岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

星座α30号:作品批評

2022年10月09日 22時18分17秒 | 作品批評:茂吉と佐太郎の歌論に学んで
 定型詩の意をふまえて

 今号も会員の健詠ぶりに驚いた。気になった一点。短歌は「現代の定型詩」であるので、不自然で、必要性のない句またがりや、一首まとめて31音で済ますものはいかがなものかと思う。さて作品批評。

・無人の家に紫陽花が咲く歌
・漁港の片隅に捨てられた秋刀魚の歌
・花を濡らす雨の歌
・鳴きしきる蝉の歌
・心を鎮める歌

 抒情の深きものを5首選んだ。一首目。情景を詠んでいるのだが心理的な作品。目の付け所は作者の価値観やものの見方による。それが独自性だ。二首目。作者は抒情のあり方を把んだようだ。一抹の悲しさの漂う作品。三首目。これも情景を詠んでいるだけだが、意外と心理的。四首目。上の句の比喩が効いている。五首目。テーブルクロスに仮託して寂しさを表現している。

・売りに来た野菜を買う歌。
 (これは望郷の歌である。相聞歌でもある。」)

・夫の手を握りなおして歩く歌
 (これは相聞歌である。夫婦の語らいが聞こえるようだ。)

 これも佳詠。他にも数首割愛した。

()は誌上には書けなかったもの、紙数の問題。



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