特別便 2012年3月10日(土)
♪ Mr.Lonely Electro Guiter Orchestra+Strings
遠い地平線が消えて 深々とした夜の闇に心を休める時
遥か雲海の上を 音もなく流れ去る気流は 弛みない 宇宙の営みを告げています
満天の星を頂く 果てしない光の海を 豊かに流れ行く 風に心を開けば
煌めく星座の物語も聞こえて来る 夜のしじまの なんと饒舌なことでしょう
光と影の境に消えて行った 遥かな地平線も 瞼に浮かんで参ります
午前零時のナイトオンザプラネット 毎日深夜 東京のスタジオから
JALの提供でお送りしています この番組 JET STREAM
ちょうどその頃 ニューヨークは 午前10時
ユニオンスクエアの老舗デパートは お店が開いたばかり
売り子さんたちは まだ手持無沙汰で
夕べ観た ブロードウェイの舞台の話に 夢中かもしれません
大西洋を超えると ロンドンは午後3時
ストラットフォードに造られた オリンピックパークでは
夏の本番を前に 仕上げの最終段階
芝の手入れに 余念のない整備員たちが 午後の紅茶に 一息ついている頃でしょう
時を刻みながら 音もなく回り続ける 私たちの星 地球
この星の上には 70億もの人の 命の光が溢れています
さぁ これから皆様を 私 機長大沢たかおが 音に秀でた楽師たちと
素晴らしい 音楽の世界旅行へ お連れしましょう
ニューヨークには 二つの顔があると 人はよく言います
ハイセンスなスーツの鎧に身を包んだ 摩天楼の戦士たち
ニューヨークタイムズと デイリーニューズが総ての現実
自分の成功だけを見つめ 人には決して弱みを見せず
赤信号でも 車さえいなけりゃ駆け抜けて行く
それがニューヨークの一つの顔
そんなマンハッタンに 夕闇が迫ると
ニューヨークに もう一つの顔が現れます
こちらは いつも優しげで 娼婦のような瞳
一緒にいると楽しくて すべてを忘れさせてくれそうな気がします
でも それは泡沫(うたかた)の夢
エンパイアに朝日が輝くと もう傍にいることは ありません
孤独を好む寂しがり屋 他人行儀で お節介 成功と堕落
この移り気な 二つの顔を併せ持つのが ニューヨークという街
誰もが虜になる秘密かもしれません
さぁ これから ハドソン川を渡る グレイハウンドのバスにでもに乗りましょうか
♪ ニューヨークの想い LISA
イングランドの北東部に 13世紀から栄えた港町 スカボロー
この港町で 毎年 8月に開かれる市を題材に 作られたのが
古くから歌われる歌 スカボロー・フェア
別れた恋人への思いを 哀愁を込めて歌われる この スカボロー・フェアは
ミンストレルと呼ばれる 吟遊詩人たちによって 歌い継がれた恋の歌
この歌の一節に出て来る 縫い目のないシャツ とは 決して叶えられない恋
安住の地のない 吟遊詩人の嘆きなのでしょう
街を望む高台に 今は廃墟となった スカボロー城があります
石造りの門をくぐり サウスベイを望む 朽ち果てた城塞の上に立つと
海からの潮風が 心地良く頬を伝い 耳元を 吹き抜けて行きます
吟遊詩人の声が 聞こえたような気がします
叶わぬ恋でも 決して 愛に終わりはない
♪ Scaboraugh Fair GONTITI
♪ Spain 寺井尚子
♪ Brazil 寺井尚子
レンガ色の街 ボストン
アメリカで最も古い街 ボストンは 大学の街 若者たちの街でもあります
夢多き時代 青春と呼ばれた時代からは 随分 遠く離れてしまった気がするけれど
チャールズ川の 川岸を歩いていると ふと 学生の頃を思い出してしまうのは
このボストンという街が醸し出す 香りのせいなのでしょう
まだ諦めも 打算もなかった時代に 回りにいたのは
友達という言葉では片付けられない仲間たち
時には傷つけあいながら 夢見る時 一つの時代を 共に生き抜いた気がします
振り返ると 後悔ばかりでも 今も鮮やかに思い浮かぶのは
真剣に生きた 証なのでしょう
そんな遠く離れてしまった時代が 時折 甦ることがあります
気の合う仲間と 一緒の時間を過ごす時 例えば 今宵のコンサート
ボストン生まれのジェームス・テイラーは こう歌います
It is good to know that you've got a friend
友達がいるって 何て素敵なんだろう
♪ You've Got A Friend 石井竜也&LISA
夜の帳は明日への扉 一つの別れは また 新たな出会いの始まりです
最後に 今日出演したメンバー全員で
What A Wonderful Worldを 演奏することにします
再び 皆様と出会えるフライトがあることを願って
♪ What A Wonderful World 石井竜也 LISA GONTITI 寺井尚子 Electro Guiter Orchestra
目に鮮やかな 緑の木立 匂いたつ 赤いバラ
そのすべてが 僕とあなたの為にある
そう考えるだけで なんてこの世界は素晴らしく思えるのだろう
見上げる 青い空 ぽっかり浮かぶ 白い雲
光に満ちた 真昼も 静かな暗い夜も
この 地球という星は なんと 喜びに満ち溢れてれいるのだろう