オリンパス
2011.11.11 zakzak
1000億円超の損失隠し問題が発覚した精密機器大手、オリンパスが危機にひんしている。同社株が監理ポストに入り、上場廃止の可能性も浮上。警視庁が捜査に本格着手し、菊川剛前会長(70)ら退陣した同社の前経営陣を「特別背任罪で立件する可能性が出てきた」(捜査関係者)という。騒動は、思わぬ方向にも波及し、一連の不祥事の内幕を暴露した金融関係者によるブログが話題となっている。日本を代表する企業を襲ったスキャンダルを追った。
オリンパスの社長を解任された英国人、マイケル・ウッドフォード氏(51)の告発が発端となって明るみに出たオリンパスの巨額「損失隠し」。日本の企業社会の病巣を象徴するような金融不祥事は、刑事事件にまで発展する気配が濃厚になってきた。警視庁の関係者は言う。
「かねてより内偵を進めてきた警視庁捜査2課が立件に向けて動き出したようです。狙いは、菊川剛前会長や側近の森久志前副社長ら前経営陣。巨額の損失隠しを主導していたとして金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑での捜査を足がかりに、最終的には特別背任罪での起訴を視野に入れているようです」
この関係者によると、今後はすでに調査を進めている証券取引等監視委員会や東京地検特捜部とも連携し、捜査の分担を調整する方向だ。これまでに判明したオリンパスの損失額は1000億円超。警視庁は、この解消に使われた巨額資金の行方についても解明を急ぐ構えという。
スキャンダルの影響はあらぬ方面にも波及し始めた。今回のオリンパスの不祥事を題材にした記事を掲載するネット上の「日刊闇株新聞」が金融関係者の話題を集めているのだ。
副題には「闇から暴く相場の真実」と銘打たれており、金融業界の内幕や株式情報に関する記事を日々アップ。ブログランキングポータルサイト「人気ブログランキング」で、株式部門の4位に入るほどの人気だ。
そこに「オリンパスの社長解任」と題する記事がアップされたのは10月18日。ウッドフォード氏が解任されてから4日後のことだった。
一部月刊誌の報道がきっかけで英医療機器会社、ジャイラスの買収資金に絡む不透明なカネの流れが明るみに出ていたが、この段階でいち早く「飛ばし」疑惑に踏み込み、《ウッドフォード氏は、(中略)「パンドラの箱」を開けようとしたため、(同)解任された》と指摘し、一部関係者の間で注目を集めた。
「バブル崩壊後に続発した財テクに失敗した企業による『損失隠し』の手口を紹介。今回のオリンパスの案件についても、詳しい内部事情を明かすなど、金融業界に長い関係者を思わせる書き込みが見受けられる」(金融関係者)
ブログでは、外電の報道でオリンパスへの指南役とされた元野村証券の金融マンN氏について《彼がすべてを仕組めたはずがありません》と断言。背後に《ごく少数の「長い付き合い」の外部の人間》がいるとし、元野村証券の2人をキーマンとして実名を挙げて指摘した。
その後も、5回にわたって記事を更新し、「記述内容があまりに深く詳細なため、NHKまでがこのブログを取り上げたほど。金融業界では、誰が記事を書いているのか正体を問う声が高まっています」(同)。
そんななか、この執筆者として意外な人物が浮上した。
「投資顧問会社のS氏です。S氏は、SBIホールディングスの北尾吉孝CEOと野村証券で同期だった金融マンで、野村時代に、財テクに失敗した企業の損失処理スキームに精通。オリンパスの案件についても背景事情を知っていた可能性があります」(同)
S氏といえば、女子アナの娘が先月、国会議員と結婚したことでも話題を集めた。
別の金融関係者も「S氏のはずです。野村時代、オリンパスの直接の担当ではなかったようですが、当時の状況を知っていてもおかしくありませんから」と話す。
夕刊フジでは10日、S氏を直撃したが、「コメントできない」と答えるだけだった。
各方面に波紋を広げ、収束の気配もないオリンパス騒動。上場廃止という最悪の事態は現実のものとなるのか。
オリンパスの社長を解任された英国人、マイケル・ウッドフォード氏(51)の告発が発端となって明るみに出たオリンパスの巨額「損失隠し」。日本の企業社会の病巣を象徴するような金融不祥事は、刑事事件にまで発展する気配が濃厚になってきた。警視庁の関係者は言う。
「かねてより内偵を進めてきた警視庁捜査2課が立件に向けて動き出したようです。狙いは、菊川剛前会長や側近の森久志前副社長ら前経営陣。巨額の損失隠しを主導していたとして金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑での捜査を足がかりに、最終的には特別背任罪での起訴を視野に入れているようです」
この関係者によると、今後はすでに調査を進めている証券取引等監視委員会や東京地検特捜部とも連携し、捜査の分担を調整する方向だ。これまでに判明したオリンパスの損失額は1000億円超。警視庁は、この解消に使われた巨額資金の行方についても解明を急ぐ構えという。
スキャンダルの影響はあらぬ方面にも波及し始めた。今回のオリンパスの不祥事を題材にした記事を掲載するネット上の「日刊闇株新聞」が金融関係者の話題を集めているのだ。
副題には「闇から暴く相場の真実」と銘打たれており、金融業界の内幕や株式情報に関する記事を日々アップ。ブログランキングポータルサイト「人気ブログランキング」で、株式部門の4位に入るほどの人気だ。
そこに「オリンパスの社長解任」と題する記事がアップされたのは10月18日。ウッドフォード氏が解任されてから4日後のことだった。
一部月刊誌の報道がきっかけで英医療機器会社、ジャイラスの買収資金に絡む不透明なカネの流れが明るみに出ていたが、この段階でいち早く「飛ばし」疑惑に踏み込み、《ウッドフォード氏は、(中略)「パンドラの箱」を開けようとしたため、(同)解任された》と指摘し、一部関係者の間で注目を集めた。
「バブル崩壊後に続発した財テクに失敗した企業による『損失隠し』の手口を紹介。今回のオリンパスの案件についても、詳しい内部事情を明かすなど、金融業界に長い関係者を思わせる書き込みが見受けられる」(金融関係者)
ブログでは、外電の報道でオリンパスへの指南役とされた元野村証券の金融マンN氏について《彼がすべてを仕組めたはずがありません》と断言。背後に《ごく少数の「長い付き合い」の外部の人間》がいるとし、元野村証券の2人をキーマンとして実名を挙げて指摘した。
その後も、5回にわたって記事を更新し、「記述内容があまりに深く詳細なため、NHKまでがこのブログを取り上げたほど。金融業界では、誰が記事を書いているのか正体を問う声が高まっています」(同)。
そんななか、この執筆者として意外な人物が浮上した。
「投資顧問会社のS氏です。S氏は、SBIホールディングスの北尾吉孝CEOと野村証券で同期だった金融マンで、野村時代に、財テクに失敗した企業の損失処理スキームに精通。オリンパスの案件についても背景事情を知っていた可能性があります」(同)
S氏といえば、女子アナの娘が先月、国会議員と結婚したことでも話題を集めた。
別の金融関係者も「S氏のはずです。野村時代、オリンパスの直接の担当ではなかったようですが、当時の状況を知っていてもおかしくありませんから」と話す。
夕刊フジでは10日、S氏を直撃したが、「コメントできない」と答えるだけだった。
各方面に波紋を広げ、収束の気配もないオリンパス騒動。上場廃止という最悪の事態は現実のものとなるのか。