軍事費を削り、米軍への「思いやり」予算をなくし、政党助成金もなくす。そして大企業や大資産家にはもうけ相応の負担を求める。これをしっかりやれば、消費税に頼らなくても安心できる社会保障を築くことはできます。
どうかみなさん、安心して消費税増税反対の声をあげようではありませんか。今度の総選挙では増税勢力にきびしい審判をくだそうではありませんか。
(出所:日本共産党HP 2009年4月2日(木)「しんぶん赤旗」)
各界連署名 日ごとに広がる
生活苦増す 一時的な給付金もらっても
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消費税廃止各界連絡会のとりくむ消費税増税に反対する請願署名が六百万人を突破しました。同連絡会は「一日も早い一千万人を」とよびかけています。
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「経済危機対策」などのつけを「三年後」の消費税増税でまかなう麻生内閣に国民の怒りは増し、署名は日増しに広がっています。
消費税廃止各界連絡会が二十四日に東京・JR新宿駅西口でおこなった宣伝署名行動。五十六歳の男性は、「生活が苦しくなっているのに、なぜ消費税を増税するのか」と署名。五十歳代の女性は、請願署名にある「緊急に食料品などくらしにかかる消費税を減税する」の項目をみて「大賛成」とペンを走らせました。「一時的な定額給付金をもらっても、消費税が増税されたら、もっと支出が増えてしまう」と七十歳の女性は強い口調で怒りを示しました。
共同通信社の世論調査(二月)では、二〇一一年度までに必要な法整備をし、経済状況を見極めた上で消費税を引き上げる麻生内閣の方針に、68・5%が「評価しない」と回答。「読売」調査(二月)でも「評価しない」が61・6%で、六割を超える国民が消費税増にノーを示しています。
各界連の構成団体である全国商工団体連合会は一貫して消費税増税に反対する署名に取り組み、二百五十六万人を超えています。各界連などでは昨年十一月、五百万人を超し、この間に百万人分が増えました。月二十万人のペースです。
“社会保障のため”はウソ
消費税廃止各界連絡会は二十四日、消費税増税に反対する請願署名推進の全国いっせい宣伝行動をしました。
東京では、JR新宿駅西口で消費税廃止各界連絡会の構成団体の代表がマイクを握り、「消費税増税は“社会保障のため”というのはうそ、ごまかし。大企業減税、軍事費、無駄遣いを見直せば、社会保障の財源はある」と訴えました。日本共産党は大山とも子都議が訴えました。
消費税をなくす会も同日、全国でいっせい宣伝をし、東京ではJR巣鴨駅で全国の会、東京の会が宣伝行動をしました。
(出所:日本共産党HP 2009年4月25日(土)「しんぶん赤旗」)
’09 選択 税金は「負担能力に応じて」がルール
経済危機 庶民応援 世界の流れ
共産党「減税こそ必要」
自民・民主 消費税増税頼み
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経済危機のもと、日本共産党は「暮らしを応援する減税こそ必要」「税金は負担能力に応じて」と訴えています。世界の流れからみても当然の主張です。
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欧州は消費税減税
経済危機が家計を直撃しています。
内閣府のモニター調査(2日)によると、収入が減ったと感じている人が回答者の44・6%にのぼります。4月の家計調査(総務省)では、1世帯あたりの消費支出が、14カ月連続で前年同月比マイナス。最長記録を2カ月連続で更新しました。
今、政治に求められるのは、大企業の雇用破壊から国民を守ることとともに、庶民の懐をあたため、個人消費を底上げすることです。
個人消費を底上げするために何が必要か―。欧州では、付加価値税(消費税)の税率引き下げが流れとなりつつあります。
欧州連合(EU)は、昨年11月26日に、各国に付加価値税減税などを勧告する内容を含んだ「欧州経済回復計画」を発表。この中で、付加価値税減税について、「素早い導入が可能」「財政的刺激をあたえて消費を支える」としました。
こうした流れのもと、英国は昨年12月1日から付加価値税率(17・5%)を、15%(今年末までの措置)に減税しました。
同国の有力シンクタンクである財政研究所は、付加価値税減税で個人消費が1・25%増えると予測し、「景気悪化が抑えられる」との報告をまとめました。
また、同国の経済ビジネス調査センターは、昨年12月からの3カ月間の小売業の売上高を示し、「付加価値税減税は効果がある。減税後、売り上げがすぐ増えた」と述べています。
さらに、EUは5月5日、加盟国の標準付加価値税率(15%)について、加盟国は飲食や介護サービス、理容など、合意した対象サービスについて、5%まで税率を引き下げることができるとした指令を採択しています。
米国でも72兆円減税
消費税は、所得の少ない人ほど負担の割合が大きくなるという逆進性を持っています。
経済協力開発機構(OECD)は、消費税が課せられていない場合と、課せられている場合の格差拡大の度合いを比較。課せられている場合の方が格差を示す指標(ジニ係数)が大きくなることを明らかにしています。
政府は、消費税を「社会保障給付に向けることにより、むしろ所得再分配機能が強化される」(与謝野馨財務相)などと述べ、逆進性の議論に反論しています。
しかし、所得税や法人税などで、能力に応じた負担を求め、こうした税収を社会保障に充てた方が、よほど所得再分配機能を強化することになります。
赤ちゃんからお年寄りまで、所得の低い人ほど重い負担を求める消費税ほど、社会保障を支えるために不適切な税金はありません。
OECDの調査によると、相対的貧困率の1位は米国で、2位は日本です。日本では、税や社会保障による貧困率の改善効果が「他のOECD諸国と比べると大変小さい」(OECDの報告)からです。所得の再分配によって、貧困者が17カ国平均では100人中18人から8人へと10人減っているのに、日本では17人(16・5人)から14人(13・5人)へと3人しか減っていません。米国も18人から14人へと4人しか減っていません。
その相対貧困率1位の米国でも変化が起きています。今後10年間で72兆円の中低所得者への所得税減税を行う一方、60兆円の富裕層への増税を行う計画が提案されています。多国籍企業の課税逃れなどを防ぐ国際税制改革も打ち出されています。
「消費税増税は絶対反対、せめて食料品非課税を」「大企業と大金持ちに相応の負担を」という日本共産党の主張は、税制のゆがみをただすうえで当然の主張です。いま起きている世界の流れにも合致しています。
ところが、麻生自民・公明政権は、2011年度までに消費税を増税する法案を成立させる一方、法人実効税率の引き下げを「検討する」としています。日本の企業の税と社会保険料の負担は、フランスの7割、ドイツの8割程度です。その企業負担をさらに減らし、庶民の負担をもっと増やそうとしています。
民主党も時期は別にして消費税増税は必要だという立場であり、大企業・大資産家減税は積極的に推進、または「理解」を示しています。
自民も民主も財源といえば消費税増税しか思いつきません。財界から企業献金で競い合わされている両党では、大企業に応分の負担を求めることができないからです。
企業献金を受け取らない日本共産党だからこそ、「税金は負担能力に応じて」という民主的ルールにそった主張ができます。
(出所:日本共産党HP 2009年6月27日(土)「しんぶん赤旗」)
悪税ぶりが明らかになった20年――
消費税増税反対の声をあげよう
新宿駅頭での 志位委員長の訴え
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消費税廃止各界連絡会が一日、東京・JR新宿駅西口前で行った宣伝・署名行動での日本共産党、志位和夫委員長の訴えは次の通りです。
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みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫です。今日は労働団体、市民団体のみなさんとご一緒に、この場をお借りして、消費税値上げ反対、食料品は非課税に、ということを求める署名運動、宣伝活動に取り組んでいます。ご協力を心からお願いいたします。
今日、四月一日は、消費税が導入されて、ちょうど二十年にあたります。この二十年間を振り返って、消費税問題について、私たちが考えていることをお訴えさせていただきます。
「社会保障のため」という言い訳はうそ偽り
まず、私が訴えたいのは、消費税が導入され、値上げされるときにさんざん言われた「社会保障のため」という言い訳は、うそ偽りだったということがはっきりしたのが、この二十年だったということです。この二十年間を振り返って、「良くなった」といえる福祉があるでしょうか。
たとえば、医療の問題です。消費税導入前には、サラリーマンの医療費の窓口負担は一割でしたが、いまは三割に上がっています。お年寄りの窓口負担は、導入前は通院で月八百円でしたけれども、これも一割―三割になり、後期高齢者医療制度という「現代のうば捨て山」といわれる制度がつくられました。
年金はどうでしょう。支給開始年齢が六十歳から六十五歳に引き上げられました。さらに、毎年、年金の保険料は上がる、給付は下がるという、とんでもない年金の大改悪が強行されました。
介護はどうでしょう。この間に介護保険がつくられましたけれど、先日、群馬県の渋川では、ああいう痛ましい事件が起こりました。根本にはまともな施設が不足しているという大問題があります。特別養護老人ホームの入所を待っていらっしゃる待機者は、導入前の二万人から、いまは全国で三十八万人にも達しています。
障害者福祉も、利用料は原則無料であったのが、一割という応益負担が持ち込まれて、障害が重い方ほど重い負担になるという、ひどい仕掛けがつくられました。
医療、年金、介護、障害者福祉、どの分野をとっても、社会保障切り捨ての二十年だったというのが、この間の事実ではないでしょうか。
それでは、国民が納めた消費税は、いったいどこへいってしまったのか。この二十年間で国民が納めた消費税の総額は二百十三兆円ですが、その間、大企業などへの減税が行われ、法人三税は総額百八十二兆円も減りました。大企業の減税の穴埋めのために、消費税が使われたというのが、この二十年間の真相だったのであります。
いま麻生・自公政権が進めようとしている消費税の増税計画も同じです。先週、政府・与党は、二〇一一年度までに、消費税の値上げを行う法律をつくることを「付則」に書き込んだ「税制改革法」を強行しましたが、この法律には、「法人実効税率の引き下げを検討する」ということも書き込まれています。ここでもまた消費税の値上げと大企業減税はセットで打ち出されているのであります。
みなさん、これまでの二十年間をみても、そしてこれからやろうとしていることをみても、消費税の値上げは「社会保障のため」というのは、うそ偽りであって、「大企業の減税の穴埋めのため」というのが真実なのだということを、私は訴えたいと思うのであります。
最悪の「貧困促進税」――憲法25条の原則にも反する悪税
そのことにくわえて、この二十年間を振り返ってみますと、消費税の悪税ぶりがいよいよ耐え難いところまできたということを痛感します。
私は、この消費税がどんなに悪い税金かということについて、とくに三つの点を、今日は訴えたいと思います。
第一は、この税金が、最悪の「貧困促進税」だということです。
税金というのは、所得の少ない方には少なく、そして所得の多い方にはたくさん払っていただく、さらに毎日の生計費には税金をかけないというのが、当たり前の民主的な原則であります。所得税は、一定水準以下の収入の人には課税されませんが、それは憲法二五条の精神をふまえ「最低限の生計費に課税しない」という原則にもとづくものです。
ところが、消費税というのは、所得の少ない方ほど重くのしかかる税金です。所得税を課税されないような所得の少ない方、あるいは所得ゼロの方にまで課税される過酷な税金です。いま貧困と格差が広がり、一大社会問題になるもとで、消費税は、「貧困促進税」「貧困追い打ち税」というべき悪税であることを、言わなければなりません。
この二十年間で生活保護の世帯は、六十八万世帯から百十四万世帯へと、一・七倍になりました。しかも、生活保護を受給している世帯というのは、本来、生活保護を受給できる権利を持っている世帯の一割から二割にすぎません。それでも百十四万もの世帯に広がりました。こうした生活保護世帯に対しても、消費税は過酷にのしかかってきます。生活保護受給者の年間平均の消費税負担額は、一人あたり三・二万円にもなります。四人家族で年間十三万円です。これは憲法二五条が保障した国民の生存権を否定する悪税というほかないのではないでしょうか。
最悪の「大企業優遇税」――大企業は1円も負担していない
第二は、この税金が、最悪の「大企業優遇税」だということであります。
消費税を負担しているのは、いったい誰なのか。大企業は、一円も負担もしておりません。原料などの仕入れに消費税はかかりますが、大企業は力がありますから、消費税をすべて販売価格に転嫁することができます。ですから大企業は自分では一円も払っていないのが消費税なのであります。
輸出の場合はどうなるか。輸出大企業の場合には、輸出品には消費税が上乗せできないという理由で、「輸出戻し税」という仕掛けがあります。つまり、仕入れ時に払った消費税を「輸出戻し税」という形で税務署から還付してもらえるのです。こんな仕掛けまであるのです。いま全国で徴収されている消費税の総額は約十七兆円ですが、そのうち約四兆円は「輸出戻し税」という形で大企業にそっくり返す。そのため税収は十三兆円になってしまう。こういう仕掛けまでつくり、大企業は一円も負担をしていないのが消費税なのであります。
それでは誰が負担しているのかといえば、販売価格に転嫁したくてもできないで、身銭を切って泣く泣く消費税を払っている中小零細企業のみなさん、地元商店街のみなさんが負担をしています。そして、転嫁しようのない消費者・国民のみなさんが負担をしています。中小零細企業や庶民を泣かせ、大企業は一円も負担をしない最悪の不公平税制が、消費税であるということを、私は訴えたいのであります。
最悪の「景気破壊税」――12年前の増税で大不況に
そして第三に、この税金は、最悪の「景気破壊税」です。
一九九七年のことを思い起こしていただきたい。消費税が3%から5%に値上げになりました。当時は、弱々しいながらも景気が少し良くなりかかっていた時期だったのですが、無理やり消費税を上げたことが、景気をどん底にまで突き落とすことになりました。
当時の総理大臣は橋本龍太郎さんでしたけれども、私は国会で、いまの経済状況からいって、消費税を上げたら家計は底割れし、必ず景気悪化への暗転が起こる、だからやめなさいということを迫りましたけれども、私たちのいうことに耳を傾けずに、増税を強行したとたんに、日本の経済は大不況に落ち込みました。
いま世界経済危機のもとで、日本経済は深刻な危機におちいり、国民の生活苦はどの分野でもきわめてたいへんな状態です。家計を応援し、内需を活発にしなければならないときに、二〇一一年度までに消費税を増税するという議論を持ち出してくること自体が、まさに景気を悪くする以外のなにものでもありません。
最悪の「貧困促進税」、「大企業優遇税」、「景気破壊税」、この天下の悪税を、値上げすることを絶対に許すわけにはいきません。
消費税に頼らなくても、安心できる社会保障の財源はつくれる
みなさん、消費税に頼らなくても、安心できる社会保障の財源はつくれます。
年間五兆円にものぼる軍事費にメスを入れようではありませんか。二千八百億円にのぼる米軍への「思いやり」予算は、きっぱりやめさせようではありませんか。アメリカのグアムにつくる米軍基地の建設費用に六千億円もの税金をつぎ込む法案がいまの国会にかかっておりますが、こんなことは絶対に許すわけにいかないではありませんか。
そして、大企業と大資産家に、もうけ相応の負担を求めていこうではありませんか。私は、先日、外国特派員協会で講演する機会がありましたが、外国メディアのみなさんから驚きの反応が返ってきたことがあります。それは、日本では株の売買や配当にかかる税金がたった税率10%だということです。こんな国はほかにありません。フランスでは29%かかります。アメリカでも25%かかる。ところが、日本では、ぬれ手であわの大もうけをやった大株主にたった10%しか税金がかからない。額に汗して働くみなさんよりも、株で大もうけした大株主の税金が軽いというのは、あらためなければならないのではないでしょうか。
そして、大企業についても、日本は、企業が払う社会保険料と税金を足しますとヨーロッパに比べて負担の軽い国です。自動車産業でいいますと、ドイツの八割、フランスの七割しか、大企業は税・社会保障の負担をしておりません。ここは、世間並みの負担をしてもらおうではありませんか。
軍事費を削り、米軍への「思いやり」予算をなくし、政党助成金もなくす。そして大企業や大資産家にはもうけ相応の負担を求める。これをしっかりやれば、消費税に頼らなくても安心できる社会保障を築くことはできます。
どうかみなさん、安心して消費税増税反対の声をあげようではありませんか。今度の総選挙では増税勢力にきびしい審判をくだそうではありませんか。
(出所:日本共産党HP 2009年4月2日(木)「しんぶん赤旗」)