2012年3月7日(水) 提供 / JAL
♪ YESTERDAY ANTONIO MORINA GALLERIO
♪ 花のようなやさしいナネット H.PUIG-ROGET
♪ VERY EARLY KRONOS QUARTET
人は 出会いと別れを繰り返し
絶えることのない 時の流れを 歩んでいかねばなりません
思い出という 永久に消えない 星屑を残しながら
今 季節は廻り 再び 花の季節が訪れようとしています
今週の JET STREAM は
可憐な姿と 優しい香りで 人の心を癒す
世界の 花にまつわるお話をしましょう
過ぎ去りし人々への思いを 世界の花の話に込めて
今 ローマは 午後の4時過ぎですが
そろそろ街角では 黄色いミモザの花が売られていることでしょう
イタリアでは 明日の3月8日は ミモザの日
男性が 日頃の感謝を込めて 女性に ミモザの花を贈る習慣があります
ミモザの花を贈るのは 愛する女性だけでなく 職場の同僚や 上司の女性にも
家では 小さな男の子が 大好きなマンマに ミモザの花を贈る
可愛い光景が見られるはずです
このミモザの日 正式の名は 国際婦人デー
イタリアと同じように ロシアでも 男性が女性に花束を贈りますが
まだまだ寒い冬のロシアでは 花の値段はとても高く
男性たちには かなりの痛手のようです
婦人の政治的な解放を目指す
世界的な連帯の日として始まった この 国際婦人デー
次第に その政治的な意味合いは薄れ
世界的にも 女性の美しさや 母親を讃える日になりつつあります
ミモザの花言葉は 友情 真実の愛 秘めた恋
日頃から 情熱的なイタリア男性 この日を利用して ミモザの花を贈って
愛を確かめ合うというのが 本音かもしれません
イタリアの女性は 贈られたミモザを誇らしげに 胸や髪に飾り
この日は一日 ゆったり過ごします
特に 家を任されている主婦たちは この日 家事や育児から解放されて
女同士で外食に出掛けたり 夜遅くまでお喋りして楽しむそうです
ミモザの黄色は 輝く太陽の色
元始 女性は太陽だったとは 平塚雷鳥の言葉ですが
日本の男性も 日頃の感謝を込めて
女性に ミモザの花を贈っては 如何でしょう
♪ パン笛の夢 ドルー
♪ WOMAN BILL FRISELL
SOUND GRAFFITI エバーグリーンサウンド No.3
♪ GOODBYE YELLOW BRICK ROAD
♪ SACRIFICE
♪ DON'T LET THE SUN GO DOWN ON ME
♪ YOUR SONG
♪ I WANT TO HOLD YOUR HAND GARY MCFARLAND
お隣 韓国の春を告げる花と言えば チンダルレ
春の日を浴びて 山の斜面に 淡い紫色の花を咲かせる この チンダルレ
日本では カラムラサキツツジと呼ばれています
韓国では すべてのツツジを チンダルレ と呼ぶ為
ツツジの花と誤解している方もいますが
日本では 植物園以外では 見ることは出来ないそうです
韓国では昔 旧暦の3月3日に 女性たちが野山に出掛けて遊ぶ
ファジョン と呼ばれる 風習がありました
ファジョンとは 花の餅
野に咲いている花を摘んで 焼いたお餅の上に乗せた お菓子です
このファジョンに 最も使われているのが チンダルレ
白い餅の上に 薄紫の花弁は 目にも鮮やかです
艶やかな チマチョゴリを着た女性たちが
春の野に遊びながら 花びらが乗った餅を食べる
なんと優雅な風習なのでしょう
ところで このチンダルレには
韓国の国民的な詩人 キム・ソウォルの 有名な詩があります
キム・ソウォルは 今から90年程前 彗星のように現れた 天才詩人
彼は 32歳の若さで亡くなりますが
今尚 この チンダルレの詩は 多くの人々に 愛唱されています
私が嫌で行くのなら 何も言わずに送りましょう
ヨンビョン(寧辺)のヤクサン(薬山)の チンダルレをひと抱え
行く手の道に撒きましょう
ひと足ごとに その花を そっと踏みしめ お行きなさい
私が嫌で行くのなら 死んでも 涙は見せません
野に咲く チンダルレ 薄紫色の花が 春の風に 揺れています
♪ 僕は帰ろう GONTITI