夏景色
昨日と一昨日の暑さに比べ、今日はなんと涼しいことか。朝から曇ってはいるが、風が吹いてベランダの洗濯物を揺らしている。おかげで乾燥機にかけなければダメかなと思っていた洗濯物が、意外に早く乾いた。
生家から東京のマンションに戻ってきて五日目になる。生家での働きに比べ、夫と二人暮らしの東京での生活は、必要最低限のことしかしない。夫の方がマメなのだ。
それでもザリガニの水を換えるという仕事は、私の大切な役目だ。去年の夏に孫と一緒につかまえたザリガニは、無事に冬を越して二年目の夏を迎えた。午後の仕事の第一番はこのザリガニの入っている飼育箱の掃除と、水の交換になった。実にお気楽で申し訳ない。
水はベランダにバケツに入れて汲み置いている。バケツの中には水と一緒にAmazonで購入した水草もたっぷりと入っている。水も水草も小さなザリガニに有り余るくらいに用意してあるのだ。
しかしザリガニには市販の餌も与えているので、この水草はあまり食べない。正直冬を越すとは思っていなかった。だから無事に生きていたのを見た夫が喜んで、水草をたくさん買ってしまったのだ。
おかげでバケツの中の水草は増える一方である。あまり増えても困るのだが……。とバケツの中の水草に目をやると、なんと梅の花にも似た白い花が一輪咲いていた。
なんて清々ししいのだろう。数年前に行った安曇野のワサビ畑の横を流れていた清流を思い出した。もっとも向こうは梅花藻で、こちらカナダモなのだが……。
早速掃除の終わった飼育箱に入れ、ザリガニを放して居間に置いた。すると殺風景で季節感の中tgタ居間に、夏の景色が広がった。