悠々time・・・はなしの海     

大学院であまり役に立ちそうもない勉強をしたり、陶芸、歌舞伎・能、カメラ、ときどき八ヶ岳で畑仕事、60代最後半です。

29年のFM長寿番組、はかま満緒の「日曜喫茶室」

2006-05-06 01:41:18 | 文化・文明


人間、長く生きてくると、何十年にわたる「こだわり」というものがあること
に気づく。それは生き方であったり、考え方であったり、友達づきあいで
あったり、あるいは、生活様式であったり、趣味であったり、芸術の好み
であったり、細かいところでは歯の磨き方であったり、何十年も着ている
ジャンパーであったり、使い慣れた通勤の鞄であったり、あるいは、セピ
ア色をした昔の思い出の写真であったり、ぼろぼろになった革の小銭入
れであったりするものだ。

私にもいろいろなこだわりがある。今日はそのうちの一つを紹介したい。
それは、1977年(昭和52年)4月3日以来29年間続いているNHKFM放
送で、日曜日の午後零時15分から2時まで開店している、

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 「はかま満緒の日曜喫茶室」 

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である。この番組は、お客様と呼ばれる訪問者が入り口のドアを開ける時
のドアベルの音が、チリンチリンとなるところから始まる。落ち着いた大人
の番組である。直近の放送、4月23日のタイトルは、グッとくる。

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「山もいいぞ、人生の華がある」

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出演者は、次のとおり。

シンガーソングライター・・・みなみらんぼう
治(ハル)コンサルタント代表取締役・・・大野 剛義(おおのたけよし)
作家・慶應義塾大学教授・・・荻野アンナ
司会(マスター)・・・はかま満緒

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<団塊の諸君・・・>

出演者のうち、大野 剛義氏について少々注釈を加える。
彼は“おおの たけよし”といって、最近、次のようなタイトルの本を
出した。

「団塊諸君 山もいいぞ
 ー夢と勇気とサムマネーー」

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<61歳にして始めて山に登る>

その本のキャッチコピーには次のように書かれてある。
「61歳にして始めて天城山八丁池に登った銀行マンが、ついに69
 歳で憧れのヒマラヤのゴーキョ・ピークに登頂。山と出会ったこと
 で“燃え尽き症候群”を克服した。定年を間近かに控えた団塊世代
 への熱きメッセージ!」

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<みなみらんぼう・・・「山口さんちのツトム君」は30年>

みなみらんぼう氏は、作詞家、作曲家、歌手というよりは、今や、海
外旅行家、山歩きの人、エッセイストと思われていることが多い。い
ろいろな歌を作り、歌ったが、なかでも「山口さんちのツトム君」は
有名である。その「・・・ツトム君」は今年で生誕30年になる。

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<今年はマナスル登頂50年>

ところで、今年は、1956年に、槇有恒隊長率いる日本山岳隊がネ
パールのマナスル山群の最高峰マナスル(8163m)に初登頂してか
ら50年になる記念の年である。1956年という年は昭和31年である。
第二次大戦後10年ちょっとたつた頃で、戦争による荒廃から復興の
兆しが見えてきたころであったから、彼らが帰国したときは凱旋将軍
を迎えるような興奮に包まれた。私はまだ10代の中頃だったが、この
ときは山に憧れたものだ。このとき最年少の25歳だった隊員は現在
75歳となっているが、今日テレビに出てきた。

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<夢と勇気とサムマネー>

前置きが長くなったが、「団塊諸君 山もいいぞ」の著者は今年71歳
である。この本の著者「おおの たけよし」と「みなみらんぼう」と
「はかま満緒」の話は実に楽しかった。ところで、もう一つ、副題の
「夢と勇気とサムマネー」はチャップリンの映画「ライムライト」の
セリフである。またこの言葉ががいい。

みなみらんぼう氏と荻野アンナ氏についてはよく知っている方も多いと
思うのでここでは、大野剛義氏の話をする。

みなみらんぼう氏と大野剛義(たけよし)氏の話の中で一致していた
ことを紹介する。

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<山登りは亀のように>

山登りは、リズムをもって、亀のように、ゆっくり登る、歩幅を小さく
してゆっくり登る、そうすれば最後に勝つ。
これは、大野氏が山登りの師と仰ぐ、岩崎氏と村口氏の教えだという。

キリマンジェロのような高い山に登るときは、登る前に体重を増やす。
鍛錬して体重が増えたら、山へ行く数週間前は無理な鍛錬はやらな
い。静かにして体力を温存するのだという。

万全の体勢で、60キロで登ったら、降りてきたときには51キロになっ
ていた。なんと体重が9キロも減っていたという。

そして、帰って来たら、静かに体力を養う。決して無理をしてはいけな
い。無理をすると、抵抗力がなくなっているので病気になり易いのだ、
という。毎日、5~6キロのジョギングをしている。階段の上り下りは
重いものを背負って鍛錬する人が多いが、私の場合は何も背負わず
に上り下りすることにしているという。年齢を考えて無理をしないという
ことか。

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<70歳からの人生訓>

ところで、この人の70歳になってからの人生訓が面白い。
 
 70歳になったら、無理して嫌いな人とつき合わない。
 残り少ない人生なのだから、義理と縁を切る。
 群れに加わらない。嫌なことは絶って、楽しみに変える。
 違うジャンルの人とつき合う。
 同じフィーリングの人とつき合う。

 今まで年賀状が1500枚あったが、これからは止める、という
 挨拶状を出したら、翌年は800枚に減った。その800枚にも
 さらに挨拶状を書いた。

 70歳のときに、あと5年生きると考えて計画を立てる。
 運よく71歳になったら、また振り出しに戻ってあと5年
 生きると考えて計画する。運よく生き延びたら、毎年それ
 を繰り返す、のだという。

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<「津軽のふるさと」・・・美空ひばり>

 この人は歌が好きのようだが、最近全くジャンルの違う歌
 に出会ってその歌が好きになったという。
 それは、美空ひばりの「津軽のふるさと」という曲である。
 この歌は美空ひばりの名曲だが今では滅多に聞くことはない。
 すごく高音の、透き通った、純粋な性格が素直に表れている
 りんごの名曲である。この曲をリクエストした。

 みなみらんぼうは、最近、山の歌を歌わないのですか?と聞か
 れることが多い、という。山の旅人と思われているようだ。
 彼のリクエストは、自らの歌「山遊歌」。これも楽しい歌だ。

 最後に、駄洒落の女王、荻野アンナさんが、仕事を離れる団塊
 の世代に向けて、分かったような、分からないひとこと、

  「これからは、労働(ロードー)からロードへ(外へ?山へ?)」

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<大野剛義氏の経歴・・・旧三井銀行出身>
 
 最後に、株式会社 治(はる)コンサルタント代表取締役社長の
 大野剛義氏は、昭和10年生まれ、慶応大学卒業後、旧三井銀行
 入行。平成4年に三井銀行と太陽神戸銀行が合併したさくら銀行
 の専務取締役を経て、平成8年にさくら総合研究所社長。平成
 11年に退任して、自らのコンサルタント会社を設立した。この
 ように紹介すれば、先輩、同僚、後輩、それに仕事上で知ってい
 る方も多いはずである。


        <日本にも「アルプス」はある>



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