草むしりしながら

読書・料理・野菜つくりなど日々の想いをしたためます

カタバミ

2018-12-15 14:01:45 | 日記
カタバミ
 
 冷たい雨が降りそそぐ畑を、二階の窓から眺める。このところ何かと忙しくその上家を十日ほど留守にしていて、畑に出ない日が続いた。しばらくぶりに見る畑は野菜も大きくなったが、草はもっと伸びていた。

 雑草をむしらねばと思うだが、ぬかるんだ地面と冬の寒さが邪魔をする。それにしても冬の雑草の柔らかな緑色の美しいことか。見とれていたら何処からか、母の小言が聞こえたような気がした。とにかく草が生えているのが嫌いな人だった。いつも畑や庭の草むしりばかりしていた。
 
 子供の頃庭の片隅でひっそりと咲いているカタバミに見とれていたら、横からヒョイと母の手が出てきて、それを引き抜いてしまった。文句を言うと反対に怒られてしまった。「はびこってどうにもならなくなる」と。
 
 確かにカタバミのハートの形の葉っぱや、黄色い五弁の花は可憐であるが、槍のような実は触れると種を飛ばす。地面を這うように枝葉を広げ、太い根っこはなかなか抜けない。油断をするといたるところカタバミだらけになってしまう。
 
 何かよい退治方法はないかといろいろ調べてみたが、けっきょく手で端からむしるしか無いようだ。いつしか私も母のように、カタバミを目の敵にするようになっていた。