主張
米原潜放射能漏れ
原子力艦船とは共存できない
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米海軍の原子力潜水艦ヒューストンが、放射能を含んだ水を垂れ流したまま、長崎県の佐世保港などに寄港していた可能性が高いことが明らかになり、佐世保をはじめ、横須賀(神奈川県)、沖縄など全国に衝撃が広がっています。
米艦船は五十年間「一度たりとも」放射能を出したことはないといいはってきた米政府が、放射能漏れの可能性を認めたことは重大です。米政府の説明をうのみに、「安全」をいいはる日本政府の態度では、国民の生命、健康を守ることはできません。政府は事故原因の徹底調査を求め、米原子力艦船の入港を拒否すべきです。
吹き飛んだ「安全神話」
今回の事故は、ヒューストンが七月十七日にハワイで定期点検を受けたさい、水兵がバルブのふたが外れて流れ出た水を浴び、二十四日になってその水から放射能が検出されたというものです。米海軍は、数カ月にわたって放射能を含む水を垂れ流していた可能性があると認めています。
米政府からの連絡にもとづき日本の外務省は、「冷却水が一部しみだし(た)」事故と発表していますが、含まれていた放射能はどんな種類だったのかなど、肝心なことは米軍も説明を避けています。
放射能は「ごく微量」といいますが、数カ月にわたって放射能をふくむ水を垂れ流していたということ自体、日本にとって重大です。ヒューストンは今年三月二十七日から四月二日の間と四月六日に佐世保に寄港しています。それ以前には沖縄県うるま市の米軍ホワイトビーチ沖にも停泊しています。日本の調査で放射能は検出されていませんが、米政府には寄港時や停泊時に放射能を垂れ流していたのか、データの提供を含めて、調査し報告する責任があります。
今回の事故では通報の遅れも重大です。米政府が日本(外務省)に通報したのは一日午後です。異常が発覚してから二週間、放射能を検出してからでも一週間後です。外務省の発表も報道後です。ことは放射能漏れという重大問題なのに、あってはならないことです。
米原潜はこれまでも佐世保、横須賀、沖縄などに寄港したさい、日本側の調査などで何度も放射能漏れが指摘されてきました。しかし米政府は「放射能は出したことはない」の一点張りで、科学的説明や資料提供要求も「軍事機密」をたてにすべて拒絶し、原子力艦船は核事故を起こさないという、勝手な「安全神話」をふりまいてきました。
「ごく微量」であれ、放射能を垂れ流していたことを認めた今回の事故は、「安全神話」が成り立たないことを米政府自ら認めたことにほかなりません。それは、米原子力艦船の寄港を受け入れ続ける限り、絶えず重大な事故の危険にさらされるということであり、原子力艦船の寄港受け入れは根本から見直す必要があります。
寄港・配備を許さない
今回、米政府も日本政府も放射能漏れを「ごく微量」といいはるのは、九月末に予定している原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備を考えてのことです。
しかし原子力空母の配備は、一年の半分は港に停泊することを意味します。核事故の危険も比較にならぬほど大きくなります。原子力空母の横須賀配備を許さないたたかいが、いよいよ重要です。
(出所:日本共産党HP 2008年8月4日(月)「しんぶん赤旗」)
米原潜、放射能漏れ2年超
06年6月から今年7月まで
日本に寄港11回
佐世保・沖縄 各5回、横須賀にも
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米海軍原子力潜水艦ヒューストンの放射能漏れ事故について、同艦から放射能を帯びた冷却水が漏れていた期間が二〇〇六年六月から今年七月までの二年以上に及んでいたことが七日、分かりました。またヒューストンは同期間中、日本に計十一回寄港していたことも明らかになりました。
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米政府から同日、在日大使館を通じて外務省に通報があったとして、同省が発表しました。二年以上にも及ぶ放射能漏れは、米原子力艦船の「安全神話」のでたらめさ、安全管理体制のずさんさを如実に示すものです。
ヒューストンの放射能漏れは、ハワイでの定期点検中の今年七月二十四日に確認され、今月一日に米政府から外務省に通報があったもの。同省がこの通報を隠し、首相官邸や外相への報告、関係自治体への通報が一日遅れたとして問題になってきました。
この時、放射能漏れは数カ月に及ぶ可能性が指摘されていましたが、米側の通報では「いつから冷却水がしみ出るようになったかは分からない」としていました。
外務省の七日の発表によると、米政府はその後も調査を継続。放射能漏れは〇六年六月から始まっていたことが新たに確認できたとして通報してきました。
米政府の通報では、ヒューストンは〇六年六月以降、米海軍佐世保基地(長崎県)に五回、同横須賀基地(神奈川県)に一回、同ホワイトビーチ(沖縄県)に五回寄港。その際、ヒューストンから放射性物質が漏れていたと推定しています。
一方で通報は、「漏えいした放射性物質の全体量は極めて少ない」などとしています。しかし、米側の一方的な通報で真偽は不明です。
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日本寄港年月日と寄港地
(2006年6月から現在まで)
(1)06年7月16日(佐世保)
(2)07年1月25―29日(横須賀)
(3) 2月2日(佐世保)
(4) 3月17日(ホワイトビーチ)
(5) 3月23日(同上)
(6) 4月13―18日(佐世保)
(7) 12月7―11日(ホワイトビーチ)
(8) 12月15日(同上)
(9)08年3月12日(同上)
(10) 3月27日―4月2日(佐世保)
(11) 4月6日(同上)
米側通報から作成
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解説
米原潜の放射能漏れ
米側に反省なし
「空母安全」説明とも矛盾
日本への寄港を繰り返してきた米原潜ヒューストンの放射能漏れが二年以上続いていたことで、関係自治体や住民の不安がいっそう高まるのは必至です。
米側は今回の放射能漏れについて、「日本へのすべての寄港の間に漏れた放射能の量をすべてあわせたとしても、一般家庭用煙検知器に含まれる放射性物質の量よりも少ない」などと正当化しています。反省の弁や管理体制の見直しについての言及はありません。
つまり、この程度の放射能漏れは許容範囲であり、今後も原子力艦船を運用する限り不可避だと宣言しているようなものです。
米側の通報によると、ヒューストンの乗組員がバルブから漏れた冷却水を浴びたことがきっかけで、放射能漏れが明らかにされました。逆に言えば、そのような事故がなければ放射能漏れはやみに隠れたままでした。
日本には毎年、二十隻前後の米原子力艦船が数十回にわたって寄港しています。ヒューストンに限らず、放射能漏れが常態化している可能性もあります。
今後、日本政府は少なくとも、日本に寄港するすべての原子力艦船に関して、冷却水漏れや放射性物質の漏えいがなかったかどうか情報提供を要求すべきです。
米政府は二〇〇六年四月に発表した「合衆国原子力軍艦の安全性に関するファクトシート」では、「日本国の港も含め、沖合12海里以内においては、一次冷却水を含む液体放射性物質を排出することを禁じている」などとしています。
日米両政府は、この「ファクトシート」で、“原子力空母の安全性が証明された”として、九月下旬に原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀への配備を強行しようとしています。
しかし、実際はヒューストンに限っても、放射能を含んだ冷却水が垂れ流されていたのです。日米両政府はファクトシートとの整合性をどう説明するのでしょうか。(竹下岳)
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放射能漏れ事件の経過
米政府が日本政府に通知した米原潜ヒューストンの冷却水漏れ事件に関する経過は以下の通りです。
7・17 ハワイ・パールハーバーの乾ドック停泊中に放射能を含んでいる可能性のある約3.8リットルの水が漏れて乗組員の足にかかる。米海軍はハワイ州保健局に通報
24 船体のバルブ点検を行ったところ、バルブ1カ所から水が漏れ、放射能漏れの可能性が判明。政府機関による検査を開始
31 バルブから少量の放射能が漏れていたと断定。ヒューストンが最近停泊したパールハーバー、グアム、佐世保で放射能が漏れた可能性があると断定。
同日、ハワイ州政府および日本政府に通報。(日本時間8月1日午前11時30分)
8・6 放射能漏れが2006年6月から続いていたことが判明。日本政府に通報(日本時間7日午後1時30分)
(出所:日本共産党HP 2008年8月8日(金)「しんぶん赤旗」)
米原潜放射能漏れ
原子力艦船とは共存できない
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米海軍の原子力潜水艦ヒューストンが、放射能を含んだ水を垂れ流したまま、長崎県の佐世保港などに寄港していた可能性が高いことが明らかになり、佐世保をはじめ、横須賀(神奈川県)、沖縄など全国に衝撃が広がっています。
米艦船は五十年間「一度たりとも」放射能を出したことはないといいはってきた米政府が、放射能漏れの可能性を認めたことは重大です。米政府の説明をうのみに、「安全」をいいはる日本政府の態度では、国民の生命、健康を守ることはできません。政府は事故原因の徹底調査を求め、米原子力艦船の入港を拒否すべきです。
吹き飛んだ「安全神話」
今回の事故は、ヒューストンが七月十七日にハワイで定期点検を受けたさい、水兵がバルブのふたが外れて流れ出た水を浴び、二十四日になってその水から放射能が検出されたというものです。米海軍は、数カ月にわたって放射能を含む水を垂れ流していた可能性があると認めています。
米政府からの連絡にもとづき日本の外務省は、「冷却水が一部しみだし(た)」事故と発表していますが、含まれていた放射能はどんな種類だったのかなど、肝心なことは米軍も説明を避けています。
放射能は「ごく微量」といいますが、数カ月にわたって放射能をふくむ水を垂れ流していたということ自体、日本にとって重大です。ヒューストンは今年三月二十七日から四月二日の間と四月六日に佐世保に寄港しています。それ以前には沖縄県うるま市の米軍ホワイトビーチ沖にも停泊しています。日本の調査で放射能は検出されていませんが、米政府には寄港時や停泊時に放射能を垂れ流していたのか、データの提供を含めて、調査し報告する責任があります。
今回の事故では通報の遅れも重大です。米政府が日本(外務省)に通報したのは一日午後です。異常が発覚してから二週間、放射能を検出してからでも一週間後です。外務省の発表も報道後です。ことは放射能漏れという重大問題なのに、あってはならないことです。
米原潜はこれまでも佐世保、横須賀、沖縄などに寄港したさい、日本側の調査などで何度も放射能漏れが指摘されてきました。しかし米政府は「放射能は出したことはない」の一点張りで、科学的説明や資料提供要求も「軍事機密」をたてにすべて拒絶し、原子力艦船は核事故を起こさないという、勝手な「安全神話」をふりまいてきました。
「ごく微量」であれ、放射能を垂れ流していたことを認めた今回の事故は、「安全神話」が成り立たないことを米政府自ら認めたことにほかなりません。それは、米原子力艦船の寄港を受け入れ続ける限り、絶えず重大な事故の危険にさらされるということであり、原子力艦船の寄港受け入れは根本から見直す必要があります。
寄港・配備を許さない
今回、米政府も日本政府も放射能漏れを「ごく微量」といいはるのは、九月末に予定している原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備を考えてのことです。
しかし原子力空母の配備は、一年の半分は港に停泊することを意味します。核事故の危険も比較にならぬほど大きくなります。原子力空母の横須賀配備を許さないたたかいが、いよいよ重要です。
(出所:日本共産党HP 2008年8月4日(月)「しんぶん赤旗」)
米原潜、放射能漏れ2年超
06年6月から今年7月まで
日本に寄港11回
佐世保・沖縄 各5回、横須賀にも
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米海軍原子力潜水艦ヒューストンの放射能漏れ事故について、同艦から放射能を帯びた冷却水が漏れていた期間が二〇〇六年六月から今年七月までの二年以上に及んでいたことが七日、分かりました。またヒューストンは同期間中、日本に計十一回寄港していたことも明らかになりました。
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米政府から同日、在日大使館を通じて外務省に通報があったとして、同省が発表しました。二年以上にも及ぶ放射能漏れは、米原子力艦船の「安全神話」のでたらめさ、安全管理体制のずさんさを如実に示すものです。
ヒューストンの放射能漏れは、ハワイでの定期点検中の今年七月二十四日に確認され、今月一日に米政府から外務省に通報があったもの。同省がこの通報を隠し、首相官邸や外相への報告、関係自治体への通報が一日遅れたとして問題になってきました。
この時、放射能漏れは数カ月に及ぶ可能性が指摘されていましたが、米側の通報では「いつから冷却水がしみ出るようになったかは分からない」としていました。
外務省の七日の発表によると、米政府はその後も調査を継続。放射能漏れは〇六年六月から始まっていたことが新たに確認できたとして通報してきました。
米政府の通報では、ヒューストンは〇六年六月以降、米海軍佐世保基地(長崎県)に五回、同横須賀基地(神奈川県)に一回、同ホワイトビーチ(沖縄県)に五回寄港。その際、ヒューストンから放射性物質が漏れていたと推定しています。
一方で通報は、「漏えいした放射性物質の全体量は極めて少ない」などとしています。しかし、米側の一方的な通報で真偽は不明です。
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日本寄港年月日と寄港地
(2006年6月から現在まで)
(1)06年7月16日(佐世保)
(2)07年1月25―29日(横須賀)
(3) 2月2日(佐世保)
(4) 3月17日(ホワイトビーチ)
(5) 3月23日(同上)
(6) 4月13―18日(佐世保)
(7) 12月7―11日(ホワイトビーチ)
(8) 12月15日(同上)
(9)08年3月12日(同上)
(10) 3月27日―4月2日(佐世保)
(11) 4月6日(同上)
米側通報から作成
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解説
米原潜の放射能漏れ
米側に反省なし
「空母安全」説明とも矛盾
日本への寄港を繰り返してきた米原潜ヒューストンの放射能漏れが二年以上続いていたことで、関係自治体や住民の不安がいっそう高まるのは必至です。
米側は今回の放射能漏れについて、「日本へのすべての寄港の間に漏れた放射能の量をすべてあわせたとしても、一般家庭用煙検知器に含まれる放射性物質の量よりも少ない」などと正当化しています。反省の弁や管理体制の見直しについての言及はありません。
つまり、この程度の放射能漏れは許容範囲であり、今後も原子力艦船を運用する限り不可避だと宣言しているようなものです。
米側の通報によると、ヒューストンの乗組員がバルブから漏れた冷却水を浴びたことがきっかけで、放射能漏れが明らかにされました。逆に言えば、そのような事故がなければ放射能漏れはやみに隠れたままでした。
日本には毎年、二十隻前後の米原子力艦船が数十回にわたって寄港しています。ヒューストンに限らず、放射能漏れが常態化している可能性もあります。
今後、日本政府は少なくとも、日本に寄港するすべての原子力艦船に関して、冷却水漏れや放射性物質の漏えいがなかったかどうか情報提供を要求すべきです。
米政府は二〇〇六年四月に発表した「合衆国原子力軍艦の安全性に関するファクトシート」では、「日本国の港も含め、沖合12海里以内においては、一次冷却水を含む液体放射性物質を排出することを禁じている」などとしています。
日米両政府は、この「ファクトシート」で、“原子力空母の安全性が証明された”として、九月下旬に原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀への配備を強行しようとしています。
しかし、実際はヒューストンに限っても、放射能を含んだ冷却水が垂れ流されていたのです。日米両政府はファクトシートとの整合性をどう説明するのでしょうか。(竹下岳)
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放射能漏れ事件の経過
米政府が日本政府に通知した米原潜ヒューストンの冷却水漏れ事件に関する経過は以下の通りです。
7・17 ハワイ・パールハーバーの乾ドック停泊中に放射能を含んでいる可能性のある約3.8リットルの水が漏れて乗組員の足にかかる。米海軍はハワイ州保健局に通報
24 船体のバルブ点検を行ったところ、バルブ1カ所から水が漏れ、放射能漏れの可能性が判明。政府機関による検査を開始
31 バルブから少量の放射能が漏れていたと断定。ヒューストンが最近停泊したパールハーバー、グアム、佐世保で放射能が漏れた可能性があると断定。
同日、ハワイ州政府および日本政府に通報。(日本時間8月1日午前11時30分)
8・6 放射能漏れが2006年6月から続いていたことが判明。日本政府に通報(日本時間7日午後1時30分)
(出所:日本共産党HP 2008年8月8日(金)「しんぶん赤旗」)