店主のつぶやき

カフェハンナの店主ウジキのつまらない独り言で綴る日記です。

福祉のお仕事とは…?

2009年09月08日 22時22分09秒 | Life
皆様は‘福祉の仕事’と聞いて、どんな仕事をイメージされるでしょう?

もう3年前のことになりますが、我が吉田家の先祖のことを調べようと吉田家本家の本籍を聞くために従兄に電話をしました。その従兄は私の父の長兄(一昨年死去)の長男、現在は吉田家の当主ということになります。いや、そんな大げさなことが言えるほどの家柄ではないのですけどね。
その時の電話でふと私が福祉の仕事の待遇の悪さの愚痴をこぼしたところ、その従兄に
「福祉って年寄りから金絞り出して儲けてんじゃないの?」
というようなことを言われました。
私はあまりの唐突な批判的な意見に言葉を失ってしまいました。

また昨年のこと、私の母方の叔母が生活が苦しいことを嘆き、生活保護のことを持ち出したので、生活保護のことについて私がわかる範囲で説明したところ、
「あんた、生活保護のこともわかるの?!」
と言われました。

福祉の仕事のイメージ。
一般的に福祉の仕事というと介護の仕事をイメージするようです。特に高齢者の介護でしょう。
上記の叔母は、私が障害者福祉の仕事をしていることは知っています。でも、その内容までは知らないために、やはり介護的な仕事のイメージを持っていたのでしょう(確かに介護の仕事もしているのですが…)。生活保護を含む社会保障関連の専門家も福祉の仕事だということはイメージになかったようです。
また、高齢者の介護の仕事のイメージの中には、「大変な仕事」というイメージとは別に、お年寄りの弱い立場に付け込んでお金をせしめているイメージを持つ人もいるようです。上記の従兄はそうなのでしょう。
確かにお金持ちのお年寄りをターゲットにしているいわゆる‘介護ビジネス’というものも存在することは確かです。しかしそれが本流ではなく、一般的な介護の仕事の現場というのは、お金儲けのためにできているものではありません。

話がややこしくなりました。
私の話に戻ると、私が担っている仕事は障害者福祉の仕事です。特に現在の本職は重度障害者介護の仕事ではなく、軽度の障害者の方の就労支援の仕事をしています。その仕事自体を詳しく書くとまた一般の方にはわかりにくいので、あまり深くは書きません。
とにかく私は大学時代から障害者福祉に関わってきており、重度障害の方から軽度の方まで、知的障害、身体障害、精神障害、そして最近では発達障害(高機能自閉症やアスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動性障害)などと言われる障害)の方とも関わりながら、障害者問題全般のことをライフワークとしていきたいと考えています。


mixiもこのブログもやめると言いながら、なぜいきなりこんなことを書き始めたかというと、今回のことで何人かの方からメールやメッセージをいただきました。
皆様私のことを心配して下さっており、とてもありがたく思っております。

その中である方からのメッセージにハッと思わされました。

私は3年前のこのブログで『私は障害者向けのデリヘル嬢』という書籍についての記事を書きました。
日本では昔も今もタブーとされている障害者の性について書かれた本で、当時かなり世間的にも話題になり、私も実際読んだのですが、私自身障害者の性について考えるところがあったので、書評というよりも自分の体験を生々しく書かせていただいたある意味思いきった問題作でした。

上記のある方というのは私の管理人を務めていたフットサルチーム‘gota’に昨年秋頃から参加して下さっていた方なのですが、3年前の当時上記の書籍に興味を持ち読んだ後、他の人の感想を読んでみようとネットで検索したところ私のブログにたどりついたらしいのです。
その後、mixi上でgotaを知り、昨年からgotaの活動に参加して下さったのですが、その管理人であるウジキが、3年前に読んだブログの筆者と同一人物だということを最近になって知り、驚いたとのことでした。
その書についての私のブログの記事は、福祉についてまったく関わりのなかったその方にとって本書以上にインパクトのあるものだったらしく、障害者の性、介護の現実について知り、考えさせられ、そしてこれを書いた人は本気で福祉に取り組んでいる方なんだと尊敬したのだとおっしゃるのです。
そしてその方がおっしゃるには、そういう社会的に影響力のある記事も過去にあったこのブログを閉鎖させるのはとてももったいないとのことでした。

私はこのメッセージをとてもありがたく読みました。
見ず知らずの方(少なくとも3年前の時点では…)がふと私のブログに出会い、その内容に感銘を受け、記憶に残してくれていた。そのことはブログを公開しているものにとってこの上なく嬉しいことです。
最近は私的な内容が多く、そういう社会に訴えるような内容の記事はほとんど書いていませんでしたが、確かに私自身の思いというものを不特定多数の方に訴えかけることができたこのブログは、私の大切な歴史であり宝物でもあります。
そして私のライフワークである障害者問題について、私の出来る範囲でより多くの人に訴えられればと思いは昔も今もあるのです。

上のメッセージをいただき、私の気持ちも変わりました。
mixiを退会する気持ちには変わりありませんが、このブログに関して言えば今回の騒動とはまったく関係ないものですし、とりあえず存続させようと思います。
またしても前言撤回をして、「男としてのけじめ」と言いながらまったく男らしくない私ですが、どうかご理解をいただきたいと思います。

存続といっても今後しばらくは更新はほとんど出来ないと思います。
定期的に読んで下さっていた方もたまに思い出した頃にふらりと立ち寄っていただければ幸いです。


「生まれてすみません」by太宰治