旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

駅弁コレクション374 「九尾すし」(宇都宮駅)

2024-09-04 11:48:39 | 駅弁コレクション
【九尾すし】(宇都宮駅)
                             2024.9.4投稿

2024年(令和6年)6月29日 那須塩原駅で購入    価格950円
                      [製造元]フタバ食品(株)

 伝説の「九尾の狐」と那須連山。九尾の狐が姿を変えたという伝説がある「殺生石」の絵と、松尾芭蕉の弟子 麻布が詠んだとされる「飛ぶものは 雲ばかりなり 石の上」の句が描かれた掛紙が、歌舞伎紐で掛けられています。


 発泡素材の蓋付き容器(15.5㎝×18.5㎝×2.8㎝)です。


 真ん中に太巻きとカッパ巻きを置き、それを取り囲むように、時計回りに五目いなり寿司・チーズ寿司・かんぴょう細巻き・いなり寿司・スモークサーモン寿司・いなり寿司・かんぴょう細巻き・チャーシュー寿司・五目いなり寿司が並んでいます。
 キュウリの醤油漬けと紅ショウガ、パック醤油が添えられています。




 狐と言えばお稲荷さん。2種類入っています。太巻き・カッパ・干瓢の定番に加え、地元那須野が原は酪農が盛んで、チーズとチャーシューの握りもあり、さらにはスモークサーモンの握り。こちらにはわさびではなくマスタードが使われています。地域の伝説と地域の食材を組み合わせた、和洋折衷の内容になっています。
 かつて大宮駅で販売されていたムサシ食品の『盆栽すし』とは、駅弁名と内容の組み合わせから、似て非なるものと感じます。
 この駅弁は、1957年(昭和32年)9月15日から黒磯駅で発売された、かつての名物駅弁「九尾すし」の復刻版です。
 2005年(平成17年)年11月をもって販売終了しましたが、2012年(平成24年)から製造元が運営する、東北自動車道下り線の上河内サービスエリアで復刻版の販売が始まりました。
 2022年(令和4年)11月現在の情報では、上河内SAは毎日、宇都宮駅「とちびより」では毎週月・火・金・土曜日の販売。の販売となります。
 さらに、現在では毎週土曜日個数限定で那須塩原駅での販売も行われています。

 製造元のフタバ食品は、今では冷凍食品・氷菓子・ラクトアイスを主力とする食品メーカーですが、創業は1945年(昭和20年)12月19日、製粉が主力事業の栃木食糧品工業有限会社が前身です。
 1946年(昭和21年)には、鉄道弘済会食品工場として各駅(高崎、白河、栃木)に冷菓の納入を開始しました。
 1952年(昭和27年)に社名を有限会社栃食と変更し、1957年(昭和32年)から東北本線黒磯駅で九尾寿司の販売を開始しています。
 1963年(昭和38年)双葉食品興業株式会社と合併、社名をフタバ食品株式会社に社名を変更。