「夜の林檎」所収。(「星座選集1」にも出詠した。)
ちょうど「しし座流星群」が話題になった時期に作ったもので、宇宙の不思議を思っていた頃だった。
大きさがどれくらいかは知らぬが、惑星になりきれない「星屑」がある。宇宙の大きさとは比べ物にならない。そう思うと「流星群」というものを「ひときわ寒く」感じたのである。
ところが、最近一つの科学的発見があった。恐竜の絶滅の原因が巨大隕石の落下による気候変動だったと。そうすると流星群がロマンチックなどと思っていられない。流星や隕石の大きさ・軌道を精密に計算している科学者がどこぞに居るのかもしれない。
しかし、短歌の素材とした場合、流星は流星である。見た印象を詠むまでだ。そこで表題の一首となるのであるが、偶然にも与謝野鉄幹との競詠のようになってしまった。「大空」を「宇宙」としたことで、スケールが一回り大きくなったと思うのだがどうだろうか。
与謝野鉄幹作。
・大空の塵とはいかが思ふべき熱き涙の流るるものを・「相聞」