草むしりしながら

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なるようになるさ

2019-10-16 20:22:19 | 偏屈婆さん
なるようになるさ
 
 毎週水曜日と日曜日は一人暮らしをしている伯母の所に通っている。今日も訪ねていくと、家に鍵がかかっている。近くに住む生家の甥に尋ねると、ディサービスの運動会に行ったと言う。

 いつもは火曜と金曜日に行くのだが、今日は特別なのだとか。それにしても運動会とは、応援だろうかそれとも選手で出るのだろうか。

 伯母はこの秋で満九十九歳になった。先日の誕生日には、甥に白寿のお祝いをしてもらったばかりである。ずっと元気で人には頼らず、なんでも自分でやって来た。それが昨年の五月に腰を痛め、今では寝ていることの方が多くなった。

 ディサービスには昨年の八月から通い始めた。最初は行くのをすごく嫌がったが、すぐに馴染んで、この頃ではディサービスの話ばかりをしている。

 留守なら帰ろうかと思ったが、せっかく来たのだから掃除だけでもしようと、合鍵を使って家の入った。見慣れた伯母の家が、いつもと違って見える。主のいないベッドがなんだが寂しい。いつかはこんな日が来るだろ。その時私は泣くのだろうか、笑うのだろうか……。

 いかん、いかん、勝手に想像力を働かせては。運動会を楽しんでいる伯母に失礼だ。当の本人は「これ以上生きたいとも、もう死にたいとも思わない。なるようになるだけだ」と言っているのに、私がいらん事を考えてどうする。秋風に吹かれながら、ケセラセラと口ずさんだ。



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