旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

山田線の旅2 盛岡駅~区界駅

2018-12-17 15:23:24 | 山田線の旅
 山田線は、岩手県盛岡駅から宮古駅を経由し釜石駅までを結ぶ157.5kmの東日本旅客鉄道の路線です。
 現在でも、2011年(平成23年)3月11日の東北地方太平洋沖地震とこれにより発生した大津波により、三陸海岸沿いに走る宮古駅・釜石駅は不通になっています。
 なお、不通になっているこの区間は現在復旧工事が進んでおり、2019年(平成31年)3月23日三陸鉄道へ移管し、営業を再開する予定になっています。


 来年は、ラグビーワルドカップ2019日本大会の年です。岩手県釜石市でも2試合開催されます。


 盛岡駅は、東北新幹線・秋田新幹線・東北本線・田沢湖線・山田線・岩手銀河鉄道線が乗り入れている他に、花輪線の全列車と釜石線の一部の列車が乗り入れている交通の要所で、IGRいわて銀河鉄道に移管された0・1番線を含めると、在来線ホーム5面10線(0~9番線)、新幹線ホーム2面4線(11~14番線)、合計7面14線で地上ホーム数が東北地域で最も多い駅です。
 しかし、在来線の優等列車もなくなり、新幹線ホームやコンコースを除くと閑散としたものです。




 10時50分過ぎの入線との案内がありましたから、暫く2・3番線ホームの散策。
 寝台特急北斗星の名残です。


 これは…。
 「1965・10」
 1965年(昭和40年)10月1日。東北本線は盛岡駅まで電化され、この日から483系電車10両編成を使用した、特急「やまびこ」が上野駅・盛岡駅間で運行を開始しました。想像ですが、電化記念のプレートかと思います。


 「快速 リアス」がキハ110系2両で、10時50分前に入線してきました。


 先頭車両キハ110-131は、座席にテーブルが設置されています。




 山田線は運行本数は少なく、盛岡駅・上米内駅間、川内駅・宮古駅間、茂市駅・宮古駅間の区間列車があるものの、全区間を直通する列車は1日に4往復、そのうち1往復半(下り2本、上り1本)は快速「リアス」です。
 11時5分発のこの快速「リアス」が、宮古駅まで直通する今日最初の列車になります。
 入線したときは10人余りの乗客でしたが、発車間際には新幹線からの乗り継ぎ客と思われる人が乗り込んできて、立っている人も見られる混み具合です。
 隣に座った方も「大人の休日倶楽部パス」を使って茨城県から新幹線で来て、私たちとほぼ同じルートで旅するとのことでした。

山田線下り 快速 リアス 宮古行  
盛岡     11:05発
 新幹線の高架をくぐって右カーブ。上盛岡駅へ向かいます。


 ちょっと早いのですが、盛岡駅で購入した駅弁を頂きます。
 盛岡駅には、かつて「むつ弁」「村井松月堂」という地元業者の駅弁がありましたが、現在は一ノ関駅弁業者「斎藤松月堂」や、仙台や青森県・秋田県のものを売っています。
 一つは、新青森駅開業と共に駅弁に参入した五所川原の弁当屋さん「つがる惣菜」の「津軽めんこい懐石弁当 ひとくちだらけ」。
 主な販売駅は、弘前駅と新青森駅でなかなか手に入りません。あの東京駅の「駅弁屋 祭」にも午後7時を過ぎないと出ない、出てもすぐ売り切れることから「幻の駅弁」とも言われていて、どうしても食べたければ前日までに予約して弘前駅で受け取る方法しかありません。
 しかし、盛岡駅には沢山並んでいました。




 もう一つは、大館駅花善の「鶏めし」。ですが…。
 今年、2018年(平成30年)10月30日から11月30日まで、フランス国鉄パリ・リヨン駅で、日本の駅弁の臨時販売が行われました。フランスでの日本の駅弁販売は、2016年(平成28年)にも゙実施し、今回が2回目です。前回は日本レストランエンタプライズ(NRE)の駅弁のみの販売でしたが、今回は新たに老舗の駅弁会社5社が参加しました。そのうちの1社が「花善」です。
 花善では、2018年(平成30年)11月1日から年12月31日まで、フランス現地で販売する鶏めし弁当の内容(掛け紙・食材等)をそのままに『Paris‘S鶏めし弁当』として期間限定販売しています。なお、掛紙は5種類あり、日替わりで1種類ずつの販売だそうです。




上盛岡    11:09着 11:09発
 駅周辺は大学や高校などもあるため、アパートなども目立ちます。


山岸     11:12着 11:13発   
 この辺からは、両側が丘陵地になります。


 今日は、車窓を楽しむ絶好の天気!
 かなり前になりますが、「所さんの 目がテン!」という番組で「絶景がオカズ!?(秘)駅弁」というテーマで、駅弁をとりあげたことがありました。
 専門家によると、流れる景色のモニターを見ながら実際に駅弁を食べてもらうと、美味しさを感じる「前頭前野」の部分が強く反応したそうです。
 ですから、車窓に流れる景色は、食欲を増進させるだけではなく、駅弁をより美味しく感じさせるスパイスといえるそうです。
 また、駅弁に炊き込みご飯が多く使われているのは、具や調味料に含まれる糖類が水分を逃さず、時間が経っても硬くなりにくいからなのだそうです。


 山岸駅を出て、曲流する米内川を7回渡ると上米内駅につきます。


上米内    11:18着 11:19発
 駅前には有形文化財に指定されている米内浄水場があり、盛岡市の水道の歴史がわかる「水道記念館」(盛岡市保存建造物)もあるるそうです。また、ここは桜の名所として知られ、ゴールデンウィーク頃の開花の時期には特別に敷地内が開放されるとのことです。


 次の区界駅までの間には、大志田駅・浅岸駅がありましたが、2016年(平成28年)3月26日のダイヤ改正で廃止されましたので、区界駅との駅間距離25.7kmは、JR東日本管内の在来線で最長区間となりました。


 まだ柿の実が木に残っています。
 一個残すのは「木守りの柿」というようですが、これは自然に渋抜きをするために残しているのでしょうか。


区界     11:48着 11:48発
 ここから宮古市に入ります。
 区界駅の標高は744m。東北地方の駅としては最高峰。


 ホームからは標高1,005mの兜明神岳が見えます。駅から徒歩50分と書かれています。


 山名の由来は、頂上に甲形の露岩があり、さらに阿部貞任の甲を祭ったところからきているそうです。


 25‰の勾配を登ってきた列車も、ここから下り勾配に入ります。

 つづく。